台湾の悲惨な時代を舞台にした大ヒットゲームが待望の映画化
台湾人が忘れてはならない40年にも及んだ負の歴史を正面から描き、第56回金馬奨で主要12部門にノミネート、最優秀新人監督賞を含む最多5部門受賞の快挙を成し遂げた台湾の同名大ヒットホラー・ゲームの映画版『返校 言葉が消えた日』から予告編が届いた。
・女子高生に迫る恐怖の悪夢…相互監視が強制される独裁政権下での哀しい真実とは?
2019年度の台湾映画でNo1大ヒットを記録した本作は、迫害事件の謎解きと青春を奪われた若者たちの切ないドラマだ。このたび解禁された予告編では、「自由が罪になる時代」というナレーションとともに、物悲しくも美しい映像で観客を1962年の台湾の凄惨な粛清の時代へと誘い込む。舞台である翠華高校では“秘密の読書会”が開かれ、生徒たちは「密かに、禁じられた本」を読み続けた。しかし、いつか自由になる日が来ることを夢見ていた人々の希望を打ち砕く様に、男子生徒が軍に暴力をふるわれ、強制的に連れ去られてしまうのだった。
高校生が立ち向かう、恐ろしい暗黒の時代
放課後の教室で、いつの間にか眠り込んでいた女子高生のファン・レイシン(ワン・ジン)。目を覚ますと、人の姿が消え、そこは別世界のような奇妙な空気に満ちていた。校内をさ迷うファンは、秘密の読書会のメンバーで彼女に想いを寄せる男子学生のウェイ・ジョンティン(ツォン・ジンファ)と出会い、力を合わせて学校から脱出しようとするが、どうしても外へ出ることができない。廊下の先、扉の向こうに悪夢のような光景が次々と待ち受けるなか、消えた同級生と先生を探す二人は、政府による暴力的な迫害事件と、その原因を作った密告者の哀しくも恐ろしい真相に近づいていく──。
台湾の白色テロ時代。1947年の二・二八事件以降の戒厳令下において、蒋介石率いる国民党が反体制派に対して政治的弾圧を行った。それから40年もの間、国民に相互監視と密告が強制され、多くの人々が投獄、処刑された暗黒の時代だ。ゲーム「返校 -DETENTION- 」の世界に迷い込んだかのように、私たちを一気にクライマックスまで誘っていく。衝撃のダーク・ミステリー『返校 言葉が消えた日』の本編に期待したい。
『返校 言葉が消えた日』は2021年7月30日より公開。
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