『万引き家族』(18年)と『ドライブ・マイ・カー』(21年)のスタッフが贈る、国境を越える感動作『マイスモールランド』が5月6日より全国公開される。今回、15秒予告とメイキング映像が公開された。
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過酷な状況でも今を生きる姿に「⻘春のきらめきは境遇の苦さに勝る」
本作は、是枝裕和監督が率いる「分福」気鋭の新人監督・川和田恵真監督による商業映画デビュー作。日本に住む難⺠申請中のクルド人の家族に告げられた、過酷な現実。在留資格を失い、普通の高校生としての日常が奪われてしまった17歳の主人公サーリャが、理不尽な社会と向き合いながら、自分の居場所を探し、成⻑していく物語が描かれる。本年度のベルリン国際映画祭では、アムネスティ国際映画賞“特別表彰”に輝いた注目の作品だ。
今回、15秒予告―⻘春編―とメイキング映像が公開された。15秒予告は、サーリャと聡太の2人が少しずつ心を寄せていく様子が伝わるものになっており、メイキングでは、雨のシーンのために散水を準備するスタッフと一緒におどけるオフショットが。自ら雨の中に身を委ね、くるくる回りながら満開の笑顔を見せる素顔の2人は劇中の姿ともリンクする、“青春のきらめき”を映し出した映像となっている。
さらに、各界の著名人から本作に寄せられたコメントも到着。歌手・俳優の武田鉄矢は「『国籍』『⺠族』という重い言葉を背負い、クルドの少女は懸命に生き、希望を探します。ラストシーンは静かで美しい。世界で国を失った人たちへの希望の伝言になるでしょう」とコメント。
映画監督の⻄川美和は「みずみずしい恋の風景がある。しかしみずみずしい恋だけでは、何も解決し得ない。異邦の少女に惹かれるこの国の心優しい少年は、哀れなほど無力だ。少年の無力は私の無力であり、この映画の中で最も重たい問いかけなのではないかと思う」。
俳優の石橋静河は「もし私の横に彼女がいても、お金を渡したり、ご飯を作ってあげることしかできないだろう。そう思うととても情けない気持ちになった。でも、スクリーンの中の彼女と共に心の底から絶望し、涙することは自分の中に無意識に存在させている『差別』を見つける第一歩だと思った」とコメントを寄せた。
そして、漫画家の今日マチ子は「自由な高校生活から、数々の制限をかけられた生活へ。『ごく普通』が豹変する様子は日本における難⺠問題を知る一助になるだろう。それでも友情や進路問題、恋がある。⻘春のきらめきは境遇の苦さに勝るのだ」とコメントし同時にイラストを書き下ろした。
書き下ろしたイラストは、クルドの⺠族衣装をまとったサーリャと、日本の高校の制服を着たサーリャ、2人のサーリャが背中合わせに立つ姿を描いたもの。幼い頃から育った愛着のある「日本」と「クルド人」としてのアイデンティに葛藤するサーリャの心情が表現されている。
『マイスモールランド』は5月6日より全国公開。
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