演劇ユニット「30-DELUX」の舞台を大幅にアレンジして映画化した『まくをおろすな！』が1月20日より劇場公開を迎える。
本作で、アイドルグループ「ふぉ～ゆ～」の越岡裕貴扮する主人公・ブン太（紀伊国屋文左衛門）のバディとなるモン太（近松門左衛門）を演じているのがモデル、女優として活躍中の工藤美桜。2022年ドラマ『ドクターホワイト』や『親愛なる僕へ殺意をこめて』をはじめ、数多くのドラマに出演するなど、精力的に女優業に励んだ。そんな工藤の2023年最初の作品が映画『まくをおろすな！』。劇中、歌にダンス、殺陣とエンターテインメントが詰まった作品に挑んだ思いや、2023年の抱負を語った。
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工藤：映像パートと舞台パートがある映画だったので、最初に台本を読んだときは、どんな作品になるのかイメージがわかなかったんです。
『まくをおろすな！』 2023年1月20日より全国公開 (C)「まくをおろすな！」製作委員会」
工藤：撮影では、舞台は舞台、映像は映像で撮っていたので、それが一つにつながったものを観たとき、すごく新鮮というか「台本で書かれていたのはこういうイメージだったんだ」と、とても面白かったです。
工藤：すごく不器用だけどまっすぐで、繊細なところがある人だなと。自分が書いたもので“心中ブーム”が起こっちゃって、それに対してどうしようって抱え込んでしまったとき、手を差し伸べてくれたのがブン太なんですよね。物語のなかでは、強く当たってしまうこともあるのですが、モン太にとって、ブン太は命の恩人。恋愛関係的な好きではないのですが、人として尊敬している。そんな部分はしっかりと意識して演じました。
工藤：男女なのですが、あまり守られているという意識は持たないようにしました。清水順二監督も同じように思っていて、ヒロインみたいな感じではなく、しっかり対等な関係に見せようというのは共通認識でした。ブン太が武闘派という面があったので、モン太は頭脳派としていれたらなと思って臨みました。
工藤：私はすごく人見知りで、どうやってコミュニケーションを取ったらいいのかすごく悩んでいたんです。現場も男性が多く、あまりそういう環境にいたことがなかったので、結構戸惑っていたのですが、越岡さんはすごく優しくて、気を遣って話しかけてくれたので、意外と早くからスッとなじむことができました。お芝居の面でも、一緒に読み合わせをしてくださったり、撮影の合間に殺陣の練習も付き合ってくださいました。すごく支えていただきました。
工藤：それは絶対に無理です（笑）。結構たわいもない遊びとかも率先してやってくださったので、とても仲良くなれたと思います。
工藤：そうなんです！(笑)。まだ年上の方だと話せたりするのですが、同い年ぐらいの子たちだと、どんなテンションで行ったら嫌われないかな……ってすごく考えてしまうんです。でも最近「えー人見知りなの？ 全然そんな感じに見えない」と言われることが多くなってきたので、自然と克服できているのかなとは思っています。まあ、自分でも努力しないとダメだなと思っているので、なるべく話しかけてコミュニケーションを取ろうという意識は強くなってきていると思います。
工藤：お芝居に関しては、撮影の前に監督が稽古をしてくださったり、自分でも想像して臨んだのですが、歌やダンスは完全に自己流でした。歌うというよりも、マイクの前に立ってお芝居をするという意識でしたね。ダンスは本当に難しくて大苦戦しました（笑）。
工藤：いや実は苦手で……（苦笑）。運動神経が悪すぎて自分でもどうしたもんかなと思っているんです。ヒーローものやっていて運動神経悪いって言いづらいですよね（笑）。でも体を動かしたりするのは好きなので、今後もダンスやミュージカルなどはチャレンジしていきたいです。
工藤：本当に幅広い役を演じさせていただきました。昨年11月まで放送されていた『親愛なる僕へ殺意をこめて』というドラマでは、結構ハードな役を演じて、自分でもこんな表情ができるんだと新たな発見ができました。またバラエティ番組にもたくさん挑戦させていただき、大きな反響がありました。特に『芸能人が本気で考えた！ドッキリGP』でブチ切れる演技をしたのですが「こんな一面があるんだ」とか「すごくよかった」と言ってくださって、とても嬉しかったです。あのときは朝から稽古して臨んだのですが、放送まで「どんなこと言われるんだろう」って怖くてドキドキしていました。いろいろな経験をしたことで、このお仕事に対して欲が出てきたというか、もっと高いところでお芝居をしたいとどん欲になれた1年でした。
工藤：していた時期もあったのですが、それぞれ意見は違うし、決していいことばかり書かれているわけでもないので、1回1回落ち込んでしまうのなら、見ないで自分らしくいた方がいいなという結論に達しました。いまはあまり見ていないです。でも気になっちゃうこともあるので、精神状態がいい時に、一つの意見として受け止めようというスタンスです。
工藤：目標はいつか映像作品で主演をしたいです。人と比較しても意味はないのですが、私と同じ年齢の方々でも主演をされている人はいますし、それを見て自分もいつかそういう立場でお仕事をしてみたいなと思うようになりました。
工藤：もう3年ぐらい言っているのですが、一人暮らしですかね。結構私は一人でなんでもできるタイプなんです。ご飯はもちろん、イベントや旅行なども、全然一人で大丈夫なんです。だから一人暮らしはぜひしたいです。
工藤：憧れはパリです。ずっと憧れている場所なんです。友達からもパリの街並みの写真集をもらったりして見ているぐらい。
工藤：本当にそうですね。そんな女性になりたいです。
工藤：舞台と映像が掛け合わさっている作品ってあまりないと思うので、新鮮な気持ちで楽しんでいただけるかなと思います。歴史を知っている人だったら、より深く楽しめると思いますし、そうではない方でも、歌にダンスに笑いもあってエンタメがいっぱい詰まっているので、飽きずに見られると思います。私的には、ラストの方での殺陣もすごく頑張ったので、そこにも注目していただけたら嬉しいです。
（text：磯部正和／photo：泉健也）
1999年10月8日生まれ、東京都出身。2015年放送の特撮ドラマ『仮面ライダーゴースト』で深海カノン役で出演すると、2020年放送のスーパー戦隊シリーズ『魔進戦隊キラメイジャー』に大治小夜 / キラメイピンク役で出演と、東映の2大特撮ドラマに出演し注目を集めた。映画、ドラマ以外にもバラエティ番組にも精力的に出演し、活躍の場を広げている。
