死んだ妻の亡霊に囚われる精神科医が愛に飢えた女を診察したら…執着と嫉妬が渦巻く愛の三部作最終章
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人間の愛憎という普遍的な物語に「決して他人事ではない」
仲村トオル主演で、万田邦敏監督が万田珠実との共同脚本でカンヌ国際映画祭W受賞を果した『UNloved』、『接吻』に続く愛の三部作最終章『愛のまなざしを』が、11月12日に公開される。このたび、特報映像と場面写真が公開された。
・『ドライブ・マイ・カー』のカンヌ4冠で注目される“村上春樹作品”
特報映像は、仲村演じる精神科医・貴志が、杉野希妃演じる愛に飢えた女・綾子を診察するシーンから始まる。
6年前に亡くなった妻・薫(中村ゆり)に囚われる貴志と、それに嫉妬する綾子。
「姉さんはあんたのせいで死んだんですよ」と斎藤工演じる義理の弟・茂が言うと、「絶対に薫を忘れない。一生ね」と反論する貴志。しかしその後ろには、綾子の姿が……。
綾子は茂に、「貴志に復讐したいんでしょ」と迫る。
そして貴志に対しては、「死んだ人にはもう会えないんだよ。会うには自分が死ぬしかないんだよ」と言う一方で、「そんなことをして、あなたを薫さんのところには行かせない」と切実な眼差しを向ける。(動画はこの記事の最後にあります)
そんな不器用な生き方しかできない綾子を演じ、映画プロデューサーや監督としても活躍する杉野は、「綾子は飢えた獣なのだと実感し、理性を剥ぎとるよう努めました」という。
そして、撮影を終えても、綾子のような本質的な部分が自分の中にもあるという実感が拭えなかったと語る。
「愚かな女だと言ってしまうのは簡単だけれど、愚かさこそが人間の本質かもしれません。コロナ禍の今、彼女の切実さをやっと愛せるような気がしています」
また、杉野同様、監督やプロデューサーとしての顔も持つ斎藤は、本作品で万田監督作品に参加できたことを「大いなる財産」と語る。
その上で、観客に対しては「曖昧で不確で奇妙な人間と言う生き物の生む愛憎と言う普遍的な物語。そこに映し出されるは他人事なのかはたまた我が事なのか」という問いに浸って欲しいとアピールした。
執着と嫉妬が渦巻く万田邦敏監督の愛の三部作最終章
本作品は、6年前に亡くなった妻(中村)に囚われ夜ごと精神安定剤を服用する精神科医・貴志(仲村)とモラハラの恋人に連れられ患者としてやってきた綾子(杉野)をめぐり展開される愛憎サスペンス。
妻の死に接して以来心を閉ざしてきた貴志は、恋人との関係に疲弊し肉親の愛に飢えていた綾子に寄り添った診察をしたことで求愛されると、自らも自己肯定感を抱くようになり、綾子との愛に溺れていく。
そんな2人の愛は、執着と嫉妬に駆られる貴志の息子・祐樹(藤原大祐)や義父母、クリニックの診察にまで影響を及ぼすようになる。そんな折、義弟・茂(斎藤)から綾子の過去について知らされ、さらに妻の秘密までも知ることとなり、貴志は激しく動揺する。
貴志は、失った愛をもう一度求めただけなのに、大きな魔物によって人生が狂わされていく。一方の綾子も、亡き妻に囚われる貴志に苛立ち、激しく嫉妬する。彼女が、貴志と妻の愛を越える極限の愛にたどりつくために最後に下した決断とは──?
『愛のまなざしを』は、11月12日に公開される。
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