『犬王』湯浅政明監督、1600年前の中国の壁画に驚き!?「ギターや琵琶を持つと必ず後ろ弾きする人が現れる」
『犬王』の湯浅政明監督が10日(現地時間)第80回ゴールデングローブ賞授賞式に出席。翌11日にはQ&A・琵琶演奏付きのイベント上映が開催され、本作で琵琶監修を担当した後藤幸浩が薩摩琵琶の演奏を披露した。
・森山未來、アヴちゃん、柄本佑ら出演『犬王』がゴールデン・グローブ賞にノミネート!
琵琶監修・後藤幸浩の演奏に会場は大盛り上がり
本作は、「平家物語 犬王の巻」を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚との強烈な友情と「能楽」の世界を鮮烈な視点で描いたアニメーション作品。
湯浅監督、野木亜紀子(脚本)、松本大洋(キャラクター原案)、大友良英(音楽)らクリエイター陣にくわえ、犬王役には、女王蜂として音楽活動をはじめ止まらない躍進を遂げるアヴちゃん。友魚役は、カテゴリーに縛られない表現者として卓越した演技力・歌唱力を持つ森山未來。共に圧倒的な存在感でフィルムを彩っている。
アカデミー賞の前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞アニメ映画賞にノミネートされた本作。授賞式には監督である湯浅と、琵琶監修の後藤が出席した。アニメ映画賞には『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が輝き、本作は惜しくも受賞を逃すも、名だたる作品とともに、『犬王』もラインナップされた。
授賞式の翌日には、本編上映Q&A、琵琶演奏のイベントを実施。本作において琵琶監修のみならず、劇中曲の演奏、作譜、さらには友魚の師匠・谷一の声優まで多岐にわたる活躍を見せる後藤が薩摩琵琶で、谷一と友魚が壇ノ浦で出会うシーンから千人琵琶に連なる楽曲を新しいアレンジで奏で、全米から詰めかけた満席の観客・メディアが熱狂した。
Q&Aで湯浅監督は、「歴史から消えてしまったものをやることに意味があると思ったんです」と話し、歴史的な時代背景と現代のロックオペラの融合については「琵琶の後ろ弾きに関しては、1600年前の中国の壁画にも琵琶の後ろ弾きが描かれていたと知って“ギターや琵琶を持つと必ず後ろ弾きする人が現れるんだ”と思いました(笑)」と明かし、会場の笑いを誘った。
音楽だけでなく世界中の様々なスタイルのダンスについても称賛を受け、「世界中で、犬王たちのように色んなことにチャレンジしてきた人がいることを表現したかった」と全米に向けて熱い思いを語り、大きな歓声と拍手の中、イベントは幕を閉じた。
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