24歳にしてトップを極めた若手女優No.1が語る「最終章」
全米をはじめ世界中で大ヒットした人気アクション・シリーズ『ハンガー・ゲーム』。その最終章の前編となるのが『ハンガー・ゲーム FINAL：レジスタンス』だ。主人公カットニスらが独裁国家パネムを倒すために立ち上がる姿を描き出す。
主演のジェニファー・ローレンスは本作でブレイクし、その後、『世界にひとつのプレイブック』（12年）でアカデミー賞主演女優賞を受賞するなどトップスターとなった。本作では、実は「自称・音痴」という彼女が挿入歌を歌っているのも話題となっている。そんな彼女に、映画の見どころなどを語ってもらった。
ローレンス：映画になって演じることになる前だけど、初めて本を読んだとき、カットニスがリーダーになることに興奮したわ。戦士になるのよ。でも彼女は英雄になりたいと思ってるわけじゃなく、1作目では妹や家族や自分自身を救いたかっただけ。原作の3冊目では、自分が持つ影響力や、この戦いを率いるという選択肢があることに気付き始める。そこは興奮したわ。読者としてね。俳優として興奮したのもそこね。その変化よ、成長というか。でもまったく新しい環境や新しい世界で目覚めるのにも興奮したわ。帰る場所がなくなってしまって、自分でゼロから作り直さないといけないの。
──独裁国家に対抗し、自由で平等な新国家を作ろうとしている反乱軍を率いるコイン首相を名女優ジュリアン・ムーアが演じていますね。コイン首相とカットニスの関係をどう思いますか？
ローレンス：コイン首相とカットニスの関係はとても複雑なの。カットニスはコイン首相を信頼すべきだと分かってる。でもなぜか信頼しない。コイン首相はこの革命を率いるのにカットニスが重要だと分かってる。でも彼女はためらう。カットニスも自分にできるとは思えない。2度のゲームで受けたトラウマに苦しんでるの。そして首相はカットニスをコントロールできるか不安なのよ。
──リアム・ヘムズワース演じるゲイルとカットニスの関係も複雑ですね。
ローレンス：カットニスとゲイルには深い過去がある。今まで一度も掘り下げてなかったけどね。カットニスとピータ（ジョシュ・ハッチャーソン）よりも深いの。でもカットニスとゲイルの関係やそれがどう変わるかは本当に複雑だわ。カットニスがゲームに参加する前は、ゲイルだけが彼女を理解してた。幼なじみだからね。ゲームから戻ると、彼女とピータにしかない経験ができて、それは彼らにしか理解できない。彼女の重大な経験を理解しているのはピータだけで、ゲイルには絶対に理解できない。だからとても興味深い関係で、より深く掘り下げられてうれしいわ。
──本作では、登場人物の変化が印象的です。
ローレンス：本作のとても面白いところね。今まで築き上げてきた関係の多くが大きく変わるの。カットニスはヘイミッチのことを良く思っていない。彼のせいでピータが消えたと思っているからよ。それにエフィーが第13地区に合わせようとしているのもすごく面白いわ。今作では今までの関係が、発展したり変わったりしてる。新しいキャストも入ってきたし。間違いなくいいことよ。新しい関係が生まれるわ。
ローレンス：原作を読んですごく気に入ったことがあるの。もちろん素晴らしい物語だけど、重要な物語でもある。「1つの声」がどれほど力を持てるかについての物語よ。危険なことよね。一般的な意見に同調して、目の前にいる人に従うのは簡単で、自分より大きな権力に立ち向かうのはすごく怖いと思うわ。
1990年8月15日生まれ、アメリカ合衆国ケンタッキー州出身。17歳の時に出演した『あの日、欲望の大地で』（08年）で注目を浴び、第65階ヴェネチア国際映画祭で新人俳優賞を受賞。主演作『ウィンターズ・ボーン』（10年）の演技も評判を呼びアカデミー賞主演女優賞にノミネート。『ハンガー・ゲーム』（12年）の大ヒットにより世界的人気を博し『世界にひとつのプレイブック』（12年）でアカデミー賞主演女優賞を受賞。『アメリカン・ハッスル』（13年）では、史上最年少で3度目のアカデミー賞ノミネートの快挙を成し遂げた。2014年には「最も興行収入を稼いだ俳優第1位」にも選出されるなど、若手女優の筆頭格といえる。
動画で見る
