女優の小松菜奈と俳優の坂口健太郎が、新作映画『余命10年』でW主演を務めることが分かった。監督は『新聞記者』(19年)や『ヤクザと家族 The Family』(21年)の藤井道人、脚本は『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17年)や『雪の華』(19年)の岡田惠和、渡邉真子が担当する。
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原作者は難病で死去 小松菜奈&坂口健太郎が1年費やして生み出した恋愛映画
同作は、50万部を突破する小坂流加の同名小説を原作とする恋愛物語。また原作小説の小坂は、茉莉と同様に難病を抱え、本作の文庫化を待たずして亡くなっている。著者の遺した思いを小松が引き継ぐ格好だ。
小松が演じるのは、数万人に1人という不治の病で、余命が10年であることを知った20歳の高林茉莉(まつり)。自らの余命を知りもう恋はしないと誓いながら、和人に惹かれていく様を演じる。
茉莉と恋に落ち、茉莉を変えるきっかけを作る若者・真部和人(かずと)役は、連続テレビ小説にも出演し、精力的に活動の幅を広げる坂口。小松とは今回初共演となる。
小松と坂口の演技を現場で見ていた楠プロデューサーは、小松について「役に向き合うため1年間に及ぶ減量に取り組み、私たちはその姿をただ見守るしかありませんでした。茉莉として真剣に10年を生き切った彼女を見届けて下さい」とコメント。坂口については「本当に20歳から30歳までの10年間を撮影したかのように声や顔、目つきまでも変化させ、和人という難しい役柄を完璧に演じ切っていました」と話しており、2人が全身全霊で同作に取り組んでいた様子がうかがえる。
小松菜奈「彼女の人生を生きようと覚悟」、坂口健太郎「こんなに泣いたのは初めて」
移りゆく四季のパートごとに物語が展開される本作。約1年という長丁場の撮影を、四季折々の美しい風景のとともに行った同作について小松は「季節を追いながら、息をすることさえも丁寧に向き合って来ました。このお話しは、題名の通り、命のお話しです。もちろん、命なので軽いものではないからこそ、簡単には挑めないことも分かっていましたし、どのように伝え、どのように受けとられるのか、正直、私も演じる前はいろいろ考えました。でも、最後を見るのではなくその人が生きている過程をどう生きてあげるか。生きている証をどう刻むのか。その気持ち次第で見え方と演じ方が180度変わる、私が彼女の人生を生きようと覚悟が決まった瞬間です。カメラが回ってないときにも涙が止まらなかったことは今でも忘れません。自分じゃないのに自分の人生の中に2つの人生を歩んだ1年は本当に何にも変えられない変えることのできない、かけがえのない時間が詰まっています」と語っている。
坂口も「すごい瞬間を見た、確かに生きていた、と思った。 自分がそこにいる作品で、こんなに泣いたのは初めてでした。 あらためて命を考える、1人でも多くの人に見てほしい作品になりました」と手応えを口に。藤井監督も「小松さんと坂口くんと駆け抜けたこの1年間は、宝物のような時間でした」と述べている。
『余命10年』は2022年春より全国公開。
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