阿部寛と北村匠海が共演、父子の不滅の絆を描く“家族の物語”『とんび』が現在公開中。今回、本編映像が公開された。
・阿部寛、杏、北村匠海…家族三世代が笑顔で大集合! 『とんび』家族写真
「たえ子さんと娘さんとの再会のシーンは号泣した」と絶賛される名シーン
今月8日に公開を迎えた本作品だが、早速劇場を訪れた人たちからは「今年で一番泣いた」「会場が感動と共感に包まれていた」「不器用なお父さんの姿に涙が止まらなかった」との声が上がり、各レビューサイトでも続々と高評価が寄せられている。
阿部寛演じるヤスと、北村匠海演じる息子のアキラ。“父と息子”の親子愛を描いた本作品だが、実はもう一つ、“母と娘”の物語も描かれている。小料理屋「夕なぎ」の女将・たえ子(薬師丸ひろ子)とその娘・泰子(木竜麻生)の物語だ。
小料理屋の女将・たえ子は、農家に嫁いで2年目に生まれた娘・泰子がいた。しかし、生まれた子が男の子でなかったことから、嫁ぎ先の家族から心無い言葉を浴びせられてしまい、たえ子は娘を置いて逃げてしまった。そのまま生き別れた2人だったが、泰子は縁談が決まり、母に会うために夕なぎを訪れたのだ。
ヤスに連れられて、暖簾をくぐった泰子。たえ子は「いらっしゃーい……」と迎え入れるも、途端に娘に気づき、目もくれない。お茶を注文した泰子に対し、たえ子は、「飲み屋にきたらお酒飲みんさい。郷に入れば郷に従え、言うでしょう」とよそよそしく振る舞う。
娘を捨ててしまった自責の念から、愛娘との再会にもうまく感情が現わせず、冷たく接してしまうたえ子。さらには、「商売を続けるコツ、一番は忘れること。済んだことをいちいち覚えとったら、やっていけんもんな。うちなんかなーんも覚えとらん」「一日一日育てていくんが、どげーに大変なことか、いつか娘さんにも言うてあげんさいよ」と、他の客と話すときにも、思ってもないことを次々に口にしてしまう。
痺れを切らした照雲(安田顕)が、「たえ子さん、そのお嬢さんになんか食べさせてあげんさいよ。『夕なぎ』の料理は全部、お袋さんの味じゃがな」と、たえ子に伝えると、重い腰をあげて料理を作り出す。泰子に振る舞った料理は、婚礼のお祝いに使われるというハマグリの吸い物。
不器用ながらも真っ直ぐ、料理で思いを伝えたたえ子が「おいしい?」と聞くと、「おいしいです」と答える泰子。そして顔を見つめ合うと、互いに我慢していた気持ちが溢れ出し、どちらともなく涙が零れ落ちてしまう……。
劇場に足を運んだ人からも、「たえ子さんと娘さんとの再会のシーンは号泣した」「薬師丸ひろ子さんの表情の演技にグッときました」と、母娘の関係性や薬師丸の演技が多くの人の胸を打ったようだ。
会っていない母娘の時間、お互いの思いを感じさせる名シーンの本編映像。すでに映画を見にいった人もそうでない人も、ぜひ味わってみてはいかがだろうか。
『とんび』は4月8日より全国公開。
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