1995年2月10日生まれ、福岡県出身。2018年にNHK連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインの親友役に抜てき。19年には『あなたの番です』ではサイコパスな役を演じ注目され、同年秋には「終わりのない」で初舞台を飾る。その他の出演作に映画『ハルカの陶』(19年)、『スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼』(20年)、『キスカム! ~COME ON,KiSS ME AGAiN!~』(20年)、『僕の好きな女の子』(20年)以外にもほか5作品が公開を控えている。
第2の蒼井優?「大女優になる」の監督コメントに喜び
映画『犬神家の一族』や『セーラー服と機関銃』をはじめ、1970年代から80年代にかけて一世を風靡(ふうび)した伝説的プロデューサー・角川春樹。御年78歳の彼が、前作から約10年ぶり、8本目の監督作にして、生涯最後の映画監督作だと語る『みをつくし料理帖』を完成させた。原作は、作家・高田郁(※)による累計発行部数400万部突破のベストセラー時代小説シリーズ。本作主人公の女料理人・澪を演じるのは注目の若手女優の松本穂香。澪の幼なじみで、吉原で頂点を極めるあさひ太夫を演じるのは、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』で注目を集めた女優の奈緒。不変の友情を育む姿が胸を熱くする。そこで今回は、本作で澪にとっては幼なじみでありながらも、吉原では頂点を極める幻の花魁(おいらん)を情感たっぷりに演じた奈緒に本作の裏側について話を聞いた。
奈緒:本を最初に読んだときに、純粋にすごくいいお話だなと思いました。女性同士の友情をまっすぐに描いた作品なんですが、自分自身、すごく好きな友情の描き方で。すごくいいお話なので、絶対にいい作品になるなと思ったのを覚えています。
奈緒:すごくキョトンとしながら帰ったのを覚えています。よろしくねって最後に言われたんですけど、最初にお話を聞かせていただいたときは、そこで決まると思っていなかったので。さっきよろしくと言われたけど、あれは役が決まったと考えてよろしいんでしょうかと、マネジャーさんとお話しながら帰って。しばらくは実感のない日々を過ごしてました。
奈緒:本当ですか? とても光栄なお話ですけど。でも、監督は「2年後に(松本)穂香と奈緒は大女優になる」と言ってくださって。そのようなことを言われたのは初めてだったので。何かひとつおまじないのようなものがかかったような気がしています。2年後、少しでも成長した姿を角川監督に見せたいなと思います。
奈緒:人から言われて初めて実感が湧くというか。本当にその時、今やっている役に毎回一生懸命なので。そこでいっぱいっぱいになってしまう、まだまだな自分がいるので。1年たって、2年たって、前の自分よりは、もしかしたら少しは成長できているのかなと感じる部分もありますけど、でもやっぱりもっと成長したいという、欲のようなものもまたどんどん出てきますし。今はたくさんこうやって、自分が思い描いた以上に、役をいただけたり、お仕事がある状況をすごく幸せに感じると同時に、ちゃんと応えていけたらと思っています。
奈緒:わたしもいろいろと角川春樹さんの伝説を聞いていましたし、自分の中では、幻のあさひ太夫と同じ、幻の存在のような方だったんですけど、実際にお会いしてみると、本当にお優しくて。愛の大きな方だなと、撮影の現場を通して思いました。すごく女優を丁寧に、大切に扱ってくださいますし、作品に対して絶対に妥協しない。作品に対してすごく強い気持ちもあって。そうした中でちゃんとお話を聞いてくださる、ふところの大きさと、やさしさをすごく感じながら撮影していました。
奈緒:ちょっと実際にメークをしたときも思ったんですけど、あの花魁(おいらん)のメークをして衣装を着ることで、ひとつ仮面をかぶっているような気持ちで撮影していたので。実際に画面を観ても、何か仮面をかぶったような、まるで自分じゃない人がそこにいるような感覚がありました。
奈緒:います。高校のときの親友が、今も東京に住んでいて、よく一緒に今でもご飯を食べたりとか、お互いの仕事の話をしたりするんですけど、その子の存在が支えでしたし、上京したときも、その子の家から近いという理由だけで、お家を決めたりとかして。すごく支えられていました。
奈緒:ありましたね。本当に友だちって不思議だなと思うんですけど、家族ともまた違う距離感なのに、でも確実にそこに愛情があったりとか。血がつながっていないのに信頼関係が築かれていて、支えられることがあって。家族とか、近しい人には、近すぎるからこそ見せたくない顔もあるんですけど、それが友達だと、自分の弱さとか、今、悩んでいることを、見せることができる。それを受け止めてもらえる存在にその友だちがなってくれていたなと。今もそうですしね。だからこの作品で描かれた友情については、すごく共感するところがありました。
松本穂香さんの積極性を見習っていきたいと思った
奈緒:そうなんですよ。ふたを開けてみると、実は同じシーンがそんなになかったんだなと。今、考えるとそう思うぐらい、撮影の期間は一緒にいましたね。私の部屋に松本さんが遊びに来てくださって。一緒に線香花火をして、お話をして、松本さんがそのまま寝ちゃったりとかして。そして次の日に現場でも一緒にいるんですよね。控室も一緒だったんで、控室でも一緒に話をしていましたし、同じシーンが少なかったとは思えないくらい、すごく濃い時間を一緒に過ごさせていただきました。
奈緒:そうですね。松本さんと一緒に食べていましたし、別々に食べた時も、「あれ、おいしかったよね」という話をしたりしていましたね。
奈緒:すごく楽しみでしたね。でもひとつだけ心残りがあって。松本さんが作った、手作りのクッキーがあったらしいんですけど、それを食べられなかったのが心残りでした。後から松本さんから「あれ、奈緒ちゃん食べてなかったっけ?」と言われて。でも食べた記憶がないので、悔しいなと思っていました(笑)。
奈緒:めちゃくちゃ面白い人だなと思っています。もちろん女優さんとしても、役者さんとしてもすごくまっすぐで、自分の絶対値を持っている方ですし、松本さん自身の、明るさだけではない魅力っていうのが、私はすごく松本さんの好きなところで。そこが同年代でもそんなにいない方だなと思いますし、何かずっと見ていたくなるような面白さがある方だなと思いますね。それは役者さんとしても、ひとりの人としても好きなところです。
奈緒:そうですね。刺激はずっと、ものすごくもらっていて。お芝居上でも、もちろんそうですし。私自身、今まで「もう1回やらせてください」ということを、ずっと言えなかったんですよ。言えずに後悔することもありましたし。でも、松本さんが、あるシーンで「もう1回やらしてください」とおっしゃってる姿を見たときに、何かすごく自分の中で動くものがあって。作品を良くしようとして言っている姿を見たときに、私も今から見習っていきたいなと思いました。
奈緒:この現場はもちろん監督が真ん中にいて、この映画は監督のものだという。みんなそういう気持ちでついていったと思うんですが、それでも自分の持ち場をすごく細やかに、より良いものにしようと。監督の要望に応えるだけではなくて、自分の持ち場をより良くしようっていう気持ちが、どのスタッフさんにもすごく強くあった現場だなと思っていたので、そこはものすごく学ばせていただきましたし、その姿を見て、自分が育てられているような気持ちになる現場でした。
奈緒:多かったですね。技術部さんとのコミュニケーションも結構多くて。そこからお芝居が作られていくこともあったので、みんなで一つのシーンを作り上げているっていう感覚がすごく強かった現場でした。
奈緒:そうですね。今後もまた絶対こういう現場に戻ってきたいって思いましたし、それは皆さんとまたもう1回、絶対に会えるように、これからもお仕事していきたいと思いました。今回、クランクアップしてから、この現場で学んだことを少しでも自分のものにして、成長した姿を見せられるようになりたいなと、すごく感じました。
(text:壬生智裕/photo:今井裕治)
※高田郁の「高」は旧字となります。
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