サンフランシスコをスケートボードで駆ける美しい冒頭映像
今、最も注目を集める映画製作スタジオであるA24とプランBが、アカデミー賞作品賞受賞作『ムーンライト』以来となるタッグを組んで贈る最新作『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』が、弊社配給で2020年10月9日より新宿シネマカリテ、シネクイント他にて全国公開。
本作の舞台となるのは、ゴールデン・ゲート・ブリッジや坂道を走る路面電車、優雅に佇むヴィクトリアン様式の家が並ぶ情緒豊かなサンフランシスコ。歴史あるこの街は、急速な発展によって地価が高騰し、富裕層が多く住むようになったことで、代々住んでいた者たちは行き場所を失っていた。主人公を実名で演じた、ジミー・フェイルズもその一人。メガホンを執ったジョー・タルボット監督は、幼なじみであるフェイルズが体験してきた物語を自身初の長編映画として作り上げた。本作は、サンダンス映画祭で監督賞と審査員特別賞をダブル受賞した他、世界各国の映画祭で高い評価を受け、オバマ前米大統領が選ぶベストムービー(2019)にも選出されている。
今回、主人公のジミーと彼の親友・モントがスケートボードで2人乗りをしながらサンフランシスコの街を駆ける、映画冒頭の映像が解禁。
雄弁で壮大な音楽に乗せて2人を映すこのシーン。カメラワークやスローモーションが印象的で、アメリカの雑誌Rolling Stoneでは「冒頭の5分でこれが特別な作品であることが分かる。」と評されている。変わりゆく街・サンフランシスコへの愛情が詰まったこの作品は、冒頭にジョー監督のこだわりが多く現れている。スケートボードに乗る2人はもちろん、サンフランシスコの街並みやそこに生きる人たちの姿を、スローモーションを用いて撮影した理由について、ジョー監督は「サンフランシスコという街を、動きをつけて見せたかった。最近のサンフランシスコは、ITの進化が原因で生活のペースが早くなってしまったから、スローダウンさせて、写真に近い形で何が起きているのかを伝えたかったんだ。」と語っている。
スケートボードでの2人乗りに関しては、監督のアイディアであったが、実現が難しいのではという現場の意見も多かったそう。しかし、ジョー監督はThrasher Magazineの創設者の息子で、現発行人であるトニー・ヴィテロ氏に相談。トニー氏が古い板を使ってスケボーを作っている人に連絡し、通常のボードよりも幅が広く長いものを映画のために特別に制作。ジミー・フェイルズと、ジョナサン・メジャースは2人で練習を重ね、習得した。ジョー監督は「モントがジミーの肩に手を置くだけで、2人の友情、いかに親密かが分かる。スケボーのシーンで役者2人の絆は強くなったんだよ。」と語っている。
2020年10月9日公開
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