1946年7月6日生まれ、ニューヨークの危険地区ヘルズキッチンで生まれる。チャンスに恵まれず売れない俳優として極貧のなかで書き上げた自らの脚本をもとに主演した『ロッキー』(76年)が大ヒット。アカデミー賞作品賞、監督賞、編集賞に輝き一躍トップスターに。続編『ロッキー2』(79年)では監督も兼務し、アクションスタートしての地位を確立する。その後も『ランボー』シリーズ(82年〜08年)、『エクスペンダブルズ』シリーズ(10年、12年)をヒットさせる。
海に浮かぶ巨大なタンカー。“墓場”という異名を持つそのタンカーは、世界中の重犯罪者たちが投獄される巨大な監獄だった──。
難攻不落の要塞を舞台にしたスリリングな脱獄劇を繰り広げるのは、シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの2大アクションスターだ。『エクスペンダブルズ』シリーズで共演しているが、本格共演は今回が初めて。
67歳にしてキレの良いアクションを披露してくれるスタローンに、本作について、そして共演者でもある良きライバルについて話を聞いた。
スタローン:どんどん読み進める脚本だった。仕事柄、色んな脚本を読むけれど、30ページも読めばその物語がどうなるかわかるものが多い。でもこれは30ページ読んでも、何が起こるのかわからなかった。何千という監獄映画を見てきたが、こんな映画は見たことがない。観客はこれまで見てきたような刑務所ジャンルだと先入観を持つだろうが、そうじゃない。これは、全く新しい映画なんだ。この映画は全てが独創的で、だからこそ僕は参加したかった。踏み荒らされていない新雪に遭遇するのはとても難しいけれど、この映画はまさしく足跡が全くない新雪だ。思わず言ったよ。「これは素晴らしい映画になる!」とね。
スタローン:ロケ地はとてつもなく大きかったよ。全米一の大きさだったんじゃないかな。だからこの映画にぴったりだが、そこが皮肉なんだ。僕たちはアメリカの粋を集めたテクノロジーの中心地にいる。宇宙工学だ。それなのに、この映画ではふたりの男が非常に非テクノロジー的方法で命を賭けて戦う。そのテクノロジーと力の闘争という対比がこの映画を独創的にしているんだ。
スタローン:彼にはキャラクターをどう演技させたいかについて強い意志がある。監督のなかには及び腰になったり、ただ「OK」とだけ言う人も、ショットの振付や美観や景色にもっと興味がある人もいる。でも結局は、キャラクターを演出しなければその映画は中身のないものになってしまうだろう。彼はこの映画を独創的な知性で正確に解釈し、自分が望んだものを得られるまで先に進まない。素晴らしいことだよ。
スタローン:僕は生来、より高いレベルの体型を追求するのが好きみたいだ。時に痛みを伴うが、効果があったと思う。簡単な道を選んで、うまくいった試しはない。「僕が映画で怪我しなかったら、それは悪運だ」といつも言うんだ。だから僕が怪我すればするほど、その映画はうまくいく。この映画では、警棒で何度かこっぴどく殴られた。その証拠に背中に痕が残っているよ!
スタローン:アーノルドが可哀想でね。もう誰も彼を好きじゃないし、話しかけられないし、長いこと誰も彼をぶちのめしてない。だから、僕がやったのさ(笑)。
長い間一緒の企画を考えていたが、バカっぽいのしかなかったんだ。1度目なんか、彼が犬で、僕が猫の設定だった。女装した警官とかね。想像できるかい? だから「もうちょっとマシなシナリオはないのか?」と言ったんだ。そしたら何年も経ってからこの脚本が届いた。僕らが刑務所に入るなんて、素晴らしいと思ったよ。
アーノルドと僕がこういった映画で共演するのに戦うシーンがないなんて、観客にとっては大きな失望につながる。僕は、ミスター・Tから、ドルフ・ラングレン、アポロ・クリード、ハルク・ホーガンまで、たくさんのキャラクターたちと戦ってきた。おそらく、これが最後だろう。『エクスペンダブルズ2』(12年)のジャン=クロード・ヴァン・ダムとの戦いが最後になるだろうと思っていたが、アーノルドがいた。だから僕たちで、観客もファンも満足するものを作らねばならなかった。ファンには華々しい戦いを期待してほしい。
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