エスバン監督「『ジョーズ』が描いた世界を祖母という題材で表現したかった」
世界各地の映画祭を席捲した『パラドクス』(14年)『ダークレイン』(15年)の鬼才アイザック・エスバン監督最新ホラー映画『イビルアイ』より、予告映像と場面カット5枚を紹介する。
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本作は、13歳の少女ナラが祖母の不可解な行動から祖母が人間ではない何者かであることを疑い始め、恐怖に怯えながら隠された秘密を暴いていく“セレモニー・スリラー”。
プレミア上映された第18回ファンタスティック・フェスト映画祭では、わずか“60秒”でオンラインチケットが完売。第55回シッチェス・カタロニア国際映画祭では、「近年で最も素晴らしく、最も奇妙で、最も背筋が凍る」「アリ・アスター、ジェームズ・ワンに並ぶ才能」と高評価を獲得。本国メキシコで劇場公開されると、興行収入3週連続トップ10入りのスマッシュヒットを記録した。
監督は世界中から熱い注目を集めているアイザック・エスバン。2014年の長編初監督作『パラドクス』では、カンヌ国際映画祭やバンクーバー国際映画祭など45を超える映画祭に招待され映画賞を16部門獲得。翌年発表した『ダークレイン』は、米批評サイト「ロッテン・トマト」で94%が高評価、シッチェス・カタロニア国際映画祭作品賞ほか15部門を受賞、30部門でノミネートを果たした。
紹介する予告映像は、祖母に預けられた姉妹が生きて帰ることができるのか心配になってしまうほど、おぞましい映像が盛りだくさん。体の弱い妹ルナと一緒に祖母の家に預けられたナラは、常に祖母の厳しい監視とルールを強いられ、反感を覚えるが、それ以上に祖母の存在そのものに違和感を覚える。
包帯で顔をぐるぐる巻きにし、サングラスをかけ、夜中でも徘徊し姉妹を監視し、血のような液体を美味しそうにすする祖母。さらに妹の足首には何か所も噛まれた傷跡ができ、唯一話すことのできる外部の人間はすぐさま原因不明の死を遂げる。
祖母はいったい何者なのか? 祖母の本当の姿をたどり着いたとき、ナラは恐怖のどん底につき落とされる。
併せて紹介する場面カットは5枚。恐怖におびえた顔で受話器を握りしめるナラや、顔を包帯とサングラスで隠しながらも不気味にほほ笑みかける祖母の姿など、本作のおぞましい一端を垣間見ることができる。
エスバン監督は「『ジョーズ』(75年)が表した水中の世界を、祖母という題材を用いて表現したかった」と明かし、「かつて『ジョーズ』を観たことにより、恐怖で海に行かなくなり、海中に入らなくなった人がいかに多かったか。なので、『イビルアイ』のせいで孫が訪ねてこなくなった、と悲しむ祖母がどれほど現れるでしょうね」と冗談めかして語っている。
映画『イビルアイ』は7月28日より全国順次公開。
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