1968年10月12日生まれ。オーストラリアのシドニー出身。シドニー工科大学在学中に演劇に目覚め、俳優を志して演劇学校に進学。卒業後、映画、テレビ作品に出演すると共に数多くの舞台に立ち成功を収める。なかでもイギリス王立劇場で主演した舞台「オクラホマ」ではローレンス・オリヴィエ賞の候補にもなった。世界的ブレイクのきっかけとなったのは『X-メン』(00年)。以後、『X-MEN2』(03年)、『X-MEN :ファイナル・デシジョン』(06年)、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(09年)、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11年)にも出演。その他の主な作品は『ニューヨークの恋人』(01年)、『ソードフィッシュ』(01年)、『プレステージ』(06年)、『タロットカード殺人事件』(06年)、『オーストラリア』(08年)、『リアル・スティール』(11年)、『レ・ミゼラブル』(12年)など。
『X-MEN』シリーズ(00年〜11年)の人気キャラクター、ウルヴァリン。『ウルヴァリン:SAMURAI』は、鋭い爪と野性的な身体能力、そして驚異的な治癒力をもつ孤高のヒーローの物語を映画化したアクション大作だ。
日本人の大物実業家・矢志田。病魔に冒され余命わずかな彼は、かつて自分の命を救ってくれたウルヴァリンとの再会を願い日本に招くが、ほどなく死亡。ウルヴァリンは、ある組織に襲われた矢志田の孫娘・マリコを救い、恋に落ちる。一方で彼は何者かの罠にはまってその治癒能力を失い、初めて限りある命を意識することに。劇中では、満身創痍のなか、マリコを守るために戦うウルヴァリンの死闘が描かれていく。
主演はヒュー・ジャックマン。『X-MEN』シリーズでウルヴァリンを演じ続けてきた彼に、日本を舞台にした本作について語ってもらった。
ジャックマン:この素晴らしい役をこんなに長い期間演じてこられたなんて信じられないな。ウルヴァリンを演じることを楽しんでいるよ。シリーズ第1弾の『X-メン』(00年)から時間が経ち、少し年をとったおかげで、300歳の男の新しい面を見つけやすくなったのかもしれない。この映画では、キャラクターの内面を深く描いていて、ウルヴァリン以外のキャラクターは出てこない。今までの映画とは違う素晴らしい登場人物が出演していて、日本が舞台になっている。映画ではすごいアクションやタフでクールなウルヴァリンを見ることができると共に、彼の人間味溢れる内面の葛藤も垣間見ることができるだろう。
ジャックマン:シンプルに答えるとすれば、「とてもたくさん」ってことになるね。普通は、1日3時間のワークアウトをやる。午前に2時間やり、その後、どこかで時間を見つけてもう1時間やる。でも、正直言って、トレーニングで1番大切なことは食事なんだ。実際、どんな体に見えるかの70%は食べ方で決まる。トレーニングが関係するのは、残りの30%だけ。だから、たぶん、食事のほうが重要だよ。
ジャックマン:本作には、優れた日本人俳優が何人か出演している。ヒロ(真田広之)との撮影シーンのことは決して忘れない。あのときは、私を見ても誰も感激しなかった。彼らは全員、ヒロを見ようと先を争っていたからね。彼と一緒の映画に出演したことを喜んでいたんだ。
ジャックマン:ハリウッドの大ヒット作に2人の無名女優が出演していることは画期的だ。無名というのには語弊があって、リラ(福島リラ)とタオ(TAO)には演技経験がなかったということなんだけど。もちろん、ハリウッド映画への出演経験もなかった。でも彼女たちは才能に溢れていて、ファンのみなさんもきっと気に入るだろう。僕も、彼女たちと共演できたことを誇りに思うよ。
──アンジェリーナ・ジョリーにアカデミー賞助演賞をもたらした『17歳のカルテ』(99年)、リース・ウィザースプーンに同賞主演女優賞をもたらした『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(05年)などを手がけたジェームズ・マンゴールドが監督をつとめていますが、仕事をした感想は?
ジャックマン:ジェームズ・マンゴールドは私のとてもいい友人なんだ。彼とは、ロマンティックコメディ『ニューヨークの恋人』(01年)という映画で組んだことがあるんだけど、あの映画は本作とはまったく正反対のタイプだった。彼は力量のある監督で、確かなビジョンと大きな野心を持っていて、すばらしい映画を多数作っている。だから、ジェームズ・マンゴールドのような人が、『ウルヴァリン:SAMURAI』を手がけることになったら、「ああ、ウルヴァリンのもう1作か」なんてことにはならない。彼だったら、何か極め付きのものを作るだろうし、フレッシュで、時間をかける価値のある作品になることは分かっているからだ。私は1日1日を存分に楽しんだ。これ以上ないほどおもしろかったし、私が映画を楽しんで作ったのと同じぐらい観客にも作品を楽しんでもらえるといいと思っている。
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