井筒和幸監督作品・はみだし者たちの昭和史
井筒和幸監督が作品に練り込んだ昭和の色、8年ぶりとなる新作映画『無頼』。主人公は、誰もが“欲望の資本主義”を追いかけた戦後日本そのもの。激しく変転を続けた昭和という時代が、世間という“良識の監獄”の外側で生き抜いたヤクザ者たちの群像劇を通して逆照射される。
物語の中心人物となる井藤正治を演じるのは、俳優としてテレビ・舞台で活躍する松本利夫(EXILE)。持ち前の存在感で、独立独歩の境遇を生きるアウトローの気概と矜持、哀歓を体現した。その妻・佳奈には、映画『純平、考え直せ』(18)のヒロインに抜擢されるなど、女優としての活躍も目覚ましい柳ゆり菜。体当たりの演技で、夫を盛り立てつつ決して自分も失わない腰の据わった女性を熱演している。
他にも木下ほうか、ラサール石井、升毅、小木茂光、隆大介、外波山文明、フォークシンガーの三上寛、日本屈指のドラマーとして名高い中村達也など実力派が脇を固め、さらにはオーディションで選ばれた総勢400余名の俳優陣が、練達の井筒演出のもと、全身全霊の芝居をぶつけ合った。さらに本作のために、泉谷しげるが自らの代表曲「春夏秋冬」の“無頼バージョン”をセルフカバー。酸いも甘いも噛み分けた渋い歌声が、スクリーンに深い陰影を与えている。
この度、本作品の予告編が完成。
「あの時代の熱量やヒリヒリした感覚を今の人たちにも感じてほしい」と監督がこだわり抜いて自ら編集した本予告編は、泉谷しげるの主題歌・ナレーションとも相まって、エモーショナルな魅力にあふれたものに仕上がっている。
『無頼』は2020年12月12日公開
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