映画におけるアクションの役割という深い話も!
『THE BATMAN-ザ・ バットマン-』が大ヒット上映中。この度、キャラクターの心情とアクションを連結させることに重きを置き、“人間ドラマ”を軸に心震える作品を世に送り出してきたマット・リーヴス監督と『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督の超豪華対談が実現した。
・吹替声優・櫻井孝宏&ファイルーズあい、激しい息遣いが感じられるファイトシーン/映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』吹替版映像
大友の「今回のバットマンは、まだ精神的に余裕がなく未成熟ですよね。この設定はどうやって生まれたのでしょう?」という質問にリーヴスは「今回、バットマンの最初の数年に焦点を当てたのは、キャリアの初期に話を設定することで、彼の覚醒や変化を描けると考えたからです。本作品の時点ではブルースを突き動かしているのは自分の中の復讐心であり、彼は自らが個人的な感情に支配されていることをまだ理解していない。その分、リドラーとの戦いの中で己を知り、成長していく道のりをエモーショナルに描けるのです。バットマンはバットマンでも、人間的な短所もあるキャラクターとして描きたいと思いました。そういったアイデアを、アクションにも反映させましたね」と明確な回答。
大友が「マット監督は、映画におけるアクションの役割を非常に大切にしていていると感じました」と絶賛すれば、リーヴスは「ありがとうございます。今回でいえば、全てのアクションはブルース/バットマンの個人的な感情──復讐心に起因していなければならないと考えました。ブルースは“自分は物事を正そうとしている”と思っていますが、その一方で父母が殺された復讐心に取りつかれている。闇の中から現れてごろつきと戦うシーンも、バットモービルのカー・チェイスも、彼の執念や怒りの延長線上にあるものでなければならなかったのです。象徴的なのは、ウィング・スーツで飛ぶシーン。ブルースはうまく着地できず、地面に叩きつけられて苦しみますよね。ただ、彼はあの痛みを耐え抜く。それこそがブルースのただひとつのスーパー・パワーです。この使命のためには何だって耐えてやるという、彼の強い意志ですね。ブルースが自殺行為に近いバットマンの活動に身を投じるのは、それだけ自分の人生に意味を見出したいと思っているから。だからこそ、この映画では彼がどれだけ戦えるのかを見せるだけではなく、どこまでダメージを受けられるのか、というのも見せたかった」と熱い思いを述べた。
大友が「復讐心のお話がありましたが、バットマン自身がヴィランであってもおかしくないのですよね。バットマンと敵対するリドラーには相似性があって、どちらも社会を憎んでいる。その構造が実に現代的で、面白かったです」と言えば、リーヴスは「リドラーは連続殺人犯でありながら、ゴッサムの不正を暴こうとする政治的扇動者でもある。一方バットマンは、 自分には越えない一線があると思いたがっていますが、法を自らの手に委ねて他者を裁いている。自分が一線をいつ越えてもおかしくない危うさに気づいていないバットマンと、気づいたうえで躊躇なく踏み越えるリドラー。そんな2人を合わせ鏡のように描いたら面白いと考えました」と納得の答えで対談が終了した。
映画『THE BATMAN-ザ・ バットマン-』は、公開中。
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