絶望が生んだ破壊衝動…あまりに残酷な青春物語に監督が漏らした一言とは?
#イギー・ポップ#グレイト・ホワイト#ザ・クランプス#チャーリー・シーン#ブロークン・ジェネレーション#マックスウェル・コールフィールド
ハリウッドへ現実逃避の旅に出た青年たちが犯罪と殺人に手を染めるまで
ペネロープ・スフィーリス監督が絶望的な青春を描いた衝撃作『ブロークン・ジェネレーション』(85年)が、8月19日よりデジタル・ニューマスターで日本初のロードショー公開となる。これに先駆けて本作の日本版予告編が解禁された。
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とある小さな田舎町。高校卒業を迎えた2人の青年たちは、工場で働く退屈な日々を目前に控え、衝動的にハリウッドへ現実逃避の旅に出る。未来への夢や希望はない。心、友情が次第に引き裂かれていくなか、2人は犯罪と殺人に手を染め追い詰められていく…。
パンク・ドキュメンタリー映画の最高峰といわれる『ザ・デクライン』(81年)でアメリカン・パンクの生態を捉え、『反逆のパンク・ロック』(84年)で社会から排除された孤児たちの儚い日常を切り取り、『ウェインズ・ワールド』(92年)で興行収入1億ドル突破したペネロープ・スフィーリス監督。彼が実在の連続殺人鬼の記事を目にしたことを動機に、不安定な若者の苦い青春像を描き出したのが本作である。
大人になることへの不安と殺人鬼の心理を描いた本作は、ジョナサン・カプラン監督『レベルポイント』(78年)やテレンス・マリック監督『地獄の逃避行』(73年)と比較され、あからさまな共感を求めない淡々と絶望を綴る演出で高く評価された。
主演は『プラトーン』(86年)『ウォール街』(87年)でスター街道を突き進むこととなるチャーリー・シーンと、主演作『グリース2』(82年)の大コケで干され気味だったマックスウェル・コールフィールド。主演2人の鬼気迫る演技と、ドキュメンタリー映画出身の監督ならではのリアルな描写と設定は、フィクションという枠を超えて人間の抱える本物の恐ろしさに満ちている。
監督は近年のインタビューにおいて本作の暴力描写を悔いており、本作を作らなければよかったとまで語っている。チャーリー・シーンの父マーティン・シーンは、本作の試写で途中退席したという。劇中にフィーチャーされた音楽はコード・ブルー、ザ・クランプス、グレイト・ホワイト、イギー・ポップなど。
解禁された日本版予告編では、どこにでもいる若もの2人が希望を求め、田舎町からLAを目指す。だが、80年代LAの街並み、夜景は、その危険性とともに彼らを少しずつ蝕み、うちに秘める何かを狂暴化させていく。
また、冒頭は「この映画を撮ったことを、後悔している」という、監督の衝撃的な言葉から始まる。実際スフィーリス監督は海外メディアの取材に対し、本作の暴力性を悔いていることを常に語っており、今現在ならば撮っていないだろうと話している。
『ブロークン・ジェネレーション』は8月19日より全国順次公開される。
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