坂東龍汰
ばんどう・りょうた
1997年5月24日生まれ、北海道出身。ニューヨークで生まれたのち3歳から北海道で育つなかで演劇に興味を持つようになり、俳優を目指す。2017年に俳優デビューを果たし、翌年にはドラマ『花へんろ 特別編「春子の人形」〜脚本家・早坂暁がうつくしむ人〜』で初主演。主な出演作品は、『十二人の死にたい子どもたち』『閉鎖病棟 -それぞれの朝-』(共に19年)、『犬鳴村』『静かな雨』『#ハンド全力』 『峠 最後のサムライ』(共に20年)など。
自分の素に近いキャラクターで、初めて役に甘えられた
累計2500万部を突破し、絶大な人気を誇るスポーツ青春漫画「弱虫ペダル」。これまでにアニメ、アニメ映画、舞台、小説、ドラマといった幅広い展開を見せてきたが、ついに初の実写映画化が実現した。主演を務めたKing & Princeの永瀬廉をはじめ、伊藤健太郎や橋本環奈といった旬のキャストが集結していることでも話題となっている。
そんななか、今後さらなる活躍が期待されている若手俳優の坂東龍汰も自転車競技部の一員として参戦。今回は、“熱血キャラ”の鳴子章吉役を演じている。そこで、作品にかける思いや共演者とのエピソード、さらに役者としての将来についても語ってもらった。
坂東:原作は読んだことがありましたし、人気があることも知っていたので、「まさか出演できるとは……」という感じでしたね。しかも、鳴子章吉というとても大事なポジションの役だったので、本当にびっくりしました。
とはいえ、鳴子くんのキャラクターは、自分の学生時代の様子を見ているようで、なんとなく親近感は抱いていたんです。そういう意味では、演じられるとしたら鳴子くんかなという気持ちはあったような気がします。
坂東:そうですね。いままでこんなに明るい役を演じたことはなかったので、挑戦したことのない役ではありましたが、自分の素に一番近いキャラクターだったと思います。なので、お芝居のなかで自分を出せることに対する楽しみがありつつ、振り切ってやろうという気持ちで挑みました。
坂東:まずは、「とりあえずテンションを下げないこと」ですね。といっても、僕は普段からめちゃめちゃテンション高いんですけど(笑)。でも、それ以上にがんばって上げていくこと、普段よりもキビキビと動くこと、腹から声を出すこと、そういった部分を意識してお芝居しました。
坂東:終わってからそういう風になっていたことを知りましたが、確かにメイキングの映像を見たらひどかったですね……。でも、あれは鳴子くんの役が抜けなかったということにしておきます(笑)。
坂東:全然思わなかったですね。あのときは、本当にあれが自然だったので。初めて役に甘えられたというか、カメラが回っていないところでも素の自分を現場で見せていいと思えたのは大きかったです。みなさんがすごく優しくて、大きな心で包んでくださっていたので、出演者の方々、スタッフの方々に救われたと思います。
坂東:事前に練習期間が3ヵ月ほどあったんですが、その段階ですっかりロードバイクの虜に。乗ってないとお尻に違和感があるくらいの状況に陥ってしまったので、撮影中は寒かったり、風が強かったり、大変なこともたくさんありましたが、まずは自転車に乗れることが毎日楽しみでした。
なかでも、みんなで隊列を組んで走ったり、スタート前に声を掛け合ったりするのがうれしかったですね。初日からチームワークもありましたし、本当に部活みたいだったので、青春だなと。あとは、一人で走っているときとは違って、みんなに見られている喜びもありましたね。僕は目立ちたがり屋なので(笑)。鳴子章吉を演じられて、すごく幸せでした。
坂東:そうですね。しかも今回は伊勢や千葉など、地方ロケが多かったので、景色もきれいでしたし、料理もおいしくて、「こんなに楽しくていいのかな?」ってくらいでした(笑)。あとは、自転車を1日中漕いでいたこともあり、体力をつけるために毎日のように焼き肉を食べに行ったことも。そのおかげでみんなとも仲良くなれましたし、撮影の1ヵ月はあっという間でした。
坂東:みんなでスーパー銭湯に行って、サウナや温泉でゆっくりしたあとに、伊勢海老を食べたことですね。あとは、宿泊したホテルのなかに、富士山がきれいに見える露天風呂がありましたが、まだ日が昇らないくらい時間に共演者の栁俊太郎くんと一緒に入って、富士山に向かって「今日もやるぞー!」と裸で言ったりしたこともありました(笑)。そういうことも楽しかったですね。
坂東:まさに、一体になってという感じでしたが、撮影が終わったあとも、みんなとは仲良くさせていただいているので、いまでも時々zoomで話したりしています。
坂東:一方的ではありますが、廉くんとは最初からウマが合いそうだなと感じていました。実際、撮影中もホテルで一緒にいろんな話をしたり、2人でご飯食べに行ったりもしたほど。廉くんは座長としてこの組をしっかりと引っ張ってくれましたし、気遣いも出来るし、ストイックで見習うところが多かったので、年下とは思えなかったです。いつか同じ立場になったときに、僕もがんばらなきゃと刺激をもらいました。
坂東:「役者って何だろう」みたいな結構な話もしましたし、ゲームとか音楽のこととか、他愛のない話をすることも多かったですね。あと、廉くんは待機している車のなかとかでもずっと歌っていました。で、途中でやめて僕に歌わせるんですけど、また途中で勝手に割り込んできたりして……。そんなことを繰り返していたので、廉くんとの撮影の印象は2人でずっと『カブトムシ』を歌っていたことですね(笑)。本当に明るくて、盛り上げ上手ですし、一緒にいて楽しい方です。いつか2人で一緒にカラオケに行きたいなと思っています。
坂東:ズバリ言ってしまうと、僕は健太郎くんから最初は嫌われていました(笑)。多分、僕の前向きすぎるポジティブさが鼻についたんでしょうね。健太郎くんも「最初はちょっと嫌いでした」って色んなところで言ってるくらいですから。でも、撮影が進むにつれて、僕のことをわかってもらえて、いまは仲良しです。撮影中も健太郎くんが僕にきつく当たって、僕が謝るみたいなやりとりをコントのようにやっては楽しんでいました。
坂東:全然違いました。同い年なんですけど、師弟関係みたいでした。
坂東:はい、健太郎くんが師匠です。怒らせると怖いですから……。って、そんなことはないですよ(笑)。
坂東:「そのままのキャラクターで行った方がいいから、変える必要はないよ」と言ってくれて、いまはすごく肯定してくれていますね。なので、これからもポジティブに生きていこうと思っています!
坂東:環奈ちゃんは、本当にフランクで場の雰囲気を明るくしてくださる方。特に、今回はむさくるしい男子部活のなかで、マネージャーとして紅一点でしたが、男子たちは環奈ちゃんの存在にすごく救われていたなと思います。
坂東:いますごく思い出すのは、クランクインの日のこと。雪が降るくらい寒いところでの撮影だったんですが、ピチピチの衣装はほとんど裸みたいな薄さですし、汗として水を付けて自転車で走らなきゃいけなかったんです。寒さと緊張で体がカチカチでしたし、頭のなかはやらなきゃいけないことでいっぱいだったので、キツかったですね。それ以降は、「あのときよりキツイのはないだろう」と自分に言い聞かせることでなんとか乗り切れました。限界を超えながらの撮影だったので、楽な日はなかったと思います。
坂東:僕はシュタイナー教育という少し変わった学校に通っていたので、幼稚園から高校3年生までクラスメイトがほとんど変わらなくて、9人ほどの友だちとずっと一緒に過ごしていました。いまでもその仲間とはよく会いますが、もはや家族のような感じですね。なので、彼らと過ごした12年間すべてが青春だったと思います。
僕の人間性やポジティブさといったすべてがそこに繋がっているので、本当に青春の大事な時間だったなと。今回の作品でも、新しい役者仲間が増えましたが、仲間との絆の大切さや青春を改めて思い出させてもらいました。
坂東:ありがたいことにあまりかぶる役がないので、いまはどんな役でもやってみたいですね。やりたくない役はないというか、すべての役に対して興味しかないです。強いて言えば、今回の自転車のように技術が必要となるような役で、新たな挑戦に出会いたいなとは思います。
坂東:目指すところは高く持っていたいので、海外の国際映画祭に呼んでいただけるような日本を飛び出して活躍できる役者になりたいと思っています。そういう思いを持ってこの仕事を始めたところもありますから。ただ、僕はまだスタートラインにも立てていないと思うので、まずはスタートラインに立てるように日々努力して、お芝居と向き合っていきたいです。
坂東:最近、英語は本当に必要だと心の底から思っているので、勉強を始めました。特に、僕は生まれがニューヨークなので、全然話せないことが毎回恥ずかしいんですよね(笑)。でも、「それを見返してやる!」という気持ちでがんばります。
坂東:キャスト全員が全力で練習をして、全力で撮影に挑みました。この夏、一番熱い最高の青春映画になっていると思いますので、ぜひ劇場でご覧ください!(text:志村昌美/photo:小川拓洋)
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