1970年、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン生まれ。『ミスティク・ピザ』(88年)の端役で映画デビューし、親友のベン・アフレックと共に脚本を書いて主演した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97年)でアカデミー賞主演男優賞にノミネート、同賞の脚本賞を受賞。『オーシャンズ』シリーズ(01年、04年、07年)、『ボーン・アイデンティティー』(02年)、『インビクタス/負けざる者たち』(09年)、『インフォーマント!』(09年)、『オデッセイ』(15)などのヒット作に多数出演。
ハーバード大学に学んだ秀才にして、『ボーン』シリーズ(02〜07年)ではアクション俳優としても人気を博し、『オーシャンズ』シリーズ(01〜07年)では軽妙なコミカル演技で観客を笑わせる全方位型の実力派俳優マット・デイモン。
そんな彼がジョディー・フォスターと共演したSF大作『エリジウム』は、富裕層が暮らす理想的な環境のスペースコロニーと、貧困層が暮らす荒廃した地球とに二分された未来世界を描いた作品だ。本作でデイモンが演じるのは、地球に暮らす主人公・マックス。余命わずか5日となった彼は、生き延びるために禁じられたエリジウム行きを決断するが……。
全米でNo.1ヒットとなった本作について、デイモンに話を聞いた。
デイモン:プロデューサーに会い、この映画の話を聞いた瞬間に「やりたい!」って思ったんだ。「この映画に関わるにはどうすればいい?」って感じだ。そして撮影中は、セットではみんな―俳優と撮影クルーのみんな―で顔を見合わせて、「この映画ができるなんて最高じゃない? 凄いよね」って言い合ったんだ。
デイモン:まずマックスは地球の工場労働者として登場する。早い話、エリジウムで暮らすことはできず、地球で暮らすしか選択の余地がないんだ。話が進んでいくにつれて、若き日のマックスがフラッシュバックのように紹介され、やはり彼も他の人と同じようにエリジウムを目指していたってことが分かるんだ。マックスの夢はいつかエリジウムに行くことなんだ。でも、話が始まるのは、彼が刑務所でかなりの時間を過ごして大変な人生を送り、既に人生を諦めた状態のとき、つまり、エリジウムを夢見ないマックスになってからなんだ。
──エリジウムに暮らすエリート、防衛省長官のデラコート(ジョディ・フォスター)は、クルーガー(シャールト・コプリー)に命じてエリジウムへの不法移民を阻止しようとしています。クルーガーは数多くの不法入国者を殺してきた人物で、コプリーの演技も見事です。コプリーとの共演はいかがでしたか?
デイモン:彼はもっともプロ意識の高い俳優か、もっともクレイジーな人間かのどちらかだ。すごく特別な人間だよね。彼やマーロン・ブランド、ダニエル・デイ=ルイスのような偉大な俳優の素晴らしさは、与えられた役という決まった構造のなかで、非常に創造的であるということなんだ。すごく独特な部分があるよね。あらゆる思考と細部にいかに注意を向けるかっていうことの産物だね。素晴らしい演技っていうのは、いかに細部に気を配れるかっていうことなんだ。そして偉大な俳優は非常に細かい部分にもっとも注意を向けるよね。
デイモン:これはポップコーンを食べながら見る大作だ。(本作の監督ニール・プロムカンプをブレイクさせた)『第9地区』は劇場まで見に行ったけど、すごく楽しめたよ。映画が終わって出てきてから「こんな映画は今までに見たことがない」って思ったんだ。最初から最後まで楽しんだ。『エリジウム』もそんな映画であってほしいし、実際そうだと思うんだ。あらゆるレベルでみんなを満足させることができると思うよ。
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