万引き未遂を咎められた娘が事故死! その時、父はどうする?
第43回日本アカデミー賞三冠を獲得した『新聞記者』、現実の祖父母殺人事件にインスパイアされた『MOTHER マザー』、『ヤクザと家族』など、意欲的・挑戦的なテーマの作品を次々と生み出しているスターサンズの河村光庸プロデューサー。彼が企画し、『ヒメアノ~ル』、『愛しのアイリーン』、『BLUE/ブルー』などの吉田恵輔監督とタッグを組んだ映画、『空白』が公開される。この度、物語の行方が気になる予告映像が解禁された。
物語は、中学生の万引き未遂から始まる。中学生の少女がスーパーで万引きしようとしたところを店長に見つかり、追いかけられた末に車に轢かれて死亡してしまう。娘のことなど無関心だった少女の父親は、せめて彼女の無実を証明しようと、店長を激しく追及する。次第にその姿も言動も、恐るべきモンスターと化し、関係する人々全員を追い詰めていくことになる。
見る者の心臓をあわだてる悪夢のような父親・添田充を、劇団☆新感線の看板役者である古田新太が演じ、7年ぶりの主演作に挑んでいる。土下座しても泣いても決して許されず、人生を握りつぶされていくスーパーの店長・青柳直人に、『新聞記者』でアカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた松坂桃李。古田と松坂は本作が初共演となり、息もつかせない圧巻の競演を見せている。
この度解禁された予告映像は、夕食中に添田(古田)が娘の花音(伊東蒼)に「はっきり喋れ」とぶっきらぼうに言い放つシーンから始まる。続いて「始まりは娘の万引き未遂だった」というナレーションの中、花音は青柳(松坂)に追いかけられ事故に遭ってしまう。そして、「俺は娘が万引きしたなんて思ってねぇんだよ、花音に何したんだよ、お前」と青柳に詰め寄る添田に「本当に、すいませんでした」と、声を震わせながら土下座で謝罪する青柳の姿が映し出される。やがて、轢いた運転手、加害者の母(片岡礼子)、前妻(田畑智子)、弟子の漁師(藤原季節)、娘の元教師(趣里)、正義感の強い店員(寺島しのぶ)など、父の狂気が周りの人たちを追い詰めていく。
一転、「逃げ出した相手を追いかけて何が悪いんだ」とワイドショーの取材に答える青柳に「お前、昔、痴漢で捕まったらしいな、お前が何したかわかるまで諦めねえぞ」と迫る添田。何が真実で何が正義なのか。人々の表と裏、愛と憎しみ、信念が絡み合いながら露になっていく。終わりに差し掛かり、前妻の翔子が添田に問う。「あの子の何知ってるの? あの子の盗んだっていうマニキュア何色か知ってる?」「だから、盗んでねぇし、そんなのつけてるの見たことねぇよ」と答える添田に「透明だったって」と告げる翔子。「人は人を憎み、人は人に寄り添って生きて行く」というナレーションとラストの添田の目にうっすらと光る涙に、胸が締め付けられる予告編となっている。
現代の「罪」と「偽り」、そして「赦し」を描く、オリジナル脚本で挑むヒューマンサスペンスの本作に注目だ。
『空白』は、9月23日より公開される。
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