アラン・ドロンも動揺を隠せず、声震わせる
『勝手にしやがれ』(59)『気狂いピエロ』(65)などヌーヴェルヴァーグの作品から、『リオの男』(64)などのアクション、コメディまで幅広いジャンルで活躍したフランスの名優、ジャン・ポール・ベルモンドが6日(現地時間)、パリの自宅で亡くなった。享年88。
2001年に脳梗塞で倒れた、のちに復帰もしたが、近年は静かな生活を送っていたベルモンドは、弁護士によると、しばらく前から非常に弱り、「静かに息を引き取った」という。
名前をもじった “ベベル”、あるいは主演作『おかしなおかしな大冒険』(73)の原題(Le Magnifique)にちなんで“ル・マニフィック(素敵な人)”などの愛称で親しまれた名優の逝去に、多くの人々が追悼を表明している。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領はSNSで「彼は永遠にル・マニフィックでい続けるでしょう。ジャン・ポール・ベルモンドは国の宝でした。堂々として、豪快な笑い、高い声と俊敏な体を持ち、崇高なヒーローであると同時に身近な存在であり、疲れを知らない向こう見ずであり、言葉の魔術師でした。彼は80本の映画で人の人生をつくりました。彼の中に、私たちは自分自身を見出していました」と追悼した。
同時代に活躍し、1970年の『ボルサリーノ』や、ヴァネッサ・パラディがヒロインを務めた『ハーフ・ア・チャンス』(98)などで共演したアラン・ドロンはラジオ局「Europe 1」の取材に、声を震わせながら「私は砕け散った」「私は友人を亡くした」「彼は仲間だ。60年前から知り合い、一緒に仕事をして、とても親しかった」と動揺を隠せない様子で語った。ニュース専門TV局「Cnews」の取材にも「最悪だ。完全に打ちのめされている」と語り、「私の人生の一部なんだ」と1950年代後半から続いた交流を振り返った。
『ライオンと呼ばれた男』(90)のクロード・ルルーシュ監督はニュース専門放送局「France Info」に「彼は、カメラの前でも後ろでもヒーローだった。私の人生の大きな部分を占めているものが行ってしまった彼がいなくなって、私たちは本当に寂しくなる。そして何よりも、フランス映画が彼を惜しむだろう。最も偉大で素晴らしく、才能に溢れた彼を失うことになる」と語った。
ヴァンサン・カッセルはインスタグラムに、ベルモンドの代表作の1本『リオの男』の写真を投稿し、「俺たちのリオの男」と2つに裂かれたハートの絵文字をつけてコメントした。
『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』『冬時間のパリ』(18)などに出演し、マリオン・コティヤールのパートナーでもある俳優・監督のギヨーム・カネは「私はずっと彼のようになりたいと思っていた。彼の映画を何度も繰り返し見て育った。俳優、その人柄の大ファンだった。18歳で仕事を始めて、彼と会う機会に恵まれて、謙虚で親切で、とても優しくて、本当に面白くて、生きる情熱に満ちた素晴らしい人だと知った」「私たちにたくさんの夢を見せてくれたこの素敵なヒーローは、この後に続く世代の中にも、永遠に生き続ける。ありがとう、ジャン・ポール」と綴った。
フランス政府は7日(現地時間)、ベルモンドの追悼セレモニーをパリのアンヴァリッド廃兵院で執り行うと発表した。アンヴァリッドの大聖堂には地下墓所があり、ナポレオン・ボナパルトやフランス国家作者のルージェ・ド・リールらの廟が置かれている。
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