2002年6月11日生まれ。神奈川県出身。2014年に開催された第18回nicolaモデルオーディションでグランプリを獲得し、ファッション誌「nicola」専属モデルとして活動。その後、三島有紀子監督の映画『幼な子われらに生まれ』(17年)で女優デビュー。映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18年)で映画初主演をつとめ、吃音症を抱える女子高生の演技が評価され、報知映画賞新人賞、ブルーリボン賞新人賞などを受賞。ドラマ『ココア』(19年)、映画『居眠り磐音』(19年)などに出演。江崎グリコ「ポッキー」や「キリン 午後の紅茶」のCMにも出演。今年は、1月にドラマ『ココア』でテレビドラマ初主演をつとめたほか、時代劇初挑戦作『居眠り磐音』も公開。来年春は主演映画『もみの家』の公開も控えている。
「昔から『自分とは違うもの』になるのが好きでした」と語る17歳の南沙良。女優を目指したきっかけについて、「違う存在になることをお仕事にしている女優さんって、すごくかっこいいなあと思って」と教えてくれた。
ファッション誌「nicola」の専属モデルとして活躍、2017年には『幼な子われらに生まれ』で鮮烈な女優デビューを飾り、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で吃音症を抱える主人公を演じブルーリボン賞新人賞をはじめ様々な新人賞を受賞した彼女に、ほぼ即興で挑んだ主演最新作『無限ファンデーション』の撮影秘話や、趣味の服作り、映画への思いなどを語ってもらった。
南:最初に即興だと聞いたときに、どうやって即興で映画を作っていくんだろうなあと思ったんですけど、作品に入る前に1〜2回リハーサルをして、全体の流れだったりの説明を受けたんです。みんなで作っていく中で、即興だから物語が変わることがあるかもしれないけど、楽しんでやりましょう!みたいな(笑)。
南:緩い感じで始まったので、そこまで深く考えずにできたというか……共演相手からもらったものに対して、自分の中から出てくる言葉で相手に伝えるということが、すごく楽しかったですね。
南:1週間です!
南:ほとんど一発撮りだったので、意外とスムーズに進んでいました。
南:そうですね。こだわっていたと思います。
南:私には、未来と重なっている部分がたくさんあるんです。私も洋服を作ることがすごく好きなんです。あと、私も自分の思ったことを、相手に伝えないで自分の中で終わりにしてしまうんです。
南:すごく楽しかったのが、花火を見るシーン。その年の初花火だったので、すごくテンションが上がって、楽しかったですね。花火がすごく近かったんです。(主人公の未来と交流する不思議な少女の)小雨さん(西山小雨)と一緒に、すごく楽しんでいました。
南:西山小雨さんが、本当に“小雨さん”そのままなんですよ。内からにじみ出るハッピーオーラというか、本当に良い意味で回りを巻き込んでくれるというか。その温かさが本当に好きです。
南:たくさんあります。私も女の子の友だちと接するのが上手じゃないというか、あまり女の子の友だちがいないんです(笑)。それこそ学校では、女の子同士って一緒にトイレに行きたがったり、何するにも一緒とか、暗黙の了解のような「あの子と話しちゃいけない」みたいなことが、すごくたくさんあるのが苦手だなあと思って。なかなか難しかったです。
南:特別なきっかけがあったわけじゃないんですけど、昔から“自分とは違うもの”になるのが好きでした。リスになりたかったり、インコになりたくてインコを飼ったり(笑)。違う存在になることをお仕事にしている女優さんって、すごくかっこいいなあと思って。それがきっかけだったのかなって思います。
南:それも特別なきっかけがあったわけではないんですけど、『幼な子われらに生まれ』や『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』だったり。そういう作品を通じて、たくさんの方から感想を言っていただいたり、賞をいただくことができたり。そういうことが大きかったのかもしれません。
南:「ニコラ」は年齢のことがあったので。できれば卒業はしたくなかったんですけど…(笑)。でもそこでちゃんとリセットされたというか、切り替えができたのかなって思います。
南:根っこの表現するという部分は同じなのかなと思うんですけど、それぞれ楽しみ方が違うというか…私はどっちもすごく楽しかったので、これからも続けていけたらなって思います。
南:リメイクが多いんですけど、ミシンを使って、もとのデザインとちょっと変えたり、そこにプラスしたり。そういう服作りが好きですね。
南:昔から、物を作ったりとか、洋服もそうですし、絵を描くことがすごく好きなんです。母がお裁縫が得意ということもあって、その影響もあるんですけど、何かを作るということがすごく好きです。
南:それは全然ないですね(笑)。
南:そうですね。
南:声をかけていただいたら挑戦したいなって思うんですけど、自分からお仕事にしたいと思ったことはないですね。
南:着たことないです(笑)。飾ってます。作って満足したら、母の実家に送っています(笑)。
南:ちゃんとした洋服は少ないですね。作って途中でやめちゃったり、たくさんあって。
南:普段は、着ていて楽なもの(笑)。ワンピースとか、スカートとか。
南:作るとなると、尖ったものが多いかもしれないです。
南:習ったこともなくて。ほぼ独学なので、パターンとかは引けないんですけど……。
南:尖りたいという思いが(笑)。普段は尖れないので、こういうところで出しているんだと思います(笑)。
南:小さい頃から、家族みんなで映画を見ることがすごくたくさんありました。私にとって、すごく身近なものなんです。映画がすごく好きで、妄想したり想像することが大好きで(笑)。そういう妄想や映画の中の世界が、自分の逃げ道というか、ずっとそばにいてくれたものなんです。それ(妄想や映画の世界)に引っ張られることもあったりするんですけど、引っ張られているのが楽しいというか。
南:昔から洋画をすごくたくさん見ているんですけど、サメ映画がすごく印象に残っていて(笑)。小さかったからかもしれないんですけど、モンスター系がすごく記憶に残っていますね(笑)。泣きながら見ていました。
南:具体的なものはないんですけど、型にはまらない表現ができる女優さんになりたいなと思っています。
南:そうですね。一番最初の映画が『幼な子われらに生まれ』で、三島監督からは「お芝居しなくていい」と言われたんです。「相手からもらったものに対して、自分が思ったことや感じたものを形にしてそのまま返せばいいだけだよ」と言っていただけて、それがすごく印象に残っていたので、今回の現場でその言葉が繋がったというか。すごくうれしかったですね。
南:人見知りを治すというか、人とちゃんと喋れるようになっていたいなと思います(笑)。
南:未来が変わっていくのを自分でも感じて、私も変わりたいっていう風に思ったんですけど、なかなか……(笑)。
南:ものを作ることは20歳になっても、その先に続けていけていたらなって思います!
(text&photo:岸豊)
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