おばあちゃんが世界一高齢の女子生徒になった訳
『世界の果ての通学路』で壮大な通学路の数々を捉えた監督パスカル・プリッソンが映し出す『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』。朝靄煙るケニアの山々…世にも美しい冒頭シーン解禁!なぜゴゴは学校に行けなかったのか?
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プリシラ・ステナイは、3人の子供、22人の孫、52人のひ孫に恵まれ、ケニアの小さな村で助産師として暮らしてきた。皆から“ゴゴ”と呼ばれる人気者だ。ある時、彼女は学齢期のひ孫娘たちが学校に通っていないことに気づく。自らが幼少期に勉強を許されなかったこともあり、教育の大切さを痛感していたゴゴは一念発起。周囲を説得し、6人のひ孫娘たちと共に小学校に入学した。年下のクラスメートたちと同じように寄宿舎で寝起きし、制服を着て授業を受ける。同年代の友人とお茶を飲んで一息ついたり、皆におとぎ話を聞かせてやることも。すっかり耳は遠くなり、目の具合も悪いため勉強するのは一苦労…。それでも、助産師として自分が取り上げた教師やクラスメートたちに応援されながら勉強を続け、ついに念願の卒業試験に挑む!
解禁された冒頭シーンでは、スクリーンいっぱいに広がる、ケニアの平原と山々が朝靄に浮かぶ美しい風景とあわせ、本作でその生き方を追ったゴゴの紹介が始まる。
やがて、ある小さな小屋をカメラが覗き込む。中ではひ孫のチェプコエチがゴゴに本を音読してあげている穏やかな時間が流れていた。チェプコエチが「なぜ子供のころ学校に行ってないの?」とゴゴに質問をすると、「牛の世話があったんだよ。学校が大事だとも思ってなかった。父さんが“牛を優先しろ”って。そんな時代さ。女の子たちが学校に通う時代じゃなかった」と遠い少女時代を回想する。「だから今やるんだ。すっかり耳は遠いし、目も悪くなったけど、卒業試験に受かりたい。教育は大事だよ」。ゴゴが静かに強い思いを語るシーンに心が揺さぶられる、そんな冒頭シーンとなっている。
パスカル・プリッソン監督は、「ゴゴとの出会い」についてインタビューでこのように語っている。
「ナイロビの友人が、世界で最も高齢の小学生であるゴゴに捧げられた地元紙の記事を読んで、私に教えてくれたのです。すぐにゴゴに会いにケニアへ行きました。彼女の性格や経歴、本物のカリスマ性が気に入りました。ひとつの作品を支えるのに十分な力強いキャラクターだったのです。」そして、「彼女は映画がどのようなものか知りませんでしたが、この作品が見本となり他の少女たちの就学を奨励できるなら、と了承しました。ゴゴは全ての親が娘たちを学校に行かせるように説得したかったのです。」とゴゴの思いを応援する、そんな気持ちで撮影したことを明かした。
『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』は2020年12月25日公開
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