1991年6月15日生まれ。神奈川県出身。幼少期から空手道場に通い、数々の大会で優勝する。その特技をいかし、09年、映画『ハイキック・ガール!』で映画初主演を果たす。その後もアクションを中心に映画の出演を重ね、インドネシア映画『BUSHIDO SPIRIT』(14年)に出演。昨年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭では「第1回ニューウェーブアワード・女優部門」を受賞。日本を代表するアクションスターとして日々演技に取り組んでいる。
25周年を迎えた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」のオープニングアクトとして華麗なアクションを披露した武田梨奈。昨年の同映画祭で「ニューウェーブアワード・女優部門」を受賞した彼女は、期待通り、アクション女優として「新しい波」を日本映画界に起こした。
「私にとっては大切な時間。毎年来たい映画祭です」と語ってくれた武田に、ゆうばり映画祭への熱い思いや、女優としての目標などを聞いた。
武田:25周年記念で、しかもメイン会場であるアディーレ会館が今年で最後ということだったので、そこでオープニングを飾らせてもらえると聞いたときはすごく嬉しかった反面、プレッシャーがすごかったです。しかも生でアクションすることは普段ないので、余計緊張しました。
武田:本番中に私のパートでハプニングがあったので、反省点がいっぱいあったのですが、思った以上に客席から大きな拍手をいただいたので、すごく感動しました。あれだけ盛り上がってくれたので本当に感謝です。
武田:そうなんです。本物でやると、割った瞬間は頭がクラクラしちゃうんです。割って終りならいいのですが、演目上、割ってから戦うので「難しいです」と話していたんです。当初は「発泡スチロールのようなものでやりましょう」という話だったのですが、実際立ったら本物で……(笑)。でも何とかやれました。
武田:色々な映画祭に行かせてもらっていますが、ゆうばりは特に人との距離が近い映画祭だって感じます。パーティーも映画関係者だけのものはよくあるのですが、ゆうばりのように、ファンの皆さんと一緒に飲んだり食べたりというのは他ではないですよね。私にとってはとても大切な存在。こういった時間は大事だと思うし、毎年来たい映画祭です。
武田:賞をいただいたことはすごく大きかったです。私が今までやってきたことって、アクションだったり、頭突きで瓦を割るCMもそうなのですが、割と普通の女優さんとはやっていることがずれていたので、認めてもらえないのかなって思っていたんです。だから賞をいただけたことにより、自分のやってきたことを面白がってくれたり、評価してくれる人がいるんだなって思えたことは大きかったです。今までは「大丈夫かな?」って気持ちだったところが「色々と積極的にやっていこう」って思えるようになりました。
武田:アクション女優ということで、強いイメージをもたれると思うのですが、作品の中では、そういうイメージを裏切ったりしたいですね。
武田:そうですね。がっつり恋愛ものもやってみたいです。でも私は同世代の子と比べたら、恋愛経験が少ない方なので、自分が経験したことのないようなことも作品の中でやっていきたいです。
武田:去年、作品の中で初めてラブシーンをやらせていただいたんですね。台本読んだ時「どうしよう。こんなシーンできないよ〜」って思ったのですが、まったく自分とリンクしないと、役だと割り切れるんです。結構オンとオフの切り替えはできる方なんですよ(笑)。
武田:はい。アジアにはどんどん行きたいです。以前、タイの「マッハ!」シリーズのプラッチャヤー・ピンゲーオ監督も話していたのですが、タイだったらムエタイアクション、韓国ならテコンドー、インドネシアはシラットみたいな映画はあるけれど、日本の空手映画は全然ないからもったいないって言うんです。なので私がどんどん世界に向けて発信していけれたらと思っています。
武田:アイドルになりたかったわけではなくて、単純に「モーニング娘。」になりたかったんです(笑)。色々なオーディションを受けているうちに、「あれ、自分のやりたいと思っていることは、アイドルじゃないぞ」って気付いたんです。そのきっかけとなったのが武田鉄矢さんの演技。武田鉄矢さんみたいに、人間臭さとか、いい意味で人間の汚い部分を吐き出せるような俳優さんになりたいなって……。
武田:もともと不器用で、考えると何も行動できなくなっちゃうタイプなんです。計算とかできなくて……。もちろん台本をちゃんと読んだり、役柄について考えてから臨みますが、現場にポンと入って、作り込まずに感じるままにやろうと心掛けています。
武田:『かぐらめ』(2015年夏公開)という映画に出演させていただくのですが、この作品は今までて一番引きずった作品でした。父親役が大杉漣さんだったのですが、お父さんへの想いがすごく強くて、終わってからも作品が頭から離れなくて……。
武田:最初、漣さんが目を合わせてくれなかったので、「どうしよう、大丈夫かな」って不安になっていたのですが、(奥秋泰男)監督が「父との関係に溝がある設定だったから、漣さんが距離をとって、役に入りやすいようにしていたんだよ」って教えてくれたんです。私もそういう気遣いができる俳優になりたいです。
武田:はい。撮影の合間に漣さんが「梨奈ちゃんはまだまだ若いから可能性がいっぱいあるよって」話してくれたんですね。その後に「でも僕も可能性はまだいっぱいあるんだよ。可能性に年齢はないから。可能性を信じなさい」って。すごくジーンとくる言葉でした。
武田:結構すぐに泣いちゃいますね(笑)。私はステージの端にいたのですが、お互い目が合っている時から「まずい、無理無理」って感じだったんです。でも、私が泣く意味がないじゃないですか。もし泣いたら「何でこいつ泣いてるの?」って話になるから我慢していたんです。でもハグした瞬間「ワー」ってなって駄目でしたね。
武田:その話を聞いただけで泣きそうですね。年は3つぐらい下なのですが、年下とは思えないぐらい貫禄があって(笑)。同世代の女優さんの中でも、独特の雰囲気を持っていますよね。
武田:お仕事でもプライベートでも積極的に海外に行って、その国の文化に触れて、色々なことを吸収したいです。
(text&photo:磯部正和)
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