『すずめの戸締まり』ベルリン映画祭プレミア上映には“草太”の姿も!「椅子の状態となってしまった北斗君と一緒に…」
新海誠監督と原菜乃華が、ベルリン国際映画祭の『すずめの戸締まり』プレミア上映に参加。川村元気プロデューサーと共に、記者会見や舞台挨拶で本作について語った。
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『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりのノミネートに「そんな場所に自分がいることが信じられない」
日本アニメーションでは『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶりのベルリン国際映画祭「コンペティション部門」選出となった本作。
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公式記者会見で、海外メディアから「『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりに日本のアニメーションがコンペティション部門にノミネートされた、この重要度はどのように受け止めているか?」と聞かれると、「21年前のことはよく覚えている。ちょうど自分がアニメを作り始めた年だった」と新海監督。
「日本のアニメがそんなに遠くまで届くのだという事を教えられたので、今そんな場所に自分がいることが信じられない。ここに来たことが、12年前に起きた東日本大震災という出来事が未だに日本人の心の中に残っている、復興していないところもあるということを皆さんに知ってもらえるとても貴重な経験になったと思う」と感慨深く語った。
今作で声優初挑戦かつ、国際映画祭には初参加となる原は、「声優に初挑戦させていただいたので、最初は右も左もわからないことだらけで、何をどうすればいいのか、全くわからなかった。そのことを監督に相談したら、そのままで大丈夫と言ってくださった。何度もテイクを重ねさせていただいて、納得いくまで挑戦させてもらった。監督に身をゆだねて頑張った」とコメント。原のコメントを受けて新海監督は「初めての不安も含めて演じてもらいたいと思っていた。菜乃華さんの成長とすずめの成長がシンクロしていた」と語った。
レッドカーペットには黒の蝶ネクタイでおめかしをした草太(すずめの椅子)の姿も。原は「草太さんも一緒です」と、新海監督は「我々は松村くんと一緒に、いってきます」と力強く話し、プレミア会場へ歩を進めた。
プレミア上映後、鳴りやまない拍手の中3人が登壇すると、新海監督は「沢山の人に見て頂けてとても嬉しいです。この作品は12年前の東日本大震災をベースにしています。今でも故郷に帰れない人たちが沢山います。すずめが最後に飛び込んだ扉の先で街が燃えているのは、地震や津波の後にガスの爆発などで街が燃えた為です。屋根の上に横たわる船の描写は津波によって打ち上げられたものです。これらは全て12年前に日本に起こったことです。『すずめの戸締まり』というエンターテインメント作品を楽しんでもらいながらも、少しでもそのことを知ってほしかった。どんなに大きな災害にあっても、人笑いながら成長していきます。こうやって沢山の方に笑いながら見てもらえたことが幸せでした」と挨拶。
また、上映を終えた新海監督は「今回は着物姿の菜乃華さんと、椅子の状態となってしまった北斗君と一緒に、3人でこの作品をベルリンへ伝えにきました。この場所に来ることが出来たのも、日本の皆さんの応援があったからです。ありがとうございます。これからすずめはベルリンをスタートにして色んな世界へ旅立っていきます。何となく気にして遠くから応援してもらえたら嬉しいです」と語った。
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