柄本佑、ヴェネチア国際映画祭で喝采受けた『犬王』で足利義満役に!「まさか松本大洋先生の絵に自分の声を…」
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湯浅政明監督がヴェネチア国際映画祭ワールドプレミアで喝采
古川日出男「平家物語 犬王の巻」をミュージカル・アニメーション化した『犬王』が第78回ヴェネチア国際映画祭でオリゾンティ・コンペティション部門に選出され、ワールドプレミアにおいて湯浅政明監督が満場の喝采を浴びた。
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本作品は、室町時代に実在した異形の能楽師・犬王と、平家の呪いによって盲目になった琵琶法師・友魚との友情、さらに2人が織りなす音楽とダンスの華々しいショーを通して、歴史のなかで忘れられたアーティストの姿を描く。
湯浅監督はワールドプレミアで上映後、挨拶に続いて質問に答えた。
「当時は生まれたときに生まれた場所で、その人の運命が決まってしまう時代でした。そのなかで上に行くには、武士として身を立てるか、芸術家になるかしかありませんでした」と、作品の背景について説明。犬王と友魚の友情について触れ、「誰かの理解者になってあげたい、誰か理解者がいた方がいい、そういう気持ちが込められています」と解説した。
「犬王のとても明るい性格で、まったく諦めずに自分の夢を実現しようとしているところに感銘を受けました。犬王も友魚も自分のやりたいことを実現させようとした。そんな姿を見ると、自分も周りに左右されず自分の生きたいように生きると勇気づけられます」と語ると、会場に再び拍手が起こった。
また犬王のキャラクター原案を『鉄コン筋クリート』の松本大洋が手掛けたことや、「千住フライングオーケストラ」「プロジェクトFUKUSHIMA ! 」などのプロジェクトからNHKドラマ「あまちゃん」までジャンルレスな多彩な活動で知られる大友良英との制作プロセスなどを明かした。
「現代的なロックをイメージしたのですが、それを琵琶の音を使ってやるというところで大友さんはとても苦労されたと思います。先に絵がほしいと言われ、ストーリーボードとムービーを用意して送りました。そして音楽が出来上がり、歌入れの時にはアヴちゃんに歌詞をまとめてもらい、森山未來さんへ歌唱提案もあり、大友さんのコーラスが追加され、現在のような形の歌になりました。昔の音楽から始まり、犬王が踊っているうちにそれが徐々に変わり、ダンスも『雨に唄えば』のようなものが あったり、いろいろなものが混ざっていきます。それに伴ってキャストの2人も70年代や80年代のロックミュージシャンのイメージを入れて歌ってくれていると思います」
女王蜂・アヴちゃん、森山未來に加え、柄本佑らが追加キャストに
さらに今回、女王蜂・アヴちゃん、森山未來といった既に公開されている声優陣に追加されるキャストとして、室町幕府第3代将軍の足利義満役に柄本佑、猿楽の一座の棟梁として究極の美を求める犬王の父に津田健次郎、友魚と共に平家の呪いにかかり亡霊になりながらも現世を彷徨う友魚の父に松重豊が発表された。
2度目の声優出演となる柄本は「高校時代、松本大洋先生の漫画には大変にハマっていました。まさか先生の画に自分の声を吹き込む日が来ようとは……光栄でした」と参加の喜びを表した。
『ピンポン THE ANIMATION』『DEVILMAN crybaby』に続き、湯浅監督作品への参加となる津田は、「アフレコの際に見た映像は、能楽がポップにエンターテイメントしていました。とても興味深い作品になっています」と振り返った。
『犬王』は、来年22年初夏に全国公開される。
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