1988年生まれ、秋田県出身。モデルとして活躍しながら、08年に『ハンサム★スーツ』で女優デビュー。『天使の恋』(09年)で映画初主演を飾った。主な出演作ドラマは『土俵ガール!』(10年)、『ファースト・クラス』(14年)、映画は『アフロ田中』(12年)、『風俗行ったら人生変わったwww』(13年)、『さいはてにて〜やさしい香りと待ちながら〜』(15年)、『星ガ丘ワンダーランド』(16年)など。
ハリウッドでリメイクされるなど、世界中を恐怖に陥れたホラー作品『呪怨』シリーズ最新作『呪怨 −終わりの始まり−』が公開される。
小学3年生の学級担任を務めることになった結衣(佐々木希)は、不登校を続ける佐伯俊雄の自宅を訪問することにするが、そこは「呪われた家」だった……。かつて悲惨な末路をたどった佐伯一家。彼らが住んでいた家に足を踏み入れた者は、すべてが奇妙な死をとげてしまうのだ。
本作では笑顔を封印し、次々と起こる不可思議な現象に翻弄(ほんろう)される教師を熱演する佐々木に、自身は「苦手」だと語るホラー映画に出演した感想、そして女優業に対する思いについて聞いた。
佐々木:私は本当にホラー映画が苦手で、今までまったく見ることがなかったんですが、そんな私でも、『呪怨』というシリーズは、特に怖いホラー映画だというイメージがあります。ですから、そういった人気シリーズに出演できて光栄な気持ちもありましたけど、その反面、大丈夫かな、という心配もありました。
佐々木:撮影自体は怖くなかったんです。でも、怖くないからこそ、逆に大変だったかもしれません。スクリーンではさまざまな怪奇現象が起こっていますけど、撮影現場は、スタッフさんたちがその準備に動き回りながらも、和気あいあいとした雰囲気でした。そんななかで本気で怖がるためには、集中力や、想像力を豊かにしないといけなかったですね。
佐々木:(家に棲みついている恐怖キャラクターの)伽椰子さんと俊雄くんに挟まれたんです! 現実にあったら、ショック死するかもしれません(笑)。
佐々木:私、子どもが大好きなんです。この映画は、ほとんどが学校のシーンか、俊雄くんと一緒のシーン。撮影中は常に子どもがまわりにいるような環境だったので、撮影に行くのが楽しみでした。俊雄くん演じる(小林)颯くんも普段は可愛い男の子ですからね。
佐々木:ずっとそんな感じでした。颯くんにポケモンの話を聞かせてもらったり、一緒に本を読んだりしていました。
佐々木:普段がとても可愛いので、猫背で小さくなると不気味でした…。俳優さんとしてすごいなと思っていました。小学校3年生なのに、監督の説明をきちんと理解して演じていて。すごいということに加えて感動もしていました。でも、撮影が終わった後、きちんとメイクを落として、小学生に戻ると、会話も小学生らしいものになるので、ホッとしました。可愛いなと思って。
佐々木:撮影中はとても寒かったですし、颯くんは裸だったので、親心みたいなものが沸き起こって。ずっと毛布でくるんで、寒いね、なんて言っていました。
佐々木:そう。逆にいたわっていました(笑)
佐々木:ストーリーが面白くて、あっという間に読み終わったという印象でした。ただ怖いだけでなく、きちんとした物語性がある作品だと思います。
佐々木:私が1番面白いなと思ったのは、伽椰子さんと俊雄くんとの関係性ですね。俊雄くんは、伽椰子さんと旦那さんと結ばれて生まれたはずなんだけど、台本だとそうじゃない読み方もできるんです。現場でもみんなが「私はこう思うけど」「こうなんじゃないか」という感じで、意見が異なっていたんです。夢と現実が混ざるというか、そういったことも面白かったですね。
佐々木:伽椰子さんのようなことは出来ないですね…。やはり、体の動きとかもすごいんです。CGではなく本当にご本人が動かれていたのをそばで見ていたので、感動しました。
佐々木:そうですね。見る方は、何をしたら怖いのかな、と考えながら演じていました。演じている最中は、たとえば目の焦点が合っていなかったら、何を考えているのか分からなくて怖いのかな、などいろいろと考え模索していました。
佐々木:普段はそれほど驚くというか、キャーと叫ぶとかもないので、そういった意味では、怖がり方を学ばせてもらった現場でもありましたね。自分のなかの引き出しが少し増えたので、またホラーやサスペンスなんかもやってみたいなと思いました。
佐々木:とにかく集中力と想像力を途切れさせないように、ということです。落合監督は、すごく分かりやすく明快に説明してくださる方なので、何をすればいいのかが即座に理解できました。すごくいろいろと経験できたなと思います。とにかく役に対しては、監督が、おっしゃるものに近づけたらいいなと思って委ねていましたが、ストーリーに関しては、何が正解なのか、何が怖いのか、といったことをいろいろと話し合いました。
──本作も含め、昨年の『風俗行ったら人生変わったwww』、そして次回作の『さいはてにて −やさしい香りと待ちながら−』もそうですが、従来の佐々木希像を覆すような作品に次々と出演されています。近年、女優業に積極的に取り組まれているような印象を受けるのですが、何か心境の変化はあったんですか?
佐々木:確かにここ1、2年くらいで、心境に大きな変化がありました。自分自身の考え方や、現場でのあり方も、若い頃は何も考えていなかったと思います。でも今回はやはり主演ですし、いろいろと不安に思うところもありましたけど、とにかく楽しい現場になれば良いなと思って。以前はそういうことすら考えなかった…というか考える余裕もありませんでした。(座長である)自分の責任だとも思わなかったんです。
佐々木:年齢と共にだと思います。何かこれ、というきっかけがあったわけではないので。
佐々木:いろいろと強がっていたのかもしれないです。若いから気を張っていた部分があったのですが、そういうものが一気に抜けた気がします。その方が、楽しいなと思い。
佐々木:そうなるといいですね。ぜひ見てもらえたらと思います。
佐々木:何をやってもうまくいかない、さえない女の子の役をやってみたいですね。普通の女の子がもがいているような、そんな役をやってみたいです。でも、いろいろな役をやってみたいですね。たくさん引き出しを増やしたいので。
佐々木:わたしは不器用なので、切り替えが上手にできる器用さが欲しいです。技術ももちろん大事ですが、すぐに感情を切り替えられるような。そんな女優さんになれたらいいなと思っています。
(text&photo 壬生智裕)
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