チョン・ウソン、“数十テイク”大規模シーン撮影に思わずため息!? 最後には“退役”のお祝いも『ソウルの春』メイキング映像
熱気あふれる撮影風景やキャストのオフの表情が垣間見える映像が公開
2023年韓国で年間観客動員数第1位を記録し、『パラサイト 半地下の家族』(19年)を上回る1300万人以上の観客動員で歴代級の大ヒットとなった映画『ソウルの春』。公開中の本作より、熱気あふれる撮影風景やキャストたちのオフの表情が垣間見られるメイキング映像・ケミ編を紹介する。
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1979年10月26日、独裁者とも言われた大韓民国大統領が、自らの側近に暗殺された。国中に衝撃が走るとともに、民主化を期待する国民の声は日に日に高まってゆく。しかし、暗殺事件の合同捜査本部長に就任したチョン・ドゥグァン保安司令官(ファン・ジョンミン)は、陸軍内の秘密組織“ハナ会”の将校たちを率い、新たな独裁者として君臨すべく、同年12月12日にクーデターを決行する。
一方、高潔な軍人として知られる首都警備司令官イ・テシン(チョン・ウソン)は、部下の中にハナ会のメンバーが潜む圧倒的不利な状況の中、自らの軍人としての信念に基づき“反逆者”チョン・ドゥグァンの暴走を食い止めるべく立ち上がる。
今日「粛軍クーデター」「12.12軍事反乱」などとも言われる韓国民主主義の存亡を揺るがした実際の事件をもとに、一部フィクションを交えながら描かれる本作。韓国で公開されるやいなや、事件をリアルタイムで知る世代はもちろん、事件を知らない若者たちの間でも瞬く間に話題となり大ヒットスタートを記録した。
独裁者の座を狙う男チョン・ドゥグァンへの激しい怒りと、彼に立ち向かったイ・テシンへの共感に、心をそして魂を揺さぶられた観客たちの世代を超えた熱量に支えられ、最終的には国民の4人に1人が劇場に脚を運び、『パラサイト 半地下の家族』などを上回る1300万人以上の観客を動員。コロナ禍以降の劇場公開作品としては、No1(2024年3月末日)となる歴代級のメガヒットとなった。
この荘厳な歴史大作にして圧倒的緊迫感に満ちた至高のエンターテインメントを作り上げたのは、国内外の映画ファンから熱烈な支持を集めるノワールアクション『アシュラ』(16年)などで知られる名匠キム・ソンス監督。『私の頭の中の消しゴム』(04年)『アシュラ』のチョン・ウソン、『アシュラ』のファン・ジョンミンを主演に迎えた本作は、第60回百想芸術大賞にて、映画部門の大賞(キム・ソンス監督)、作品賞、男性最優秀演技賞(ファン・ジョンミン)の3冠に輝くなど賞レースも席巻した。
今回紹介するのは、熱気あふれる撮影風景やキャストたちのオフの表情が垣間見られるメイキング映像・ケミ編。キム・ソンス監督のこだわりで、本作は台詞のある役柄だけでもおよそ60人。その人物は反乱軍か、あるいは鎮圧軍か。またクーデター当日における彼らの動きと役割とは何だったのか。
大勢の登場人物たちが、それぞれの選択で動く激動の9時間をダイナミックかつ鮮明に映し出すため、監督やイ・モゲ撮影監督らスタッフは、現場において各シーンのリハーサルを入念に行った。俳優たちも反乱軍、鎮圧軍それぞれの役割で軍服で撮影に臨む中、撮影の合間には笑顔で言葉をかわしたり、自分の兵役時の話をする姿も。キム・ソンス監督や助監督がチョン・ヘインに対し、「(チョン・ヘインが出演したドラマ)『D.P.(D.P. -脱走兵追跡官-)』のファンだ」とアピールし合うなど、現場の良い雰囲気も伝わってくる。
数々の戦闘を余儀なくされる鎮圧軍側の軍人たちの撮影風景では、拉致される場面で身体を張るイ・ソンミンや、キム・ソンス監督自ら銃の動作を演出する様子、2日にわたって撮影されたクライマックスシーンなど大規模撮影の舞台裏も明かされる。反乱軍側は、ファン・ジョンミンやアン・ネサンらベテラン俳優たちが現場を盛り上げ、キム・ソンス監督が現場のエキストラふくめ全てのキャストたちに気遣う場面もあり、スタッフ・キャストが一丸となって、本作の撮影に挑んだ様子が映し出されている。
『ソウルの春』は現在公開中。
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