1958年1月9日生まれ、イギリスのロンドン出身。王立演劇学校で学び演劇の世界に入る。多くの演劇やミュージカルに出演。イギリスで最も権威があるとされる演劇・オペラに与えられるオリヴィエ賞を4回受賞、11回ノミネートされている。映画では、マイク・リー監督の『ヴィラ・ドレイク』(04年)でヴェネツィア国際映画祭主演女優賞を受賞。そのほか、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07年)、『マレフィセント』、『パレードへようこそ』(共に14年)などに出演。
『ニューヨーク、眺めのいい部屋売ります』でシニア夫婦の心の機微を描き、人々の共感を誘ったイギリスの名匠リチャード・ロンクレイン監督。彼が再び放った人生賛歌『輝ける人生』が公開中だ。
主人公は、ナイトの称号を授与された夫をもつ見栄っ張りのセレブ女性、サンドラ。記念すべき日に35年連れ添った夫と親友の浮気を目撃して家出した彼女が、金も名誉もないが人生を謳歌している姉の家へと転がり込んだことから始まる大変化が、楽しく温かく描かれていく。
妹を心配する姉のもとで忘れかけていた情熱をとりもどしていくサンドラを演じたイメルダ・スタウントンは、『ヴェラ・ドレイク』でヴェネツィア国際映画祭主演女優賞したイギリスが誇る名女優。そんな彼女に映画の見どころなどを聞いた。
イメルダ:自分と同年代の、生身の女性を演じられるのがうれしかった。シニアと呼ばれる人々にも人生がある。心が張り裂けそうな思いもするし、ユーモアもあるし、将来もある。そこを描いているのが素晴らしいと思ったわ。他のどの作品とも違う。私たちが演じるのは、残された自分の人生を取り戻そうとする年配の人々。登場人物は全員これまでに失望を味わってきたけれど、未来を持とうと努力をしているの。
イメルダ::長年疎遠だった姉の家に、私が演じるサンドラが転がり込むの。サンドラは姉に対して威圧的で上から目線だから、2人はケンカばかり。パートナーをつなぎとめ結婚を維持するために、多くの女性がたくさんの犠牲を払いながら暮らしているのだと思う。私の演じたサンドラはそうやって生きてきた。そういう人生から解放されて、自由で気楽で魅力的な姉と向き合うことで、サンドラは本当の意味での自由を見つけることができるようになるの。そして姉妹は長年の空白を埋めていくのよ。
イメルダ:2人とも人生において失望を味わったわ。この映画の登場人物は皆、未来を切り開こうとしているの。対極に位置する人物同士はどんな物語でも刺激的で、面白いことが起こるものよ。才能の競演を見てほしいわ。劇中の人物と同じように、お互いを知っているから自然に演じることができてとても幸運だった。
イメルダ:サンドラにとってダンスは自由を与え、長年心に閉じ込めていたものを解き放ってくれるものね。不幸な結婚でがんじがらめになっている女性や男性がいても、普通はそれが悪いことだとは気づかない。ダンス教室に通う人物たちはただ面白おかしいだけじゃなくて、すごく感動的よね。踊りが上手かどうかは問題じゃないわ。肝心なのは彼らが孤独でないということよ。集団の一員でいるということは本当に大事なこと。人間の寿命が伸びている中で、彼らは元気に生きている。ケンカもすれば、希望も抱く。私はそういうことをすごく魅力的に感じるわ。この映画の中でダンスは私たちの内なる感情すべてのメタファーなの。
振付師たちの指導はとても熱がこもっていたわね。ぶざまな姿をさらさないように、厳しい特訓を受けて大変だった。ニュージカルはやったことがあるけど、こんなにたくさん踊るシーンは初めてだったから。それでも、みんなで一緒に苦労を共にして絆が深まったわ。これは仕事だし、仕事は大変なものよ(笑)!
イメルダ:ローマ旅行はエキゾチックだったわね。いかにも平凡な英国人の一行が美しい都市に降り立つのよ。ローマの景色を楽しんでほしい。ローマで踊るなんて最高にステキでしょ! この映画の楽しみの1つね。
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