60年代から70年代にかけて多くのミュージシャンが暮らし、数々の名曲を生み出したウェストコースト・ロックの聖地、ローレル・キャニオンを巡るドキュメンタリー『エコー・イン・ザ・キャニオン』が、5月27日より全国順次公開される。今回、本編映像が公開された。
・「天国、恋に落ちた」ザ・ビートルズ、エリック・クラプトンを虜にした“ウェストコースト・ロックの聖地”をめぐる
ブライアン・ウィルソンらが影響を受けた音楽について語る本編映像公開
ハリウッドのナイトクラブ街から車で5分の場所に位置するローレル・キャニオン。そこは60年代から70年代にかけて数々のミュージシャンが暮らし、互いに刺激を与え合い、ウェストコースト・ロックというジャンルを作り上げた伝説の場所。
ジェイコブ・ディラン(ボブ・ディランの息子)がホストとなり、リンゴ・スター(ザ・ビートルズ)、ブライアン・ウィルソン(ザ・ビーチ・ボーイズ)、エリック・クラプトン、ジャクソン・ブラウンなど超大物ミュージシャンたちへインタビューを行い、当時の音楽に影響を受けたベックやノラ・ジョーンズなど次世代のミュージシャンらと共に数々の名曲を現代に蘇らせていく——。
今回公開されたのは、当時のミュージシャンたちがいかに刺激を与え合い、相乗効果を生んでいたかを語る映像だ。ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンは「ビートルズは好きなグループだった」とした上で、彼らの「ラバー・ソウル」に圧倒されて自身のアルバム「ペット・サウンズ」を書いたと語った。
さらにエリック・クラプトンは「ビーチ・ボーイズはクリームにとって哲学的に最も影響を受けたバンドだ『ペット・サウンズ』には特にね」と明かし、アメリカ西海岸とイギリスという海を超えたそれぞれの音楽シーンで互いに影響を与え合っていたことがわかる。
ママス・アンド・パパスやキャロル・キングを手掛けた名プロデューサーのルー・アドラーは「ペット・サウンズ」をローリング・ストーンズのプロデューサー、アンドリュー・オールダムやビートルズのポール・マッカートニーに聴かせ、ブライアンの曲作りをどう参考にできるか考えた結果、ビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が生まれたと語る。
ウェストコースト・ロックを代表するバンド、CSN&Yのグラハム・ナッシュとスティーヴン・スティルスは「ペット・サウンズ」と「サージェント・ペパーズ」は傑作であり、聴くだけでその相互作用が分かると断言。60〜70年代のローレル・キャニオンという渓谷で、ミュージシャンたちのインスピレーションがまさに“エコー”のように反響し合っていた様子が明らかとなった。
映画本編ではその他にも、トム・ペティ、ジャクソン・ブラウン、デヴィッド・クロスビーなど大物ミュージシャンが続々登場し、当時の音楽シーンや名曲誕生の背景を振り返っている。
『エコー・イン・ザ・キャニオン』は5月27日より全国順次公開。
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