1990年6月2日生まれ、京都府出身。ハワイ島出身の日系アメリカ人の父と日本人の母を持つ。俳優・モデルとして活躍中。主な出演作に『仮面ライダーセイバー』ドラマ『逃亡医F』『元彼の遺言状』『VIVANT』『インターホンが鳴るとき』などがある。カメラマン、映像クリエイターのROBIN FURUYAとしても活動。
『恋をするなら二度目が上等』長谷川慎&古屋呂敏インタビュー
毎日のハグで温もりを確かめ合い、心と心を通わせるスイッチに
わざと口悪くあしらう感じが「うわ、俺っぽいな」って/長谷川慎
こじらせたアラサー同士の二度目の恋の行方を描いた『恋をするなら二度目が上等』が3月5日から放送スタートする。同作は木下けい子原作の人気コミックのドラマ化で、ビジネス誌編集者の宮田晃啓が高校時代の初恋相手・岩永崇と、仕事相手として再会するようすがくりひろげられる。
本作で高校時代の黒歴史から現実主義になった宮田を演じるのは長谷川慎(THE RAMPAGE)。宮田を振り回す大学准教授の岩永は古屋呂敏が扮する。長谷川と古屋の2人に作品の見どころから自身の恋愛観まで語ってもらった。
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長谷川:僕はアーティスト活動をベースとするなかで、俳優としていただいたお仕事に対してコツコツと向き合いながら、いつか主演をやりたいという気持ちを持っていたので本当に嬉しかったです。前々からBL系作品をされている俳優さんがかっこいいと思って興味を持っていたので、今回いろいろと実りました。
古屋:僕も素直に嬉しかったんですけど、それと同時に、すぐに原作を読ませてもらって、この世界にどうやったら近づけるんだろう、原作ファンの方の思いを裏切らないようにするにはどうしたらいいだろうと悩みました。そればかり考えてしまって、周囲に伝えてなかったので、母はネットニュースで知って「主演やないの!」と驚かれました(笑)。
長谷川:宮田は性格としてはすごい仕事熱心で真面目だけれど、高校時代の恋愛をひきずっていて、崇に再会したことでかき乱されてしまうんですよね。仕事が手につかないほどにどんどん、恋におちてしまうっていう。
古屋:崇は普段から飄々としていて常に余裕がある大人な人というイメージです。男性からも女性からも人気があって、僕自身もこんな大人の人って憧れるなと思いました。
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古屋:愛情表現のまっすぐさっていうのは、僕もプライベートで出す方で、好きなものに対しては好きって言うし、苦手なものに対しては苦手って白黒つけること多いです。崇のようにスマートにはできないですけど。
長谷川:僕はリンクしたとこで言うと、宮田は結構、“愛され後輩”みたいな部分があって、自分で言うのも変ですけど僕も小学生の頃からダンスを始めて高校生の先輩に可愛がってもらってたりとか、今のアーティスト活動でも仲良くしてもらってる先輩がいます。それから、僕には兄がいるんですけど、弟ならではの特権みたいのを使ってきたというか。今も年上の呂敏さんをふざけていじったりとかして、宮田も「うるせえですよ」とか、わざと口悪くあしらう感じなんかが「うわ、これ俺っぽいな」って思いました(笑)。
古屋:顔合わせと本読みをした初日の帰りに、まこっちゃんが「ちょっといいっすか? ハグしませんか?」って言ってくれて。それがとても良かったし、大きかったですね。
長谷川:なんかこう、言葉だけじゃなくて実際にハグして、体で1回確かめて温もりと力強さを感じたかったというか。2人の仲がとても大事になる作品だなと思ったので。クランクインしてからも日課のように、「今日もお疲れ様」ってハグしてました。
古屋:とてもいいスイッチになりました。グイっとこの作品をより良くするために、スキンシップ取っていきましょうよっていうのを、意思表示で見せてくれたっていう瞬間、「あ、彼は信頼できるな。一緒にこの物語をつくっていく上で大事なパートナーになれるな」って心が動きました。今回、恋愛もので相手を思うことが描かれていて、壁は感じたくないけど、撮影が終わって家に帰るとリセットされる瞬間もあると思うんですね。それを毎回ハグすることによって、繋ぎ止めて心と心を通わせておけるスイッチになってくれました。
長谷川:今回W主演っていう形ですし、僕1人で頑張ってもいい作品は作れなくて、2人の関係が良くなかったら作品も良くならないと思ったので、自然とそういうスキンシップができてた感じですね。
カメラテストで思わず唇が触れあい、もうキュンとしちゃって/古屋呂敏
長谷川:僕は今25歳で30歳の宮田を演じているんですけど、自分は仕事に集中したくても、周りの環境によって自分がどんどん崩れていったり、30歳って20代の時とはまた違う大変さがあるなっていうのは思いました。
古屋:20代前半って、相手のことが好きっていう思いだけで突っ走ることができるんですけど、30代はいろんな責任がでてきたり、周りの人たちがどんどん生活が変わっていく中での焦りとかも含まれてくると思うんですよね。その中で、こういうことがあるか、ああいうこともあるかって考えてしまう時間が大人だからこそできてしまう。それによって生まれる歪みっていうものがこの作品にはいっぱい詰め込まれていて、考えさせられちゃうなってことは多々ありました。
長谷川:え、それは最後じゃないですか。最初って…えー、わかんない。でも、なんか、最初だったら始まったら終わっちゃいそうじゃないですか。最後だったら永遠かもしんないけど、最初が最後まで続く可能性って低いのかなって、今ちょっと思っちゃった。
長谷川:あー、そういうのは嫌かも。でも、やっぱり恋人とは死ぬまで一緒にいるのが理想かなぁ。
古屋:この33歳という年になったからこそ、初恋のあのときめきという、二度と得られることのないあの感情に対して、愛おしいと思うことはあります。もちろん、僕もやっぱり恋人と添い遂げたいとは思う。だからと言って、あの、初恋のあの、なんでしょうね、 心の揺らぎというものは特別で…。
長谷川:わかる。僕も最近、それ思ったな。
古屋:ね。なんかね、別に初めてがだからいいとか悪いとかではないんですけど、初めてだからこそ感じれる、あの、なんというか…。
長谷川:いや、言葉で言い表せない。うん、わかります。
古屋:そういう意味で言うと、この『恋をするなら二度目が上等』は、その最初の心のときめきと、最後の恋愛と美味しいところを2つも取ってるんだよね。
長谷川:確かに!
古屋:素敵な2人の物語なんだなって、今話しながら改めて思いましたね。
長谷川:呂敏さんは本当にめちゃくちゃ優しくて誰に対してもすごい低姿勢でとても丁寧で。僕の方が年下なのに気遣ってくれるし、周りのスタッフさんにもとても気遣いされていて、周りに思いやりを持って接してらっしゃるとこを見て、本当にいい方だなって思います。
古屋:えー(照れて)、ありがとう。後でアメちゃん渡します(笑)。
長谷川:こういうところです。
古屋:いや、まこっちゃんに対してはすごいキュンとしたことがあって。ある重要なシーンがあるんですけれど、真摯にまっすぐにそのシーンを作りたいと思って、グッと集中力を高めて、のめり込んでたんです。キスシーンのカメラテストの時に、本来はテストのときは実際にはキスしないんですけど、もうお互いが集中しすぎて、 テストの時に監督と話し合ってる時に、思わずちょっと唇が触れ合い合っちゃったんですよ。そのときにまこっちゃんが「あ、チューしちゃった」って言って! もう僕キュンとしちゃって、「うわ、この子可愛いな」って。僕は長谷川慎に落とされにかかってんのか?って思いました(笑)。 まこっちゃんって真面目なんだけど、ふわっとしてる瞬間もあるんですよね。話してて恥ずかしくなってきた(笑)。
長谷川:え?呂敏さんの…直してほしいところ…うーん。
古屋:あの、やっぱりまこっちゃんはすごいまっすぐなんですよ。まっすぐ過ぎて、今回、お芝居で、僕が愛情表現を本気でぶつける瞬間があるんですけど、宮田としてはツンとしていないといけないのに、まこっちゃんがそれを時々隠さないでニヤっと笑っちゃう時があって。監督と「宮田だよ、宮田は受け入れないぞ」と笑い合ったんですけど(笑)。でも、それがまこっちゃんの素敵なとこなんですよね。
長谷川:いやー、欠点が見当たらない。
古屋:いやいや、いっぱいあるよ!
長谷川:それぐらい本当に相性がいいっていう……あ、サウナに勝手に入らないでください、かな(笑)。いや、 僕がレコメンドしてるサウナに連れて行って、支度場で着替えてたら もういなくなってて。僕としては、ここはめっちゃ綺麗なんですよとか、あそこにリラクゼーションルームがあって、ここ80度で90度で100度もあって、みたいに説明したかったんだけど、もう先に入っちゃってたっていう(笑)。
古屋:そこだ、そこ、直したほうがいい。B型が出ちゃったわ。
長谷川:そう思いました、あっ、B型だなって。僕もB型なんで、マイペースなのはわかるんですけどね。面白いなって思いました(笑)。
長谷川:一言では言い切れないほど魅力が詰まった作品なんですけど、宮田と崇が日常的な会話やハプニングを通してどんどん距離が縮まっていったり、時には離れていったりする、そのハラハラ感っていうものを楽しんでほしいです。この恋がどう決着がつくのか、毎週見届けていただけたらと思います。
古屋:あったかさや人との繋がりを感じてもらえると思うし、それに加えて自分の経験から生まれる感情を重ねて、見てる方は必ずどこかで自分を投影できると思うんですね。そういうものも感じながら、この恋の物語を楽しんでいけたら嬉しいです。
(text:牧島史佳/photo:小川拓洋)
(長谷川慎 ヘアメイク:Aki〈KIND〉/スタイリスト:吉田ケイスケ)
(古屋呂敏 ヘアメイク:mayumi shiraishi/スタイリスト:勝見宜人〈Koa Hole inc. 〉/ジャケット、シャツ、パンツ:CASPER JOHN/ネックレス:LHME)
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