17歳女子高生、全校生徒を護るためテロリストと対峙! 動画再生回数50万回越え『ラン・ハイド・ファイト』
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「スカッとした」「学生時代妄想した世界」「JK版『ダイハード』」
第77回ヴェネツィア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門に正式出品されたアクション映画『ラン・ハイド・ファイト』(2020年、アメリカ)が話題だ。校舎に突然乱入してきたテロリストの銃弾で次々と生徒たちが倒れる中、ひとりの17歳の女子高生が実は強くて反撃するという作品で、ムビコレのYouTube動画チャンネルに掲載された予告編は、1ヵ月で50万再生を超えている。
・テロリストが学校占拠!父にサバイバル術学んだ女子高生が立ち上がる/映画『ラン・ハイド・ファイト』予告編
コメント欄にも実に500以上の好意的な書き込みがあり、「スカッとした」「学生時代、授業が退屈なとき妄想してた内容(侵入者に対し自分がヒーローとなって立ち向かう設定)が映画になってる」「何でもJKにやらせればウケるシステムがハリウッドでも定番に」といったものが多い。
また、この予告編を見て思い出した作品としては、映画『ホーム・アローン』『ダイ・ハード』『EMMA/エマ デッド・オア・キル』『トイ・ソルジャー』のほか、小説『ハイスクール重機動作戦』などが挙がっている。
背景にアメリカ無差別銃発砲事件
ところで、このタイトル『ラン・ハイド・ファイト』だが、製作動機を推察できる映像がある。12年7月23日テキサス州ヒューストン市市長室公共安全と国土安全保障局が制作した「RUN HIDE FIGHT」という無差別銃発砲事件に巻き込まれた場合の対処法と題した動画だ(日本語字幕付き、https://youtu.be/tCEuKEIbB_M)。そこでは、生死を分ける3つの行動を挙げられている。
それによれば、真っ先にすべきことは「RUN」つまり避難すること。他の人がどう言おうと、大切なモノを置き忘れたとしても、決断を遅らせてはならない。
それができなければ、「HIDE」。静かに行動し、電気を消し、カギを掛けるなどして隠れる。
そして最後の手段として残っているのは、「FIGHT」。何らかの武器を持ち、気迫を持って行動すること。犯人の武器を奪い、犯人を打ち倒すこと。どんなことが起ころうとも──。
3つめの「戦う」という選択肢はアメリカならではだが、日本においても緊急事態では警察の助けを待てない場合もある。強い意思を持った成人男性に対し、不意を突かれた大人、ましてや女性や子どもの場合は反撃も難しい。日本でも、大阪教育大付属池田小事件から20年経つが、19年には川崎市登戸でも小学生ら殺傷事件のような犯罪が依然として起きている。こうした作品を単なる“痛快アクション映画”と言うだけでなく、製作の背景や立場などに思いを致すと、映画ならではの含みをより味わえるだろう。
ムビコレYouTubeチャンネルのコメント欄にも、「個人的にすごい好きなジャンルのはずなのに、実際の事件を思い出して複雑な思いになってしまう」等といったコメントがある。また、よく似た設定の小説『高校事変』では、実在する犯人や学校などを想起させないよう名称や設定などに工夫を凝らしている。
17歳の女子高生が全校生徒を救うためテロリストと対峙
本作品の主人公は、17歳のゾーイ。幼い頃から軍人の父にサバイバル術を学び、SNSやプロムよりも父と狩りに出かける時間が大好な女子高生という設定だ。
母の死がきっかけで、そんな頼れる父との関係にも溝ができていた。その日の朝も父と口論になり、憂鬱になりながらも学校でいつもと変わらない日常を過ごす中、突如激しい銃声が鳴り響く。校内に乱入したテロリストが放つ銃弾によって、次々と倒れていく生徒たち。一瞬にして辺りは血の海となる。運良くトイレにいたゾーイは、身を隠しながら逃げ出し、何とか校舎の外に出ることができた。しかし、まだ校内には多くの友人が残っている。ゾーイは踵を返し、皆を救い出すため再び校舎へと駆け戻る。
『ラン・ハイド・ファイト』のDVDは、10月14日に発売される。
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