カトリックの聖女、魔女、神の恩寵を受け祖国を救う愛国的英雄。はたまた民衆を鼓舞する革命の偶像、異端審問の末に火炙りにされた男装の女騎士、フランス国民劇の受難のヒロイン。さまざまに形容されるジャンヌ・ダルクを題材にした二部作『Jeannete, the Childhood of Joan of Arc(英題)』(17年)の邦題が『ジャネット』に、『Joan of Arc(英題)』(19年)が『ジャンヌ』に決定し、12月11日より全国で順次公開されることが明らかになった。あわせてメインビジュアルが解禁されている。
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鬼才ブリュノ・デュモンがロケ地周辺で出会った演技経験のない少女を主役に抜てき
同二部作は、ジャン=リュック・ゴダールらを魅了したカトリックの詩人・思想家にして、ジャンヌ・ダルクがイギリス軍から解放した都市オルレアンの出身であるシャルル・ペギーの劇作「ジャンヌ・ダルク」(1897年)と「ジャンヌ・ダルクの愛の秘義」(1910年)を原作とするフランス映画。
監督は、現代フランス映画において一筋縄ではいかない挑発的な作品『ユマニテ』(99年)や『フランドル』(06年)などを発表してきた鬼才ブリュノ・デュモン。デュモンは、ジャンヌ・ダルクの生涯を特別な思いを持って描いたペギーの詩劇を映像化。『ジャネット』は奇妙奇天烈なミュージカル、『ジャンヌ』は議論に彩られた心理活劇に仕上げた。
両作品でジャンヌ・ダルクを演じたのは、ロケ地周辺で出会った演技経験のない新星リーズ・ルプラ・プリュドム。『ジャネット』撮影時はわずが8歳で、幼い頃の無垢なジャンヌを歌や踊りを駆使し見事に体現。『ジャンヌ』では、まっすぐな眼差しと力強い言葉で、雄弁な男たちを喝破していく姿を見せた。
『ジャネット』は、カルト映画の巨匠でシネフィルとしても知られるジョン・ウォーターズ監督が2018年のベスト1に、仏の映画誌カイエ・デュ・シネマは「この小さな傑作によって彼の映画は決定的に解き放たれた!」と評し、2017年のベスト2に選出。日本ではカイエ・デュ・シネマ週間で『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』のタイトルで上映され、話題を呼んだ。続く『ジャンヌ』も、ジョン・ウォーターズは2019年のベスト2に、カイエ・デュ・シネマで2019年のベスト5に選出された。
今回解禁された『ジャネット』『ジャンヌ』共通のメインビジュアルは、悪魔ポーズをとる羊飼いの少女と真っすぐに正面を見つめる甲冑姿の少女が切り取られ、「神的少女降臨」のキャッチコピーが大きく配置されたインパクト抜群かつ迫力のある仕上がりとなった。
疫病と戦争の最中にあった15世紀初頭のフランスに実在した少女ジャンヌ・ダルクの物語は、芸術と娯楽のさまざまな領域で幾度も題材にされてきた。そんな伝統の物語を映像化した『ジャネット』および『ジャンヌ』の二部作をスクリーンで見られる機会をお見逃しなく!
映画『ジャネット』および『ジャンヌ』は、12月11日より全国順次ロードショー。
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