2005年7月21日生まれ。大阪府出身。2020年にユニバーサルミュージックで行われた初の女優オーディション「"ニュー・ヒロイン"オーディション」にて最優秀賞を受賞。本作にて映画初出演、初主演を飾る。FM802 ACCESS!キャンスペーンソング「春はグラデーション」MV出演中。
『尾かしら付き。』小西詠斗&大平采佳インタビュー
素顔に共通点も! 映画初主演の人気俳優と期待の新人、撮影秘話や互いの印象を語る
中学生の役をできるのかなという不安はありました(小西)
お尻に豚のしっぽのようなものが映えていることで心を閉ざしている少年・宇津見快成と、ふとしたことで彼の秘密を知って寄り添おうとする少女・樋山那智。中学生の二人の共通点は、“みんなと違う”ことに悩んでいること。そんな二人が互いを知りたいと思い、勇気を出して歩み寄っていくことで生まれる、不思議で温かな物語。
累計発行部数15万部の人気コミック「尾かしら付き。」の実写映画は、人と違うこと、偏見、違いを認め合うこと、優しく生きるうえで大切なことをファンタスティックに伝えてくれる作品だ。実写映画化するにあたり、快成と那智のキャストに選ばれたのは、若手人気俳優の小西詠斗と本作で映画デビューを果たした大平采佳。それぞれの役を繊細に瑞々しく演じた二人に、初主演の感想や撮影秘話、互いの印象などを聞いた。
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小西:僕はもともと映画が好きで、映画に出たいと思っていたうえでの初主演でしたので、こんなに幸せなことはないなと思いました。ただ、原作を読んだら中学生で(笑)。中学生の役をできるのかなという不安はありましたが、今もまだ学生の役をいただけることは光栄ですね。
小西:はい。23歳になりました。
小西:そうですよね。中学生に見えていたらいいな。幼い見た目で良かったです。
小西:自分の学生時代を思い返しても、快成とは共感する部分がたくさんありました。周りばっかり気にしちゃってとか、そういう部分が似ているなと思ったので、演じやすかったですね。
大平:はい。撮影自体が初めてだったので、何もわからない状態ですごく緊張しました。でもいざ始まってみると、周りの人も優しく温かく接してくれたので、すごく和みましたし、リラックスした状態で演技することができたと思います。
大平:他のキャストの方よりもいろいろなことを考えた方が良いと思ったので、原作を何回も読んで、原作ではこういう表情しているな等、演技のヒントをもらいながら頑張りました。
原作をたくさん読んで感じ取れたものを自分なりにやってみました(大平)
小西:すごくプレッシャーは感じていましたが、とにかく原作をたくさん読んで研究して、日頃から「今、快成だったらこう思うんだろうな」とか「こういう言い回しをするんだろうな」とかを考えていました。そうやって撮影前に役作りをしていましたが、現場に入ってからは原作にとらわれすぎず、真似っこにはならないようにして、現場の空気で自分が何を感じるのかを大切にしながら演じさせていただきました。
大平:原作のイラストに見た目を寄せるのはなかなか難しいかもしれませんが、表情や動きは原作をたくさん読んで感じ取れたものを自分なりにやってみました。歩き方や走り方も、「那智ならこうするだろうな」とか。できるだけ那智を自分の中に入れ込んで、撮影に挑んでいました。
大平:ちょっと近いかも(笑)。スポーツはあまりやってこなかったですし、運動部に入った経験もなかったので、那智の運動が苦手な感じを出せたんじゃないかなと思います。
お話したら元気な子で(小西)真面目な方なのかなと(大平)
小西:僕は周りばっかり気にしていましたね。人見知りもすごくて、人とコミュニケーションをとるのが苦手でまともに人と話せなくて。もちろん大勢の前で発言したりするのも嫌でしたし、授業中に「トイレに行っていいですか」とかも言えなかったです。それくらい周りに変に思われたらいやだな、と思っていたので快成の気持ちはすごくわかります。
大平:私も人見知りですね。那智と少し似てるなと思ったのは、悩み事を抱え込みやすくて、 周りに相談もあまりしないけれど、一気に爆発しちゃうところとか、でも実際は周りの子もそれに気づいていることが多いとか。私も部活に入っていた時があったのですが、友達に「いつでも相談してね」って言われたりしたことがあるので、やっぱり悩みがあることに周囲は気付くもんなんだなって。友達がそういう風に言ってくれたから相談しやすくなったことがありました。
小西:(大平さんが)最初は緊張してたと思うのですが、すごく静かでおとなしい子で。 あの時いくつ? 中学生? 高校1年生?
大平:初めてお会いしたのは高校1年生です。
小西: 1年生か。すごく静かな印象で、でも現場に入っていろいろお話しするとすごく元気な子で。撮休があったら買い物にお出掛けしたりとか。僕はそんな体力ないんですけれども。 地元で 友達とプリクラ撮ったりワイワイしてるというのを聞いて、元気でアクティブな子なんだなという印象に変わりました。お芝居の面では最初から安定されていましたが、どんどん自分のものにしているのが目に見えてわかって、すごいなあと感心させられましたね。
大平:第一印象で言うと、真面目な方なのかなと感じて。台本を読んでいる姿を見ていても真剣に向き合っているのを感じたのですが、実際しゃべってみると……。
小西:おおっ?(笑)
大平:実際しゃべると気さくな方で、いろんなお話をさせてもらったりして、撮影の合間 に歌ったりしていて。
小西:え、マジで? 記憶にないです。
大平:いつの間にか歌っていました(笑)。
小西:とても恥ずかしいですね。僕はすごく人見知りで、最初はうまく話しかけられなかったりしたんですけれども。ごめんね、緊張したよね(笑)。
大平:緊張しましたね。
小西:だよね。木村昴さんみたいにうまく場を和ませたりできないので。緊張させちゃったら申し訳ないなと思ってましたけどね。
大平:でもその空気感が撮影の時にいい感じに出ていたんじゃないかな、と思います。初々しい感じで。
小西:撮影が進むにつれて僕たちも仲が深まっていったなあと思います。
小西:やっぱり一番は、木村昴さんですよね。
大平:ですね(笑)。
小西:木村さんはすごく元気なんですよ。いろいろな人に話しかけにいって、場を和ませて くれて、テレビで見ているまんまなんですよ。カメラが回ってないときもそうなので、それが僕はすごく嬉しかったです。木村さんってコーラが大好きじゃないですか。現場でも実際にコーラを飲んでいて、「これは俺のライフウォーター」っておっしゃっていて。
大平:コーラが現場に出てきたら、めっちゃ喜んでましたもんね。
小西:すごくありがたかったですね。
小西:10年後、何歳?
大平:28歳。
小西:28歳か。僕は33歳になっているので、この仕事一本でずっと続けられていたらすごく嬉しいですし、良い年の重ね方をできていたらいいなと思います。
大平:私もこの仕事を続けていたいですね。まだ始めたばっかりでそんなに数もこなしていませんが、いろいろな経験ができていたらいいなと思います。
小西:本気で俳優を目指そうと思ったのは、2回目に小劇場に出演させてもらった時ですね。出演者の皆さんが稽古場から帰った後に台本を読み込んできて演技プランを練ってきて、それをまた稽古場に持ってきて演じている、というのを見て、僕もちょっと真似をしてみようと思ったんです。自分なりにもっとこういうふうにしたほうがいいだろうなと考えたことをやってみたときに、まだ全然下手くそでしたけれど、ちょっと評価していただいたりしたことがめちゃくちゃ嬉しくて、そこからこれを仕事にできたらすごく楽しいんだろうなって思いました。
大平:私は芸能界やお芝居の仕事に憧れがあって、雑誌のモデルオーディションなどにも応募していました。それで、事務所に入るきっかけとなったオーディションで初めてお芝居をしたのですが、その時に台本をもらって自分で工夫して演技するのを繰り返すうちに楽しいなって思って。事務所のオーディションに合格した後は、映画やドラマのオーディションに受からないと悩むこともありましたが、今回の作品で初めて実際に映像の仕事をさせていただいて、お芝居はやっぱり楽しいなと思いました。また、作品を作り上げることがすごく素敵なことだなと思えたので、ずっと続けたいなって改めて感じています。
小西:この作品はたくさん共感 できるところがあったり、たくさんキュンキュンできるところがあったり、登場するキャラクターのどの目線になっても感情移入できる作品だと思うので、ぜひ劇場に足を運んで 見ていただけると我々一同 とても嬉しく思います。
大平:那智と快成と同じ年代の学生の方々だけでなく、上の世代も下の世代もいろいろな方々に見ていただきたいです。たくさん共感する部分があると思うので、少しでも多くの人に見ていただけたら嬉しいです。
(text:中山恵子/photo:泉山美代子)
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