1968年1月21日生まれ、韓国出身。88年、舞台「欲望という名の電車」でデビューし、演劇界で活躍。ドラマや映画にも出演し、『タチャ イカサマ師』(06年)で韓国のアカデミー賞と称される大鐘賞助演男優賞を受賞。『チェイサー』(08年)で韓国主要映画祭の主演男優賞を独占する大記録を打ち立てた。スリラーからドラマまで幅広いジャンルの作品で圧倒的な演技で演じてきた名優。主な出演作は『楽しき人生』(07年)、『ファイ 悪魔に育てられた少年』(13年)、『海にかかる霧』(14年)、『セシボン』(15年)、『極秘捜査』(15年)、『プリースト 悪魔を葬る者』(15年)など。
世界30ヵ国でベストセラーとなったラブロマンス「時空を超えて」。フランス人の人気作家ギヨーム・ミュッソの小説を映画化した『あなた、そこにいてくれますか』が、10月14日より公開中だ。
タイムスリップにより過去の自分と再会。亡くなってしまった恋人と、現在を生きる最愛の娘との間で揺れ動く男の姿を描いた本作は、昨年、韓国で公開されるや、『ラ・ラ・ランド』を抑え1位に躍り出る大ヒットに。
主演したのは韓国の『チェイサー』(08年)でも知られる名優キム・ユンソク。原作者のミュッソは、映画化に慎重なことで知られるが、本作についてはキム・ユンソクが主演ということで快諾したという。そんな本作について、ユンソクに聞いた。
ユンソク:私は出演作を選ぶ際、ストーリーが一番重要だと考えていて、この映画はラブストーリーと限定するより、もっと広い意味を持った作品だと思っています。一人の人間が人生を終えるまでの時間があまり残っていない状況で、自分の人生を振り返り、自分と一緒に人生を歩んできた、昔の恋人や、家族、友人など全ての人に関する話だと思っています。
ユンソク:彼は、現在は小児科の医師で辛い過去を背負っています。幸せだったとは言えない幼少時代を送りましたが、それにも関わらず医師という社会的地位のある職業についたまともな人です。一方で多くの寂しさも抱えています。その寂しさとは、若い時に一番愛した恋人を死なせてしまったことが一番大きいけど、昔から続く彼の不幸な家族の歴史が彼を苦しめていると思います。
もし自分が同じ状況になったら、スヒョンのように2人を同時に助けられる道を探すだけです。
ユンソク:ピョン・ヨハンはすばらしい俳優です。舞台やドラマなど、多く経験していますし。ヨハンさんも舞台をやっていた役者なので、演技への接し方など見ても自分と変わらない部分が多かったです。
あと、2人1役で共演する中で、過去と現在のスヒョンは似る必要がないという話がありました。なぜなら、過去のスヒョンは、(恋人である)ヨナが事故に遇う前の姿であり、現在のスヒョンは事故に遭った後長い間辛い時間を過ごしてきたため、全然違うはずだからです。むしろ違う姿を見せる方がいいと思いました。30年が経ち、自分を抑える力だったり、相手を思いやる気持ち、一方で人生に対しての“諦め”のようなものが募っている姿など、過去と現在の違う姿を表現し、お互い変わった自分を見て驚いたり、そういう部分も楽しめるように心がけました。
ユンソク:私は過去に戻りたくありません(笑)。
ユンソク:(現在のスヒョンの親友である)キム・サンホさんと(彼の若い頃を演じた)アン・セハさんのコンビはとてもはまり役でしたよね。特にキム・サンホさんとは、6本くらい一緒に作品に出演しているので、特別な仲です。そのため、今回の役もとても自然にこなせました。
パク・ヘスさんは、新人ですが娘役に抜擢されました。父娘の関係を自然に表現したいのですが、それを人工的に作るのは難しいので、ヘスさんを家に招待し、一緒にコーヒーを飲んだり、果物をむいて食べたりしました。今までは配役のために人を招待することはあまりなかったですが、新人ということもあり、先輩という存在は緊張するだろうから、家に呼んで関係を深めるのが一番いいと思ったのです。そういった意味でも、彼女とは特別な思い出があります。
ユンソク:フランスの作家がアメリカを背景に書いた小説が、韓国の監督が脚色をして映画を作り、それが日本で公開されます。すでに、1–フランス原作、2–アメリカを背景に、3–韓国の脚本家が、4–日本で公開のステップを踏んでいることになります。地域も国籍も違いますが、この題材は人であれば誰でも共感でき、40代以上の人であれば、一度は振り返って見たいストーリーであり、周りの人がどれだけ大事かを感じさせてくれます。淡々とした面白さも、コミカルな要素もあります。楽しんでいただけると嬉しいです。
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