1964年9月2日生まれ、レバノン・ベイルート出身、カナダ育ち。『ビルとテッドの大冒険』(89年)の大ヒットがきっかけでブレイク。続く『ビルとテッドの地獄旅行』(91年)に出演したのち『マイ・プライベート・アイダホ』(91年)、『スピード』(94年)、『マトリックス』シリーズ(99、2003年)などのヒット作に立て続けに出演する。また、『キアヌ・リーブス ファイティング・タイガー』(13年)では主演のほか監督デビューを果たした。最近では『ジョン・ウィック』シリーズ(14、16、19年)が大ヒットを博す。現在は、『ジョン・ウィック4』、『マトリックス4』の公開が控えている。
『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』キアヌ・リーヴス×アレックス・ウィンター インタビュー
キアヌとアレックスのコンビが29年振りに復活!
この映画には、時代を超越したものを感じている
『スピード』『マトリックス』『ジョン・ウィック』といった大ヒット作で、ハリウッドのトップスターに上りつめたキアヌ・リーヴス。その原点とも言えるのが、伝説のコメディ『ビルとテッド』シリーズだ。当時まだ若手俳優だったキアヌはテッド役を演じ、ブレイクを果たした。
29年振りのシリーズ最新作『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』で共演するのは、『ビルとテッドの大冒険』(89)と『ビルとテッドの地獄旅行』(91)でもコンビを組んでいるビル役のアレックス・ウィンター。今回は、人類滅亡の危機を救うための曲を完成させようと奮闘する2人の姿が描かれている。そこで、キアヌとアレックスの2人に、作品が完成までの裏話などについて語ってもらった。
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キアヌ:もちろん! 子どももいて、それなりに人生経験を積んだはずだからね。
アレックス:僕らは賢くなったと思うよ、ちょっとだけね。
キアヌ:ただ、今回は「全人類を1つにする」例の曲を作ろうとして人生の苦難を抱えているんだ。ちょっとは弱っているけど、不屈の精神は健在だし、くたびれたオヤジじゃないよ。そして、まさにその不屈の精神を描いたのがこの作品。僕らの復活の様子を描いているんだ。再生については…。よく分からないけど、どう思う、アル(アレックスの愛称)?
アレックス:脚本家の全体的なコンセプトは、「25年後ぐらいに、あの若者たちはどこでどうしているのか? あの喜びに満ちた純粋な魂は健在なのか? どんな風になっているのか?」を描くことだから、それは的を射ていると思うよ。でも彼らはアニメのキャラクターじゃないし、人間だからね。時の流れが彼らをどう変えたか? どんな人間になっているのか? 沢山のコメディとペーソスの要素が、核となるアイデアに盛り込まれているんだ。
アレックス:脚本家のコンセプトをもとに、ずっと考えていたけど、考える時間が長くなればなるほど面白くなるよね。
キアヌ:確かに今の段階でも、ビルとテッドの物語は最高に面白いよ。
アレックス:その通り!(笑) それと今回の作品には、驚かされっぱなしだった。『ビルとテッド』シリーズではあるんだけど、まったく新しい作品でもあるからね。
キアヌ:ビルとテッドの基本的な関係に、僕はすぐ戻れたよ。彼らの関係は何にも変わってなかったし、アレックスとの共演ということで常に身近にキャラクターを感じていたからね。ただ、今はどの時代にいることになっているのかって考えるのは大変だった。
逆にこれまでのシリーズでは彼らには音楽で世界を1つにするという課題に失敗することに対して、「今、彼はどんな気持ちかな? どういうのが彼らしいかな?」とか、そういったことを考えていたから。だけど今回は前より「今、こいつどこにいるんだっけ?」みたいな感じだったかな。アレックスや脚本家とスクリプトをもとに話し合ってはいたんだけど、そこは監督のディーン・パリソットと実際に撮影に入ってから話していったよ。
アレックス:まず役柄の服を検討することから入ったよ。そうすることで、文字通り、ビルに戻れたし、前の時はどうだったかを思い出せた。ビルとテッドは常に対照的だったとか。キアヌ、君の考えでは、テッドは体重が増え、曲を作るという試練が肩に重くのしかかっているってことだったんだよね。僕の考えでは、まだビルにその重荷を感じてほしくなかったけど(笑)。
彼には無邪気に日々の暮らしをするなかで、そのヒントを見落としたのではないかという思いを持ち続けているという状態にしたかった。キアヌと僕は準備の段階で話し合っていて、その後にスクリプトの通し稽古でやったんだけど、それが役作りにつながっているんだ。ビルは前向きな無邪気さで世界を捉えようとしているから、彼を演じるのはめちゃくちゃ楽しかったよ。僕とはまったく正反対だからね(笑)。ただ、彼も途中で本性を表すんだけど、演じていてそこはおもしろかったところかな。
アレックス:僕らが彼の作品が全部好きだったのと、彼が『ギャラクシー・クエスト』を成功させていたからだよ。あれは監督による絶妙なトーンの調整で成功した作品の1つだからね。『ビルとテッド』シリーズは、常に作品の独特なトーンをコントロールすることが重要で、それがちょっとでもズレると、ダメになってしまう。だから僕らにとって、そういった鋭い感覚があって、人間らしさのある監督に引き受けてもらうことが、とても重要だったんだ。
この作品のキャラクターの性格はどれも誇張されているけど、それでもみんな地に足がついる人物として僕らは作ってきた。そしてディーンは監督の視点で、それを見事に描いてくれたと思うよ。この映画の世界をリアルに感じさせ、それをコントロールできる人なんだ。
キアヌ:彼はセンスや先を読む力だけでなく、才能がある監督だよね。しかも、何が面白くて、何が面白くないかという笑いの感覚も心得ている。それに何よりも経験豊富で人間ができていて、繊細で芯が強くて知性もあるんだ。そういったすべてを兼ね備えているから、監督としても人間としてもすばらしいんだと思うよ。
キアヌ:この映画には時代を超越したものを感じるんだけど、いつの時代もああいう風に1つになるっていうのは、ちょっといいんじゃないって思う。いわゆる “古きよき時代”と言われる時代でもね。
アレックス:1630年代のね。
キアヌ:願わくば、みんながこの物語に好意的な反応をしてくれて、映画を楽しんでほしいね。“全人類の心が一つになる”という映画で描かれるテーマは、まさに今僕らに必要なことだから。
アレックス:良いものを届けるという責任は、最初から感じていたと思う。何年も前からね。キアヌと僕、そして脚本のクリス・マシスンとエド・ソロモンの4人は、本当に素晴らしいものでない限り、着手する理由はないと思っていた。そしてディーンも同じ考えで、「やるとなったら、精いっぱいやろう。やっつけで作るのはよそう、斜に構えるのもやめよう」という感じだったよ。
僕の考えでは、自分の期待どおりにやる唯一の方法は、定石通り一生懸命やること。100パーセントの力で臨むことだ。僕らは心血を注ぎこんでそれを成し遂げた。だから本当に満足しているし、みんなを誇りに思っているよ。
キアヌ:僕らはちゃんとした理由がなければ続編は作らないと決めていたし、やるとなったら “なぜ”に答えなければならなかった。その理由がこのスクリプトだったけれど、すばらしい物語だったと思うよ。
キアヌ:今回、彼らは全人類を救おうとしている。本当なんだよ!(笑) これは前作で展開したことが今回続いていると思うんだ。『ビルとテッドの地獄旅行』では、悪魔のビルとテッド、死んだビルとテッドが登場したけど、今回は4パターンのビルとテッドが登場する。だからこの2人のキャラクターの冒険の旅は、飛躍的な展開を見せるんだ。
アレックス:よく練られた脚本だよね。今回は他の作品より大作にしようとは思っていないが、今回の物語を考えついた当初から、脚本家にはそれぞれのキャラクターの感情をより深く掘り下げたいという狙いがあった。僕らも年を取ったし、それなりにリスクも高いけど、今できることではあるんだ。使命遂行までの時刻を刻む時計のことを忘れて、娘たちとの関係、妻たちとの関係、僕ら2人の関係もあるし、「人生とは?」というみんなの考えがセリフに反映されているよね。
アレックス:そう! あの時のベイビーたちは女の子だった。でも正直、あの時は誰もそこまで考えていなかった。だって続編を作るとは思っていなかったからね。『スター・ウォーズ』じゃないんだから、綿密な計画なんか立てていなかったんだよ(笑)。
キアヌ:(笑)。まあ、そんなところだね。
アレックス:違うよ! 一連のことはエンドクレジットを制作した会社がやったんだ(笑)。あれが付け加えられているなんて、映画を見るまで誰も知らなかったからね。
キアヌ:2人ともとても頭がいいから、彼女たちが考えたアイデアやもともとの資質、声、動きといったものが決め手になったんだ。2人の関係性だけでなく、僕らとの関係も自分たちで作り上げたキャラクターの方向でやっていたんだよ。すべてにおいてスマートだし、リアルで力強さもあった。彼女たちはビルとテッドの精神を受け継いでいて、それをさらに自分たちのものにしているから、それを見るのはすごく嬉しかったね。
アレックス:彼女たちは、親のキャラクターを受け継がないで役作りしたかったようだけど、それは簡単なことじゃないよね。僕は全く僕らに似せないようにするか、全く同じようにするかどちらかだろうと思っていたのに、彼女たちはとても賢くとても効果的に、そのどちらでもないことをしていて感動したよ。自分たちのキャラクターを見出して、その中に僕らの要素も入れるというね。すばらしかったよ。
キアヌ:あと、彼女たちの衣装が本当によかったんだ。そうだろ、アル? 全体の雰囲気を受け継いだものだ。彼女たちは衣装担当のジェニファー(・スターズィック)と監督と相談していたけど、衣装はファンタスティックだったよ。ビルとテッドと同じように、彼女たちまたも独自のスタイルを打ち出しているんだ。
アレックス:そうなんだ。ジェニファーの仕事は見事だった。彼女を衣装担当に迎え入れることができて、僕らはラッキーだったよ。この映画には幅広い衣装が必要だったからね。でも、彼女は全てをうまくこなしてくれたんだ。
お互いに対して寛大で冷静で、兄弟のような関係性
キアヌ:アレックス、間違っていたら訂正してくれよ。僕らは衣装合わせまで会うことはなかったと記憶してるんだけど。合ってる?
アレックス:うわ、ちょっと考えさせてくれ。役に決まった時、制作会社の待合室でミーティングしたんだけど、オーディションが終わって次に会ったのはその時じゃないかな。
キアヌ:おそらく僕なんかに聞くより、プロデューサーのスコット・クルーフやクリス・マシスンやエド・ソロモンや1作目の監督のスティーブン・へレクたちの方がいいんじゃない?
アレックス:そうだね。僕らは制作に関わってなかったし、ただのがさつな若手俳優だったからね(笑)。僕は何が始まるかも分かってなかったし、キアヌもそうじゃなかったのかな?
キアヌ:その通りだよ。
アレックス:振り返ってみると、(法的な)争いとか、いろいろなことを聞いてはいたけど、何がどうなっているか知らなかった。お蔵入りしたという話も聞いていたから公開されたときは本当に嬉しかったし、最高の気分だった。でも紆余曲折あったこととかは、僕たちは何も知らなかったんだ。
キアヌ:すごくクールなことだよね。
アレックス:世代交代は面白いよね。昔、俳優のアラン・リックマンと一緒に道を歩いていた時のエピソードなんだけど、ファンの人が僕らのところに来て、その後アランにこう言われたんだ。『君はテロリストのハンス・グルーバーでなく、ビル役として知られていてラッキーだよ。僕なんて、人が寄ってきて唾を顔に吹きかけられるんだから。君の場合は寄ってきたら、どんなに君のことが大好きか言ってきてくれるだろ』ってね。たしかにすごく有り難いことだよ。
アレックス:優しい人だったよ。僕は最初の映画で、スターである彼に会って感動したんだ。あの役ができる人はそういないから、彼に出演してもらって幸運だったよ。彼は非常に温和な人だったけど、政治の話をして憤慨した時なんかは、イライラしていたこともあったかな。でも、熱くて、心が広くて温かい人だった。
キアヌ:僕もアレックスと同じで、彼と会った時にはそのスター性に魅せられたんだ。僕は十代の頃、彼の地元の図書館で、ジョージ・カーリンのコメディ・アルバムを聴いていたんだけど、それからずっと彼の出演したテレビを見ていた。だから彼に会った時、僕の人生で最大の事件だったよ。「ここで何なさっているんですか」って感じで(笑)。
アレックス:僕もそうだったよ!
キアヌ:(笑)。彼は「はじめまして」って感じだったけど、僕にしてみれば「すげえ、ジョージ・カーリンだ!」って。自分のスーパーヒーローに会って、一緒に時を過ごすなんて、若い俳優にとっては、本当にすごいことだったよ。彼は決して奇をてらったことはせずに、つねに真摯。彼のようなプロの俳優と仕事をするのは、すばらしい経験だった。しっかり基礎を学んでいて、それでいて愉快な人で、僕らにいろんな話をしてくれたよ。
キアヌ:アレックスと僕が言い合いをしたことなんてないと思うよ。
アレックス:僕らが意見の相違があったことなんてあるのかな、覚えてないな。兄弟みたいな関係だからね。兄弟でもケンカはするけど、僕らの場合は、常に相手に対してすごく寛大で、常に平静なんだ。
アレックス:まだ人類を救う曲が作れていないという現実を突きつけられたビルとテッドが77分というリミットを与えられる。それができなきゃ世界が崩壊するんだ。この映画はビルとテッドが、この世界の救世主の役割を持つ自分たちだけでなく、人生の今の時点の自分たちを受け入れるという映画なんだ。
キアヌ:(笑)。家族全員で見ることができるハートウォーミング・コメディだよ。
アレックス:キアヌのコメントを使って! 彼の言ったことの方が、ずっといいから!
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