1988年11月6日、アメリカ・アリゾナ州生まれ。04年にタレント発掘番組に出演し、女優としてのキャリアをスタート。10年『小悪魔はなぜモテる?!』に初主演し、第68回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネート。『アメイジング・スパイダーマン』シリーでヒロインを演じ注目を集め、2014年の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で第87回アカデミー賞助演女優賞などにノミネート。16年の『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞主演女優賞を受賞。
男は女より優秀なのか? 男女平等を訴える運動が勃興していた70年代前半のテニスコートで繰り広げられた女と男の一騎討ち──性差を超えた戦いを描いた『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』が、7月6日より公開される。
『ラ・ラ・ランド』で見事アカデミー賞を受賞したエマ・ストーンが本作で演じたのは、女子テニス界の世界チャンピオン、ビリー・ジーン・キング。男子と女子の賞金金額に8倍もの格差があることに疑問をもち女子テニス協会を立ち上げたビリーと、女性を小馬鹿にしまくる男性優位主義者の元世界王者、ボビーとの伝説的な決戦を描いた本作について、ストーンが語った。
ストーン:私は子ども時代にスポーツはしなかったので、ジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリスの両監督から話を聞くまで、全世界で9,000 万人の目をくぎ付けにしたという「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」については知りませんでした。けれど脚本を読み、ビリー・ジーン・キングについて学ぶうちに彼女のストーリーに魅了されました。それに、『リトル・ミス・サンシャイン』の監督でもあるジョナサンとヴァレリーの2人とはずっと一緒に仕事をしたいと思っていました。また、本作の脚本家サイモン・ボーフォイは、私の大好きな『スラムドッグ$ミリオネア』や『フル・モンティ』の脚本家でもあるんです。
ストーン:彼らは素晴らしいわ。チームワークが素晴らしいし、才能に溢れる彼らこそ、このストーリーに息を吹き込むのに適任だったと思います。同時に、彼らは世界で最も優しい人たちです。(ライバルとなるボビーを演じた)スティーブ・カレルには負けるんですけど。世界で一番優しいのはスティーブだと思うわ(笑)
ストーン:当時、彼女はまだ20代だったにもかかわらず、70年代の女性たちにとってのヒーローになりました。社会的な視点を持つ彼女は、テニスはエリート向けのスポーツだと考えていました。テニスクラブに加わった12歳以降、彼女は裕福な白人ばかりがテニスをプレイするのを見てきたからです。彼女の両親は写真撮影用のテニスウェアを買うお金がなく、彼女は母親が作ったショーツを履いていました。(男女格差についても)彼女は、女の子は、男の子とは違う育てられ方をしていることに気づいていました。そして、女性はアスリートとしても見下されていました。ビリー・ジーンにとって、テニスは社会変化をもたらす手段で、テニスが上手だったことが彼女に力を与えたのです。
ストーン:元テニス・チャンピオンで、とても愉快でチャーミングな人物です。長所もたくさんありますが、ギャンブル依存症で、賭けなしで試合をすることはありませんでした。宣伝のために自らがおどけ役になったりするわけですが、洞察鋭いビリー・ジーンは色々なことを達観していたのだと思います。
ストーン:残念なことに、一緒のシーンはあまりありませんでした。彼と共演するのは今回が2作目で、前回の『ラブ・アゲイン』では父親と娘の役だったのですが、前回も、一緒だったのは2シーンほどしかありません。なので、スティーブと撮影で一緒になったのは全部で3日ほどですが、彼は最高でした。彼はまず素晴らしい俳優で、それに私が知る中で最も優しい人で、もう圧倒的なダブルパンチです(笑)。彼の演技は素晴らしく、ボビーの騒がしい性格の裏に潜む長所を見事に引き出していたと思います。
ストーン:衝撃的なことに、彼女たちの報酬は男性の8分の1でした。ビリー・ジーンたちは、「男と同じくらい強いし速い」といった主張はせず、ビジネス的なアプローチから抗議しました。「男性と同じだけチケットの売上があるのだから、男性と同じだけのエンターテイメント価値がある」と主張したんです。つまり、女性プレイヤーに対する観客数や売上が男性と同じなら、報酬も同じであるべきと唱えたのです。完全に理にかなった主張ですよね。報酬が平等でなかったため、彼女たちは女子テニス協会(WTA)を設立します。彼女たちを率いたのは、雑誌「ワールド・テニス」を創刊した(劇中でサラ・シルヴァーマンが演じた)グラディス・ヘルドマンでした。
ストーン:リーグのトップにいた彼女たちにとって、非常に大きなリスクだったと思います。正しいことのために戦うのは恐ろしいことですが、同時に素晴らしいチャンスであることを彼女たちはわかっていたのだと思います。世界を変えたのですからね。大変なリスクを負ったわけですが、当時、巨大なフェミニズムの波があり、賃金平等化、職場や家庭における男女について議論されていました。アクティビズムの風潮が文化に行き渡り、彼女たちはその戦いに参加しなければならないと感じ、一致したのだと思います。
ストーン:劇中でのビリー・ジーンとラリーは結婚8年目です。興味深いのは、ビリー・ジーンは今でも愛情を持ってラリーの話をする点です。2人の友情関係は時間が経っても健在で、ビリー・ジーンはラリーの子どもの代母になっています。ビリー・ジーンはラリーを敬愛していますし、ラリーも明らかにビリー・ジーンを愛しく思っています。
彼女は21歳の時にラリーと結婚し、25歳で同性愛者だと気が付きます。ですが、映画にあった通り、結婚した2人はお互いを支え合うとても美しい関係にありました。ラリーはビリー・ジーンのキャリアを管理し、互いを理解した2人はあらゆる意味でチームメイトでした。また、ラリーは素晴らしいフェミニストで、「なぜ報酬が平等ではないのか? ビリー・ジーンは最高のテニスプレイヤーなのに、フェアじゃない」と考えており、の問題でビリー・ジーンの目を開かせたのはラリーなのです。ラリーは強く平等を信じた人物です。
ストーン:楽観的で、人の良心を信じる人間です。ですので、彼女はボビー・リッグスのことを好意的に思っていて、友人だったということに私は驚きませんでした。ボビー・リッグスが亡くなる前、彼が最後に会話を交わした人の中にビリー・ジーンも含まれていました。彼女について知れば知るほど、彼女は美しい人生観を持っていたことに気づかされます。彼女の性格や信念は全く衰えることがなく、眼の前には世界が待っている、素晴らしいことが起きると心躍らせる15歳のようでした。私も楽観的なので同じように信じているんです。今の彼女もいろいろな意味で当時のままですが、前ほど秘密を隠さなくてもよくなったので、より自由にありのままの自分でいることができていると思います。
ストーン:大変なお祭り騒ぎで、テレビ中継されたスポーツイベントであそこまで宣伝されたのは初だったのではないでしょうか。ビリー・ジーンとボビーは一緒にコマーシャルに出演したり、試合日の4ヵ月前から雑誌や新聞に登場しました。そして世界中が注目したのです。月面着陸のスポーツイベント版のようなものだったのです!
ストーン:ビリー・ジーンにとって、勝つことには様々な意味がありました。自身の人生やスポーツ界への影響だけではなく、社会全体に計り知れないインパクトがあったのです。彼女の勝利が後世にこれほど大きな影響を与えることになる決定的な試合だったとその時は知り得なかったでしょうが、女性運動に多大なインパクトを与えることには気づいていたと思います。
ストーン:インパクトのある物語だからというのが一番だと思います。44年も前の物語にも関わらず、今でも状況は大して変わっていないことはとても残念に思います。この作品が今日でも共感を生むということが、私にとって衝撃的でした。
NEWS
PICKUP
MOVIE
PRESENT
-
安田淳一監督のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!/『侍タイムスリッパー』
応募締め切り: 2025.01.10 -
ダイアン・キートン主演『アーサーズ・ウイスキー』一般試写会に10組20名様をご招待!
応募締め切り: 2025.01.04