1983年8月20日生まれ、アメリカ、カリフォルニア州出身。舞台俳優としてキャリアをスタート。最初に高く評価されたのは、ゴールデン・グローブ賞助演男優賞にノミネートされた、デヴィッド・フィンチャー監督の『ソーシャル・ネットワーク』(10年)。続いて、主人公のピーター・パーカーを演じた『アメイジング・スパイダーマン』(12年)と『アメイジング・スパイダーマン2』(14年)が、合計15億ドルの興行収入を上げ、世界中にその名を知られる。その他の主な出演作は、『大いなる陰謀』(07年)、『Dr.パルナサスの鏡』(09年)、『わたしを離さないで』(10年)など。マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』(16年)にも主演。
人気シリーズを、キャスト・スタッフを一新、3D作品として再起動させた新シリーズ第1弾『アメイジング・スパイダーマン』。内気な高校生が、遺伝子操作実験中の蜘蛛にかまれたことから、蜘蛛のように壁を這い回ることができる超能力を身につけ、スパイダーマンとして活躍していく様子を描いたヒーローアクションだ。
主演はアンドリュー・ガーフィルード。『ソーシャル・ネットワーク』や『わたしを離さないで』で確かな演技力を見せた逸材だ。そんなガーフィールドに話を聞いた。
ガーフィールド:オーディションを受けたんだ。マーク・ウェブ監督は素晴らしい人で、スクリーンテストのときも、まるで学生映画を作っているみたいな、フレンドリーで温かい雰囲気だった。高価なカメラを使っていることをのぞけば、仲間と遊んでいるような感じだったよ。
ガーフィールド:僕でいいんだろうかという気持ちが強かった。スケールの大きな作品なのでためらいもあった。でも、自分にとって大きな意味を持つ役だからオーディションを受けたわけだし、いくら決断を先延ばししたところで、心の中ではすでに結論は出ているということに気づいたんだ。
ガーフィールド:(主人公の高校生)ピーターも、スーパーパワーを得る前は、僕たちと同じように、自分の内面の強さに外面が伴っていないと感じていたと思う。原作のコミックでは、超人的な能力を得るという夢が実現したらどうなるかということや、絶対的なパワーの堕落について描かれている。スパイダーマンはどんなときも根本的に“善”で、彼は常に崇高な道を選ぶんだ。僕はそこが好きなんだ。僕らはみんな、善と悪のどちらに転がることができる。誰もが心に善と悪を抱えてるんだ。僕は、ピーターが常に善の道を選ぶことに触発されるし、自分もそうありたいと思っている。僕は昔から、自分のことを弱い人間だと思ってきたから、弱者に親近感があるんだ。ピーターは弱者のために戦う“弱者の王”なんだ。他人のために戦い、勇気を必要としている人たち……人間の99%はそうなんだけど(笑)、そういう人たちに勇気を与えるなんて、最高の生き方だと思うよ。
ガーフィールド:そうなんだ。実際にこういう能力を持ったら、その力をどう使っていくかが問題になる。すぐに「よし、これからは人助けをしよう」と思えるような単純なことではないと思う。子どもだったら、まず自分が手に入れた力を使って楽しんでみたいと思うだろう。ピーターの行動が弱い者いじめと言えるかどうかは分からないけれど、あんな力を持ったら、誰だって我を忘れてしまうんじゃないかな。僕は、ピーターのそういうところが好きなんだ。つまり、彼が普通のティーンエイジャーで、子どもで、人間だということなんだ。彼は繊細で知的で道徳的だけど、とても人間的なスーパーヒーローなんだ。そこが素晴らしく魅力的なんだと思うよ。
ガーフィールド:2人のストーリーはとても美しいよね。青春時代特有の悩みや、ピーターが体験していることの大変さ、彼以外の人間には完全に理解することができない気持ち、そしてそれらに伴う危険といった様々な要素をはらんでいるんだ。
ガーフィールド:手に入る限りのコミックに目を通し、「これはスゴイ」と思ったり興味深かったりした部分を切り取って参考にした。切り抜きを貼ったコルクボードだらけの部屋で、僕のスタントダブル(アクション部分の吹き替えの役者)たちと一緒に、役を研究したんだ。スタントダブルは3人で、それぞれ別々の得意分野を持つ天才的スタントマンたちなんだけど、まるでスパイダーマン・キャンプといった感じだったよ。僕は、スパイダーマンの“ボディランゲージ”を作りたかったんだ。蜘蛛にかまれたことによって生じたDNAの変化が、ピーターの動作だけではなく、世間に対する彼の姿勢にどんな影響を与えたのか。彼の直感やスケートボードの乗り方、空間認識がどう変わったのかを考え、できるだけ有機的なアプローチをするようにしたんだ。
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