1946年12月18日生まれ、オハイオ州出身。テレビ映画『激突!』(71年)で脚光を浴び、『ジョーズ』(75年)の大ヒットにより人気監督の仲間入り。『シンドラーのリスト』(93年)でアカデミー賞監督賞を受賞。また『プライベート・ライアン』(98年)でも監督賞を受賞している。ハリウッドを代表するヒットメーカーで、監督、製作作品は多数。主な作品は『未知との遭遇』(77年)、『レイダース/失われたアーク〈聖櫃〉』(81年)、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(84年)、『カラー・パープル』(85年)、『ジュラシック・パーク』(93年)、『マイノリティ・レポート』(02年)、『戦火の馬』(11年)、『リンカーン』(12年)など。
『マダム・マロリーと魔法のスパイス』スティーヴン・スピルバーグ プロデューサー インタビュー
ヒットメーカー、スティーヴン・スピルバーグが、人々に望まれる映画について語った!
ハリウッド随一のヒットメーカー、スティーヴン・スピルバーグが製作をつとめ、『ギルバート・グレイプ』『ショコラ』で人々を感涙させたラッセ・ハルストレムが監督をつとめた『マダム・マロリーと魔法のスパイス』は、見る者の心を温かく包む感動作だ。
オスカー女優ヘレン・ミレン演じる主人公マダム・マロリーは、南フランスの田舎町で星付の老舗フレンチレストランのオーナー。仕事はできるが厳格で少々頭の固い女性だ。そんな彼女の店の前にオープンしたのがインド料理店。庶民的でにぎやかなこの店のオーナーとの衝突を繰り返しながら、ストイックすぎるマロリーが変化していく様子に心を打たれる。
美味しい香りが漂ってきそうな、秋にぴったりのこの映画について、スピルバーグに語ってもらった。
スピルバーグ:オプラと共に本作を製作した経験を、私は心から楽しみました。私たち2人は1985年の『カラーパープル』以降、一度も一緒に仕事をしていませんでした。今回の映画で私たちが分かち合ったような体験は、本来ならとっくの昔にしているべきものでしたし、今後も更に彼女とコラボしてゆくための良い契機になったのではないかと感じています。
スピルバーグ:このストーリーは良い意味でとても古風です。見る人がそうであって欲しいと思うまさにその時点で頂点を迎え、ここで終わって欲しいと思うまさにその時点で終わりを迎える物語ですよ。
スピルバーグ:誰でも私たちには他人とまったく違う部分があり、その相違点こそ、お互いに深く興味を持ち合うべき部分ということです。「The Hundred-foot Journey」は文化と食の混合映画です。
スピルバーグ:スティーヴン・ナイトは、原作小説を映画脚本として見事に受け継ぎ、ユーモアセンスのあるシリアスな映画にしてみせました。この映画は本質的にはコメディではありませんが、実に素敵な明るさが至る所にこめられているのです。
スピルバーグ:私はラッセが撮ったすべての映画に敬服しており、ディテールまで行き届く目の持ち主であることを知っていましたし、彼にならこのストーリーを料理して仕上げることができると分かっていました。彼は映画や俳優をあれほどしっかりと理解しているので、この映画が単なる料理映画以上のものになると私は確信していました。彼はスティーヴンの脚本やあの素晴らしい出演陣を見事に使ってみせましたね。
スピルバーグ:マニッシュには穏やかで安定した存在感があります。見た目こそオムの息子に見えませんが、彼とオムはまるで本物の家族のようでした。ほとんどオムの息子のようでしたよ。2人はカメラに映っていないときでも絆が強く、おそらくマニッシュはオムからインド料理の作り方を含めて、多くを学んだのではないでしょうか。
それからシャルロット・ルボンですが、フランス人のキャスティング・ディレクターが最初に彼女の名前を出したとき、私はまずYouTubeでフランスの昼のバラエティ番組の彼女の映像を見ました。奇抜な衣装を着て、顔をゴールドに塗り、(毛の逆立った)びっくりカツラだとかピエロの鼻だとかをつけて天気予報をする彼女です。あんなにも綺麗な上に、あんなにも明るい心を持っているというのは、スフレのように美味しいことだと思い、このラッセ監督映画にぜひ起用するべきだと思いましたね。
スピルバーグ:食べ物はすべてを平等にしてくれる素晴らしいものです。食べ物はその場を平等にすることのできる神肴(しんこう)であり、あらゆる国々、あらゆる文化の人々が同じテーブルを囲むことができます。
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