『Love or Not』山下健二郎×町田啓太インタビュー

いまやドラマはテレビだけで見るものではなくなっており、時間も場所も問わずに楽しめる時代。その影響もあって、ジャンルやストーリーの幅もますます広がりを見せているが、そんななかdTVとフジテレビがタッグを組んでオリジナルドラマを制作した。それが、男女6人による王道ラブストーリー『Love or Not』。すでに先月より配信が始まり、話題となっている。

今回、この作品で主人公の幸助を演じているのは、三代目 J Soul Brothersのメンバーとして活躍する山下健二郎。そして、幸助の会社の後輩である亘には様々な才能を発掘している劇団EXILEから町田啓太が出演している。そこで、実生活でも先輩と後輩である2人に撮影現場の様子や本作の見どころ、さらには恋愛観についても語ってもらった。

山下健二郎（右）と町田啓太（左）

──まず、配信が始まってから周りの反響は？　

山下：地元の友だちとかもすでに見てくれていて、「こういう懐かしい感じのまっすぐなラブストーリーを久々に見られてうれしい」という声をもらっています。

町田：SNSでも楽しんでいただけているようなコメントがすごく多いので、ありがたいです。

山下：メンバーもそれぞれ個人の活動でいろんな仕事をやっていますけど、集まったときに「こういうドラマの撮影をしているから、見てください」って話はしましたね。

町田：撮影中からこのドラマをやっていると言うと、周りからめちゃくちゃうらやましがられました。何人かで集まって話をしたときにも「楽しみにしている」と言ってくれました。

山下健二郎

──山下さんはドラマ初主演ですが、決まったと聞いたときの気持ちは？

山下：主演ってなかなかできるものではないので、純粋にうれしかったです。この作品を大事にして、より多くのみなさんにしっかりと見ていただけるように、演技もがんばろうと感じました。撮影現場では、和気あいあいとみんなで楽しく撮影できたというのが一番でしたけど、演技するときとオフのときではスイッチも変わるし、その切り替えも上手くできてよかったなと思います。

町田：日頃からお世話になっている先輩でもある健二郎さんが初主演のドラマに僕も参加させてもらえるというのが一番うれしかったですし、ありがたいなと思いました。

山下健二郎

──脚本を読んだときの印象を教えてください。

山下：最初の印象は、懐かしいなという感じでしたね。自分も青春時代にはこういうラブストーリーを見ていたので、嬉しかったのと、それに主演できるという喜びもありました。いまだからこそやるべきドラマなんじゃないかなとも思いますし、若い人たちにこういう王道ラブストーリーで恋愛の素晴らしさとか良さを伝えることができたらいいなという気持ちです。

山下：普段はダンスをするのがメインですけど、グループから一歩離れて、僕一個人としては、演技が好きなので、すごく勉強させてもらいました。お芝居というのは、場数が大事にもなってきますし、この経験を活かして、また次のステップにどんどん上がっていきたいなと感じています。今回は、演技に関しては周りが先輩ばかりだったので、吸収できるところは吸収して、いろんなものを持って帰ることが出来たらなと思って臨みました。

町田：とにかくすごいなって思いました。撮影中も三代目 J Soul Brothersの活動はすごく忙しいですし、色んな番組に出演したり、ライブもやっていたり、あとは新しい作品を撮ったりして、「いつ寝てるんだろう？」とか思いながら見ていました。
　しかも、健二郎さんはいつもの関西弁でなくて、標準語で全部やっているんですけど、会話劇でもあってセリフも多いので、本当に大変だったと思います。それなのに周りにも気を遣って、楽しい現場にしていただきましたし、もし僕が「いますぐ主演をやれ」って言われてできるかと言ったら多分できないので、やっぱりすごいなと感じました。

『Love or Not』

──撮影で大変なことはありましたか？

山下：本仮屋さんに標準語のイントネーションを教えてもらったりしながら、周りに助けられたのが大きかったと思いますね。演技はもちろん大変でしたけど、本来自分が持っているモチベーションと役がすごくマッチした部分もあったので、そのまま素直に表現するのがいいんじゃないかなって。つまり、演じようとするよりも、自分が持っているものを出す方がいいんじゃないかなってことに心がけたのが一番です。
　あと、難しかったのはナレーション撮りですね。ナレーションって声だけで感情を伝えないといけないので、画面を見ながら自分の声で一生懸命伝えているんですけど、聞いたときにそのイメージが薄かったり、結構オーバーにやってみたらそれが意外と普通だったり、そういう感覚を掴むのが難しかったです。

町田：基本的には普段の関係性でやることができたので、やりづらいとかまったくなかったです。女性キャストもとても気さくな方々で、現場の雰囲気がよかったので、特に苦労したことはないですね。でも、今回はコメディ要素が結構強いんですけど、そういう間とかリアクションが全然わからないので、健二郎さんに勉強させていただいていました。僕は普段、あんまり楽しい人間ではないので（笑）。

町田啓太

──八木将康さん含め、男性陣はみなさん同じ事務所所属ということもあり仲がいいようですが、本仮屋ユイカさん、浅見れいなさん、水沢エレナさんの女性陣とはすぐに仲良くなれましたか？

山下：打ち解けるのに全然時間はかからないかったですね。最初は仲良くなれるか心配もあったんですけど、女性キャストの方々がしゃべりやすくて、そういう空気感を作ってくれたので、だいぶ助かりました。全員ピュアでまっすぐだし、この作品をみんなが大好きになったので、一緒の方向性にすぐ向けたこともあり、非常にやりやすかったです。キャストだけで食事に行ったりもしました。

山下：部屋は結構掃除するタイプなので、キレイ好きは共通しているかもしれないです。まあ、男も独り暮らしだと最低限の掃除と洗濯はやらないといけないといけないので。だから女子力って何なのかな（笑）。でも、男性陣の3人は結構マメなだと思います。

町田：僕は健二郎さんに「公務員っぽい」と言われていたので（笑）、そういうところをうまく出せていけたらいいなとは思いました。

山下：僕は好きな人にはちゃんと伝えるようにまっすぐ言うタイプなので、幸助には近いですけど、あんまりウジウジはしないですね。

町田：亘みたいに恋愛に対して変な偏見は持ってないので、僕はちょっと違うんですけど、でも好きになったら、「好き」って言っちゃう感じはわかります。

町田啓太

──3人の女性キャラクターのなかでいうと、どんな女性がタイプですか？

山下：選ぶのは難しいですけど、真子さん（本仮屋ユイカ）みたいに仕事をして自分でちゃんと自立している人はいいなと思いますし、しっかりと自分を持っていて、はっきりしている女性はステキですよね。

町田：僕は志保さん（浅見れいな）とちょっと似た立場だったので、共感しました。うまくいかないことも多いからかわいそうだなと思って、その姿に「ああ、なんとかしてあげたいな」という感じにはなります。

山下：初恋とか、運命の人って出会いたくても出会えない人が多いと思うので、あったらすごくいいなと思います。僕自身は恋愛をするのに出会い方は何でもいいと思っていて、それよりも恋愛の中身とかどう関係を築き上げていくかとかの方が重要なんじゃないかなと。あとは、周りに応援してもらえる雰囲気を持っている恋愛は素敵だなと思います。

『Love or Not』

──この作品を通じて恋愛観や結婚観について考えることもありましたか？

山下：いますぐではないですけど、いずれ結婚はしたいですね。僕はパフォーマーとしてダンスをしているので、表舞台で踊ってる間に、その姿を子どもに見せたいなというのが夢です。だから、僕の仕事も応援してくれて、支えてくれる女性がいいんじゃないかなとは思います。よく聞かれるんですけど、僕は恋愛と結婚は一緒ですね。

町田：結婚してどうなるんだろうというのはまだ想像つかないんですけど、お付き合いするなら結婚する気持ちでしたい派ではあるので、恋愛も結婚も相手に求めるものは僕も同じだと思います。

山下：それぞれ友達や先輩後輩の関係がありつつも、恋愛になると別になってくるぐらい、「恋愛って自分を動かされるもんだな」っていうのを伝えたいです。ただ、駆け引きとかは10代の恋愛観とは少し違うのかなと思うので、自立した大人の恋愛とこれからどんどん動く展開に注目して欲しいですね。
　本当にまっすぐな王道ラブストーリーで、年齢問わずリラックスして見ていただけるような内容なので、これから恋したい人やいま恋している人も含めて、改めて恋愛の良さを感じながら見てください。

町田：前半はそれぞれの恋愛模様がピュアに動いていますけど、後半からはかなり激動です。大人だけどちょっと子どもっぽい恋愛をしてきた人たちが複雑に絡み合いながらも、「結局は素直さが一番大事なんじゃないかな」というのが大前提。ドキドキソワソワもあるかもしれないですけど、最後に向かって楽しみにして欲しいなと思います。
　あとは、配信ドラマということで、いつでも気軽に見られるというのもひとつの魅力だなと思うので、時間のあるときにひとりでもいいですし、友だちと恋の話をしたときでもいいので、ぜひ色んな方に見ていただきたいです。

（text＆photo：志村昌美）