最新のデジタル修復技術により美しく蘇った2作品の修復前後の比較映像を公開
この度、最新のデジタル修復技術により美しく蘇った2作品の修復作業前後を比較する映像を解禁。映像の前半では、『戦場のメリークリスマス』の修復シーンが比較される。デヴィッド・ボウイが演じるジャック・セリアズの処刑シーンでは、修復を施したことで立ち込める煙や、背後から歩いてくる坂本龍一が演じるヨノイ大尉の表情もはっきりと見える。さらに、『ラストエンペラー』(87)のベルナルド・ベルトルッチ監督が「映画史上最高に美しいキスシーン」と絶賛した名シーンも、まるで目の前の光景を見ているかのように一層鮮やかになった。既存の『戦場のメリークリスマス』2K修復済データに対し、4KDCP化に際して施されたのは、シーン毎に最適化された高品質な超解像処理。オリジナルネガよりスキャンし、フィルムのキズやゴミ、フリッカー(明滅)を取り除くことにより、鮮明な映像となった。また、DolbyStereoで作成されていたサラウンド音声を磁気テープから再現。4Kデジタルリマスタリングにより、タテ2倍、ヨコ2倍で4倍の高解像度となり、従来よりも細かい粒子がはっきりと見え、鮮明な色彩が再現されている。
一方、より大幅な修復作業を実施した『愛のコリーダ』は、約2カ月間かけてカットごとに修正。HDカムSR素材をもとに、MTI Film DRS™ NOVA(レストア作業においてよく使用されているソフト)を用いて作品全体のフィルム傷やゴミを除去するレストア処理。DaVinci Resolve(現在の作業においてポピュラーなソフト)によって退色しているシーンのカラーコレクションを行い、当時の色を再現。特に、定が吉の上に乗り三味線を弾くシーンは、画面全体が明瞭になり2人の姿もより肉感的に、松田英子が演じる定の着物の色も鮮やかになっているのが確認できる。
今回の上映は、大島渚監督作品が2023年に国立機関に収蔵される予定のため、最後の大規模ロードショー公開として企画されたもの。後世に多大な影響を残し、鮮烈な印象を多くに人に与えた日本が誇る鬼才、大島渚作品が鮮明になってスクリーンで観られる貴重な機会となる。常に日本映画界をリードしてきた“世界のオーシマ”映画 『戦場のメリークリスマス 4K修復版』は4月16日(金)、『愛のコリーダ 修復版』は4月30日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
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