TBSテレビに在籍し、JNN中東支局長として現在ロンドンを拠点に世界中を飛び回る特派員・須賀川拓(ひろし)が監督を務める新作ドキュメンタリー映画『戦場記者』より、体感できる予告編およびポスタービジュアルが解禁された。
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戦場記者・須賀川の瞳がうつしだす戦場の今
本作は、世界の紛争地を飛び回ってきた日本人記者の視点から“戦場の今”を映し出すドキュメンタリー映画。須賀川が監督として、時に画面に登場するレポーターとして、戦地の状況とその裏に潜む社会の問題を伝える。須賀川が抜群の行動力と分析力でガザ、ウクライナ、アフガニスタン、世界の戦地を徹底的に歩き、人々を見つめ、浮かび上がらせる戦地のリアルは、私たちに戦争の残酷な現実を突きつける。
須賀川は、JNN中東支局長というポジションながら、中東はもとより、ヨーロッパ、アフリカ、西アジアと地球の約3分の1におよぶエリアをカバーし、世界各地を飛び回ってニュースを発信している。「戦争に白黒はない」と、常に反対側からの視線も忘れない彼は、時間の制限ゆえに戦争の現実をごく一部しか報じられないテレビ報道の枠を超え、YouTubeやSNSも駆使して戦地の肌感覚とニュースの向こうに広がる光景や真実を、危険エリアから撮影クルーと共に日本の視聴者に届ける。スピード感あふれる怒涛のレポート、ホンモノの紛争地のヒリヒリした緊張感を伝える語り、筋書きのない意外性に満ちたYouTube配信は、従来のニュースファンだけでなく若い視聴層も取り込み、平均30万再生以上の人気コンテンツとなっている。
本作では、普段テレビや動画では見られない“平時“の須賀川、権威ある「ボーン・上田記念国際記者賞」も受賞したスター記者の葛藤や、戦地に足を運び続ける思いが紐解かれる。
パレスチナでは、イスラエルによって閉ざされた人口200万の街、ガザに入り、4人の子供と妻を空爆で失った男性の静かな慟哭を聞く。一方のイスラエルでは、ガザから無差別に放たれるロケット弾と迎撃ミサイルが空を行き交う異様な光景を伝えた上で、それぞれの当局者に攻撃の正当性を問い質す。
アフガニスタンでは、タリバン支配で女性の人権が抑圧される実態のほか、深刻化する貧困と蔓延するドラッグが作り出した「橋の下の地獄」に足を踏み入れる。戦争が続くウクライナではクラスター爆弾が降り注ぐ街の住民や、ロシア軍の占拠で放射能汚染のリスクが激増したチョルノービリ原発の職員に現地取材、ロシアのプーチン大統領が「ネオナチからの解放作戦」と主張する“軍事作戦”が、紛れもない侵略・破壊行為であることを示す。
初公開となる予告映像では、ガザ、ウクライナ、アフガニスタンなど、世界の紛争地を須賀川が駆け巡る様子が緊迫感たっぷりに描かれる。アフガニスタンでは、偶然出くわしたタリバン最高幹部・ムッタキ外相へ直撃インタビューを敢行。タリバンの市中パトロールへの同行取材を行う。イスラエルでは空襲警報が鳴り近くにも着弾する中、息を切らしシェルターへ駆け込む様子を伝えるかと思えば、迎撃ミサイルシステム・アイアンドームの姿を間近で詳細に報告するなど、須賀川が抜群の行動力と、類まれな分析力で戦場の姿を浮き彫りにしていく過程を垣間見ることができる。
ウクライナでは非人道的な兵器であるクラスター弾が使用されている問題を提起。家族や住む場所を失ったガザ住民の悲痛な心の叫びに寄り添う姿や、貧困が深刻化する中、ドラッグ中毒者が増え続けるアフガニスタンの悲惨な現状を訴えるなど、“遠い国の出来事”を日本人の目の前に届けようと奮闘する須賀川の様子が描かれる。
中でも「(一般住民が)戦争の狂気の受け皿になってしまっている」「秩序もクソもない」と語る須賀川の言葉から、無差別攻撃や民間人の巻き添え被害など「戦争犯罪」に対する彼の強い姿勢を感じることができる。紛争地の子供たちの視線も印象的で、「戦争が日常化」してしまっている彼等の姿は、日本に暮らす我々が想像もつかないような紛争地のリアルを肌で感じさせる。
須賀川はなぜ戦地を目指すのか。世界の紛争地を精力的に取材する彼の瞳が捉えるものとは。予告編とあわせて解禁されたポスタービジュアルは、現在も戦争が続くウクライナで南部の要衝オデーサへ入り、街の様子が戦争によって一変しているさまを目撃した瞬間の須賀川の表情を捉えたもの。今、世界で起きている危機の圧倒的なリアルを体感できる本作への期待を高めてくれる。
『戦場記者』は12月16日より全国順次公開。
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