「性的なことは人生において重要」単なるエロではない、春画が教えてくれる大切なこととは?『春の画 SHUNGA』予告編
エロティシズムだけではない、多彩な表現内容、技巧、その創造性──
江戸時代に隆盛を極め、明治時代に禁じられた絢爛たる文化「春画」の奥深き世界に迫るドキュメンタリー映画『春の画 SHUNGA』より、予告編と場面写真を紹介する。
・「なぜ日本にはこんなにもエロなアートが…?」“春画”に惹かれた監督が北へ南へ奔走!禁じられた美の世界を紐解くドキュメンタリー
葛飾北斎、喜多川歌麿、鈴木春信…江戸の名だたる浮世絵師たちが、並々ならぬ情熱を注いだ「春画」。絵師・彫師・摺師の才能と高度な技術により、「美」「技」において超一級の芸術と呼べる作品が数多く生み出されたが、時代が江戸から明治に変わると“猥褻画”として警察による取り締まりの対象となり、日本文化から姿を消してしまった。出版物や展覧会を通してアートとして再評価の機運が高まったのは、つい最近のこと。
2013年、ロンドン・大英博物館での世界初の大規模な「春画展」に大勢の人が詰めかけ、その半数以上が女性だったという。2015年〜16年に東京と京都で開催された日本初となる大規模な「春画展」は21万人を動員、その約半数もまた女性だった。
そして2023年、春画についての本格的なドキュメンタリー映画『春の画 SHUNGA』が完成。浮世絵の頂点とされる作品も少なくない春画だが、そうした傑作が誕生した社会的背景とは一体どんなものだったのか? その一方で大衆向けに無数に作られた安価な春画を人々はどのように楽しんでいたのか? いまだ知られざる部分も多い春画の世界にカメラが分け入り、当時の風俗・文化、人々の思いを浮かび上がらせていく。
紹介する予告編は、秘蔵の名品を含む本編中に登場する春画を次々と見せながら、“笑い絵”とも称されユーモアをもって描かれた春画を思い思いに楽しむ姿や、「春画・春本は単なるエロ本だろうという考え方からははみ出る」「性的なことは人生において重要だと春画では強く描かれている」といった専門家の言葉、横尾忠則(画家)、会田誠(現代美術家)らのコメントを抜粋。さらに、森山未來と吉田羊が朗読で参加した葛飾北斎の“蛸と海女”で知られる「喜能会之故真通(きのえのこまつ )」をアニメーション化した映像も垣間見ることができる。
本作は、全編無修正、映倫区分はR18+にて公開される(一部の劇場では4K上映)。この秋、10月13日公開の劇映画『春画先生』(塩田明彦監督、ハピネットファントム・スタジオ配給)と共に、映画ならではの魅惑の春画ワールドがスクリーンいっぱいに広がる。当サイトでは、『春画先生』の主演を務めた内野聖陽と共演者である柄本佑のインタビューを近日掲載予定だ。
『春の画 SHUNGA』は11月24より全国公開。
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