2003年2月5日生まれ、東京都出身。18年5月「エル・ジャポン」誌のカバーで、モデルデビュー。その後、国内外のファッション誌のカバーやラグジュアリーブランドのアンバサダー、CM出演や、19年5月にはパリでランウェイデビューを果たすなど異例の早さでキャリアを積み上げる。また、音楽分野でも、中島美嘉や三浦大知、工藤静香に楽曲提供するなど、作曲の才能を発揮している。女優としては、本作が初出演作品となる。
『牛首村(うしくびむら)』Kōki,×萩原利久×高橋文哉インタビュー
「恐怖の村」シリーズ第3弾、廃墟に閉じ込められたのは誰なのか…?
非現実的なところを想像しながら作るのが面白かった/Kōki,
ホラーの名手、清水崇監督の大ヒット映画『犬鳴村』、『樹海村』に続く「恐怖の村」シリーズ第3弾『牛首村』が完成した。富山県魚津市に実在する北陸最恐心霊スポット・坪野鉱泉を鍵となる舞台に設定し、恐ろしい秘密が引き起こす不可解な出来事に巻き込まれる高校生の奏音が主人公だ。
奏音はある日、クラスメイトの蓮に見せられた動画の中に自分と瓜二つの少女を発見する。友だちと訪れた心霊スポットで廃墟に閉じ込められた彼女は誰なのか? 何かに導かれるように撮影地の坪野鉱泉へと向かう奏音を演じるのは、15歳からモデルとして国内外で活躍してきたKōki,。
初めての映画出演にして主役、しかも1人2役という演じるという大役を任され、寄せられた期待に見事に応えた彼女と、奏音のクラスメイトでほのかな恋心も抱いている蓮、行方不明になった詩音の恋人・将太を演じる実力・人気を兼ね備えた若手俳優2人、萩原利久と高橋文哉に話を聞いた。
・「怖かった…寒気がする」実在する心霊スポットでの撮影にキャストも震え上がる!
Kōki,:非現実的なところを想像しながら作っていくのがとても面白かったと思いましたね。同時に難しい部分でもあります。ホラーシーンはよりクリエイティブな作業で、頭の中で想像しながら演じなければいけないことが多く、難しくもあり、楽しいことでもありました。
萩原:今Kōki,ちゃんが言っていたことはまさしくその通りで、非日常なホラーシーンはすごくクリエイティブに溢れているシーンが多かったと思います。僕が演じた蓮に関しては、日常というパートがちゃんとあったので、逆に日常をしっかり作ることで、非日常がより楽しくなる。裏返しというか、対極になってくるので。日常を濃く描くと、非日常の部分でより遠くに行きやすい。より現実味がなくなっていく感じがすごく楽しかったと思います。見えないものを想像しながらやるっていうのは、慣れないですけど、それが結構醍醐味でもある。そこは楽しかったですね。
高橋:僕自身も非日常を演じるにあたって、突発的な音への驚きとかは想像しやすかったりします。今回演じた将太の場合は、対象を目の前にして恐怖心を抱きながらも、ちゃんと向き合わなきゃいけなかった。どれぐらいの恐怖感なのか。でも、それに勝る勇気がないと行動は起こせない。その塩梅が難しいなと思いながらやっていました。これまでも恐怖は演じてきましたが、ホラーとしての恐怖というものに、役としての自分を持っていくことが今までなかったので、新しいお芝居の導き方みたいなものを感じたのはすごく楽しかったです。
気軽にコミュニケーションを取れる、心地良い現場だった/萩原利久
Kōki,:監督におっしゃっていただいたことですが、「日常のシーンをいかにリアルに演じるかというところが、とても大切だよ」と言ってくださって。「日常的なシーンをしっかり描くことによってホラー場面が引き立つ、そのバランスなんだ」とおっしゃっていたので、監督の言葉を心に留めて演じていました。
萩原:蓮に関しては、日常というパートで最も色を出すべきというか。奏音と蓮の関係性を、冒頭の短いシーンで見てる方に伝えなければいけないし、伝えることで、非日常的な場面になったときにより2人のキャラクターが生きてくるなと思いました。クランクインがあの冒頭の日常的なシーンだったので、そこを意識して、臨んでいきましたね。あのシーンがある種、一番テンション高かったというか。カットがかかるまで延々と喋って(笑)。
Kōki,:(笑)。
高橋:その点で言うと、僕は日常的なシーンが果てしなく少なかったので(笑)。
Kōki,&萩原:(笑)。
高橋:将太が登場するところから、物語の雰囲気がまた重くなるんです。将太は一番低いところからスタートする感じなので、そこを起点としました。蓮と2人でちょっと話すコミカルなシーンのときくらいかな、日常っぽいシーンは。あの場面では蓮が砕けてくれてる分、将太もそこにすごく乗りやすかった。将太はすごく気持ちが落ちていて、先が見えない怖さみたいなものがあったり、いろんな感情がある中で、蓮と出会って、少しは気持ちが楽になったと思うんです。こうやって素直に話せる奴がいるっていうだけで、少し楽になれる。ずっと、何かにビクビク怯えながら、同時に怒りも覚えながら生きてた人はこうやってほぐされるんだなと思いました。
Kōki,:文哉くんとは、詩音を演じる上で、どうすればもっとナチュラルにできるかなど、ディスカッションすることができて、とてもやりやすかったです。利久くんは、奏音と蓮の関係性や、どんなテンションなのかについてカバーしてくれてありがたかったです。
萩原:気軽にコミュニケーションを取れる関係性だったので、改まることなく、ふとしたタイミングで話し合える心地良い現場でした。監督も前のめりになって的確なアドバイスをしてくださるので、皆で「こうしよう」と話し合いができたと思います。
高橋:現場の雰囲気が良かったので、僕も思ったことを言えて、お互いの「こうしたい」という部分を話し合うことができました。監督も含めて皆でワンシーンを作ることができたので嬉しかったですし、大切な時間だったと感じます。
違う人になれるということが、俳優という仕事の魅力/高橋文哉
Kōki,:1ヵ月半、一緒にチームで撮影した映画が1つの作品として完成したことに感動しました。いろんな思い出やシーンの裏側を思い出して、うるうるしました。
一番最初の試写は姉と一緒に見ましたが、(怖いシーンでは)姉も隣で声を上げていました。私もどういうシーンかわかっているのに、思わずびっくりしてしまう感覚はありました。姉は「頑張ったね」と言ってくれました。
文哉くんも利久くんも、蓮と将太のことをしっかり掴んでいて、ストーリーに引き込まれました。素晴らしいなと思いました。
萩原:蓮が日常のシーンを演じる中で、将太がホラー映画らしく演じているのを見ると、自分と全然違う映画に参加しているような気分になりました。2人のテンションの違いもあり、見ていてとても面白かったです。
僕は1人2役を演じたことがないので、現場での立ち振る舞いなど想像がつかなかったです。現場で1日の間で何度も詩音と奏音に切り替えなければいけない時がありましたが、Kōki,ちゃんは本当に変わるんですよね。衣装で姿は変わりますが、それ以上に“人”がちゃんと変わっていた。それを肌で感じ取れたので、すごいと思いました。
高橋:僕は、詩音と奏音と将太、3人でのシーンもありましたが、奏音の衣装のまま詩音のシーンのリハーサルをするような場面でも、まとうオーラが変わって。それに救われながら、最後まで演じることができたと思います。映画の序盤は将太が出ていませんが、作品を見ていると、僕が演じたシーンで見ていた奏音と蓮ではない2人だということに気づきました。最初の日常のシーンで「奏音はこういう表情をするのか」とか「蓮ってほんとにこういうやつなんだ」とか、将太としての記憶が蘇ってきて、懐かしさに浸りながら見ていました。
Kōki,:撮影現場もそうでしたが、緊張感だったり、エネルギーというか、チーム一つで何かを作るというところでしょうか。それから、自分が演じる中でだんだんキャラクターをわかっていくというか、だんだん近くなっていくところもあって、撮影の後半になると、役から離れるのが寂しいな、と思うくらいの関係になっていました。そういう部分を含めて全てが本当に楽しかったし、これからも演じることをやっていきたいと思いました。
萩原:僕からいいですか。
高橋:どうぞ。
萩原:僕は同じ人たちと、集中して1ヵ月くらい一緒に仕事をして、ぱっと終わってまた次の現場に行って、全然違う役をやれる、というこのサイクルがすごく好きなんです。毎回、名残惜しくもなっちゃうんですけどね。
演じることで言うと、1つ決まった焦点をずっと掘り続けるみたいな作業がすごく楽しい。演じる役についてクエスチョンみたいなものを探して、それをずっと続けていく。ゴールを決めなかったら、本当に永遠にできるんじゃないかなって思いながら、取り組んでいます。やっぱり撮影初日はまだまだ緊張するけれど、現場でやっていく中で見つかるものって、すごく多くて。事前に準備してきたものをみんなで出し合って、その場でまた見つかって、またちょっと自分の中で模索して。より役というものが近づいていくというか、捕める感覚っていうのが楽しい。エネルギーをすごく使うし、飛んでくるし、このエネルギーのかけ合いが好きです。準備すればした分だけ楽しくなるので、そこはやっていて、すごく楽しいなと思いますね。
高橋:僕はやっぱり違う人になれるということですかね。演じるその人のことを考えている時間がすごく好きで。何か作品をやって、次にはまた1ヵ月後、2ヵ月後には違う人になっている。こういうサイクルって、この仕事でしか味わえない感覚だと思います。それがシンプルに好きですし、幅広い層の方々、自分が知らない人までをも、もしかしたら感動させられるかもしれない、すごい職業だと思うんです。
そこに楽しさもありますし、この仕事をしている上での覚悟みたいなものも、自分の中では大切にしたいと思っています。
(text:冨永由紀/photo:小川拓洋)
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