1986年10月8日生まれ。愛知県出身。舞台「ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン」(11年)などに出演。『娼年』(18年)で注目される。近年は『今日から俺は!!』(18年)、『地獄のガールフレンド』(19年)、舞台「星の大地に降る涙 THE MUSICAL」(20年)などに出演。
『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』竹財輝之助×猪塚健太インタビュー
BLコミックを実写化して大ヒットした話題作で共演!
人間が人間を愛することに変わりはない(竹財)
フジテレビが運営する動画配信サービスFODで最速100万回再生を突破し、2018年8月から地上波放送もされた丸木戸マキ原作のBLコミックをドラマ化した『ポルノグラファー』シリーズ。丸木戸マキ原作の同名BLコミックの実写化で、官能的なシーンも果敢に挑み、SNSを中心に大きな話題となった。過去編となる「インディゴの気分」もドラマシリーズ化されて2019年2月から放送され、好評を博した。
このたび、後日談である続編の「續・ポルノグラファー プレイバック」が『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』 として、映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』などヒット作を手掛ける三木康一郎監督により映画化され、2021年2月26日より公開される。
官能小説の「口述代筆」という奇妙な出逢いをへて恋人になった、ポルノ作家の木島理生と大学生・久住春彦。木島が田舎へ里帰りしてからも文通で遠距離恋愛を続けていた二人だったが、木島は就職したての久住とすれ違ってしまう…。こじらせ作家の人生と愛をめぐる物語が展開する。
メインキャストである官能小説家の木島理生を演じた竹財輝之助、相手役の相手役の久住春彦を演じた猪塚健太に話を聞いた。シリーズ完結編にして3作目だけあって、役柄への愛着やここまできた感慨深い思いを語る彼らからお互いへのリスペクトが感じられた。
・竹財輝之助&猪塚健太インタビューのきれいめ写真はこちら
・撮影現場を見て、やり過ぎじゃないかな、と心配に…/丸木戸マキ インタビュー
猪塚:はい、とっても嬉しいです。ドラマをやっているときには思ってもみませんでした。みなさんに大きな作品にしてもらったなと思います。
竹財:僕もびっくりですね。ドラマをやっているときには、ここまで漕ぎ着けるとは思いませんでした。
竹財:抵抗はなかったのですが、僕は自分の経験から役を作っていくので、経験したことがない役を演じるという意味で不安はありましたね。でも、男性同士というだけで、人間が人間を愛することに変わりはないし、三木さん(監督)とやれるなら面白いものができるだろうと思って話をお受けしました。
猪塚:僕は脚本を読んで、BLというより人と人が恋するラブストーリーとして魅力を感じました。
竹財:丸木戸先生の原作は余白がありました。行間というか、とても文学的な感じがして。だから僕はひとつひとつ想像しながら読み進めました。
猪塚:僕はいわゆる「BL」というものを初めて読んだのですが、想像していたものから印象が変わりましたね。ポルノ作家が手を怪我して大学生に代筆させるって、何それ?面白い!って純粋に楽しんで読みました。全然知らない世界だったので、もっと扇情的な内容かと思ってたんですが、普通のラブストーリーでその先にキスや行為があって。人間同士の恋が描かれてました。
竹財:僕はもっとえげつない内容の同人誌というものを何作か読んだことがあったのですが、この『ポルノグラファー』の原作はそういったシーンの表現も綺麗だし、話の設定も面白いと思いました。BLの入門としてもいいんじゃないでしょうか。絡みシーンばかりじゃないんだって。そう思っている人が多いと思うので。
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猪塚:僕は舞台・映画『娼年』に出演したときに、自分の欲望に正直になったら性別なんて関係ないという役を演じたこともあったので、今回も性別がどうということではなく「この人が好き」という素直な気持ちを大切に役に取り組みました。
竹財:周りに同性愛の方もいるけど、そのことについて詳しく話したことはないし、少し不安はありましたけど、やってみると、好きになった人が同性だったというだけで何も難しいことはなかったです。
キスシーンも、どこまでやっていいかわからなかった(猪塚)
竹財:理生はこじらせ過ぎでしょ(笑)。春彦と気持ちが通じあったからこそ甘えてるというのもあると思います。調子に乗っちゃったんですよ。
猪塚:春彦としては好きな気持ちが大きくなっていってるけど、理生さんがどう思っているかわからなくて不安なんですよね。
竹財:理生はちょっと特殊なキャラクターだよね。演じていて楽しいけど…… どういう人なんだろう? いまだにわからないところがあります。繊細で変にプライド高くて人との交流を閉ざしてきて。よく言えば純粋で子どもみたいで、面白い人ですね。
猪塚:竹財さんは全然似てないです(笑)。はっきりと物を言ってくれるし、包容力もあるし、理生とは真逆ですね。でも、似てないからこそ、演じているときには竹財さんじゃなく、理生さんだって思えました。
竹財:猪塚くんは春彦にちょっと似てるんだよね、子犬みたいなところが(笑)へつらったりするわけじゃなく、先輩を敬ってくれる。最初の頃、僕が帰るまで帰らなくて。自分の撮影は終わってるのに。
猪塚:いや、見ていたくて。少しでも何かつかみたい、現場の雰囲気を味わっておきたいと思って。
竹財:こんな殊勝な役者見たことないですよ。
猪塚:竹財さんは本当に涙が綺麗なんです! ここしかないってタイミングでスッと流れるし。今回の映画版で、「重力に従って(涙を)流すとカメラに写らないんですよね」って監督が言うと、竹財さんがわかりましたって言って、カメラに写るように涙を流したんですよ! この人ヤベーなって……。
竹財:気合いですね(笑)。
猪塚:おかげで脚本通りに僕が涙を拭くこともできました。
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竹財:猪塚くんは待つことができる。なかなか待ったり、受けたりする側は難しくて、すぐ動いたり目線をそらしたくなったりするもんなので、待てる役者さんってなかなかいないんですよ。
猪塚:(春彦として)単純に理生さんの動向を見てたんです。本当に不思議な人で何をするかわからない人だから。
猪塚:最初はめちゃめちゃ緊張しましたね。キスシーンひとつ取っても、どこまでやっていいかわからないし。そういう意味での緊張はもうないですけど、映画版でもどの程度がいいのか難しかったですね。
竹財:距離感が難しかったね、久しぶりだったし。
猪塚:映画版のクランクインして始めの頃に絡みのシーンを撮ったんですよ。そうしたら監督から「なんか2人、距離があるんだよなぁ」って。それ言われたときに、ヨシ!ってスイッチが入りましたね。
竹財:一段上がったね(笑)。
竹財:愛着ありますねぇ。
猪塚:愛着はめちゃめちゃあります。映画版の原作コミックを読んでいるとき、実写化するって決まっていないのに、春彦として読んでましたもん。
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猪塚:結局またぶつかって、ケンカして、でも離れなくて。一緒にいるんだけれど、すんなり上手くはいかなくて。
竹財:理生が素直になれずケンカを繰り返してるんじゃないかな。ずっと変わらない関係でいると思いますよ。
(text:牧島史佳/photo:谷岡康則)
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