1970年9月1日生まれ、チェコスロバキア(現・スロバキア)のパルチザンスケ出身。スロバキア・ブラチスラバの舞台芸術アカデミーで演技と映画監督の両方を学び、99年に卒業。俳優としてキャリアをスタートする。短編映画を監督して注目を集め、08年からはTVドラマの監督も務めるなど、幅広いキャリアを積み重ねてきた。11年に、ラブロマンス『Marhul'ový ostrov』で長編デビュー。その後も様々なジャンルの作品に取り組み、ホラー映画 『Zlo』(12年)、心理サスペンス『The Cleaner』(15年)を発表。『THE LINE』(17年)ではクライムスリラーに挑戦し、アカデミー賞外国語映画賞(現・国際長編映画賞)のスロバキア代表に選出されたほか、カルロヴィヴァリ映画祭で監督賞を受賞した。19年のスリラー『Trhlina(The Rift)』が、スロバキアでヒット。テレビでは、『Spravedlnost (JUSTICE)』(17年)でチェコ・ライオン賞を獲得し、ベン・ アフレックの製作会社パール・ストリート・フィルムズに売却された。本作『アウシュヴィッツ・レポート』で再度、アカデミー賞国際長編映画賞のスロバキア代表に選出された。新作に、21年公開予定のスリラー『Stínohr』がある。
『アウシュヴィッツ・レポート』ペテル・ベブヤク監督インタビュー
強制収容所の脱走者2人によるレポートが12万人もの命を救った、知られざる実話
私たちは人類の過去の失敗を振り返る必要がある
アカデミー賞国際長編映画賞・スロバキア代表に選ばれた映画『アウシュヴィッツ・レポート』が、7月30日より公開される。
1944年4月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。遺体の記録係をしているスロバキア人のアルフレートは、日々多くの人々が殺される悲惨な実態を外部に伝えるため、同じスロバキア人のヴァルターとともに脱走をはかる。残された囚人たちの想いを背負い、なんとか収容所の外に脱走、赤十字によって救出された2人は、職員にアウシュヴィッツの虐殺の証拠と信じられない実態を告白しはじめる。果たして、彼らの訴えは世界に届くのか──。
過激派やファシスト思考が勢いを増す現状に危機感を抱き、本作を監督したペテル・ベブヤクにその思いを聞いた。
監督:世界には“英雄”が必要だからです。何千人もの人々を救うために自分の命を危険にさらした、実在の人々の話を見る必要があります。そのような人々のおかげで、世界がより良い場所になることを願っています。
監督:人々の痛みを呼び起こすことはできません。彼らが経験した本当の痛み、恐怖、苦悩すべてを捉えることは決してできないでしょう。私たちにできるのは、それらを想像してみることだけです。この作品で最も伝えたいことは「同じ過ちが繰り返されることは絶対に許されない」ということです。
監督:収容所のシーンです。なぜなら、アウシュヴィッツの囚人が耐えなければならなかった苦しみを痛感したからです。彼らの収容生活の中で、“死”は絶対に消すことができない存在です。
監督:欲求不満や恐怖、不安といったものが、過激主義が生まれる土壌にあると思います。特に私たちは今、20世紀とは対照的に平和な時代に生きていて、大切な人の命が日常的に危険にさらされるかもしれないこと、自分の民族や宗教的信念、さらには性的指向を隠さなければいけない不安を忘れてしまっているのです。迫害されるということはどういうことなのかを忘れてしまいました。だからこそ、私たちは人類の過去の失敗を振り返る必要があるのです。
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