1968年2月4日生まれ。京都府出身。『超高速!参勤交代』(14年)で第38回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞を受賞。映画『間宮兄弟』(06年)、『20世紀少年』(08年)や、テレビドラマ『離婚弁護士』(04年/フジテレビ)、「『ハンチョウ〜神南署安積班〜」(09年/TBS)などに出演。17年は『3月のライオン』、『美しい星』などが公開予定。
黒川博行原作の「破門」を実写映画化した映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』。イケイケなやくざ・桑原保彦とヘタレで貧乏な建設コンサルタント・二宮啓之が映画製作出資金を持ち逃げされ、奪われたお金を取り戻すために大阪をメイン舞台に奮闘。凸凹コンビが見せるアクションと追走劇は痛快エンターテインメントに仕上がっている。
主人公の桑原保彦を演じるのは、人気と実力を兼ね備えた佐々木蔵之介。爽やかな印象の強い佐々木が、今回はイメージとはかけ離れた強面やくざを演じている。眉間にシワを寄せ、誰に対しても威圧感たっぷりの振る舞いを見せるものの、思わずクスッと微笑んでしまうような一面もあるのが見所。関ジャニ∞の横山裕が演じる二宮との会話シーンもコミカルで絶妙な掛け合いとなっている。
今回ムビコレでは、新たな魅力を披露した佐々木に、映画の見どころなどを語ってもらった。
佐々木:やくざですけどヤクザ映画ではないんですよね。桑原という役を魅力的に見せるためにどうしたらいいか、それがテーマでしたね。この作品はハードボイルドなんですけど笑えるんですよ。その“笑える”というところは台詞の部分が非常に大きいなと感じます。黒川さんの作品は小説だけど声に出して読みたい作品。関西弁を話せる役者にとっては珠玉の台詞が続いているんですよ。裏社会で生きているというリアリティを残し、ハードボイルドでありつつ、コメディでもあるエンターテイメントにしたいという思いで役作りしました。
佐々木:正反対かどうかはわからないですね。この役を演じる上で「ここ似ているな」って思って役は作っていませんでした。自分はと違う人物を演じられる、それが役者の醍醐味でもありますよね。どうでしょう? 似ていると思ったところはありましたか?
佐々木:ないです(笑)。
佐々木:桑原とは全部違うと思いました(笑)。
佐々木:2人で「こういう風にやろう」という話はしませんでした。クランクインの前に本読みをしたんですけど、私も横山さんもお互い関西人なので、テンポや間がよくて漫才の掛け合いのようになってしまって。私が演じる桑原と横山さん演じる二宮はコンビっぽいんですけど、お金だけの繋がりです。お互い「お金むしり取ったろう」「危なかったらこいつ突き出して後ろから背中蹴ったろう」ということしか考えていない。あまりコンビに見せたくないと小林監督に言われましたね。1周回って間を外して台詞を言うとか、最初の1週間は特に細やかに演出していただきました。
佐々木:あれは原作にないシーンで、小林監督がどうしても入れたかったところなんです。歌わせてみたらどうなんだろうって思ったんでしょうね。実際あのとき横山さん演じる二宮が「歌うんかい」って言うんですけど、「気持ちよく歌うんかい」「手拍子しなあかんのかい」っていうのは小林監督ならではのこだわりがあったんでしょうね。小林監督に「気持ちよく歌って」と言われたんで歌いましたけど、僕も「歌うんかい」って思いました(笑)。
佐々木:総合格闘技が好きで、一時期ハイキックの練習をやったりしていましたね。初代タイガーマスクの佐山聡さんや藤原喜明さんの本を買ったりして研究していた時期はありました。原作で桑原はいきなり金的とかポケットに忍ばせた砂で目つぶしとか、勝つために卑怯な手を使うんです。それは絶対に映画でも入れたいと思っていたので、リハーサルの時に卑怯な手を使いたいと提案しました。
佐々木:会社員時代の同僚なんかはそうですね。劇団員時代のときは製作もやっていたので、メディア媒体のライターさんだったりとかは今でも繋がっていたりしますよね。そういう仲間のほうが一緒にいることは多いです。
佐々木:思い出話をするわけでもないですね。
佐々木:はい(笑)。
佐々木:飲む前に対策してから飲もうと思うんですけど、大体忘れてしまうんですよ。「飲む前にウコン、飲む前に牛乳」とか思うんですけど、対策せずに飲んでしまって。トマトジュースもいいらしいですよ。大体、家に帰ってそのままお風呂も入らずに寝てしまって、朝起きたらお酒がちょっと残っている場合があって、家に帰ってちゃんとシャワーなりお風呂に入ったら抜けてたりするんです。家に帰ってそのまま寝ないようにしようと思います。
佐々木:もちろんです。
佐々木:たしなむ程度に(笑)。
(text&photo:鈴木唯)
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