第64回カンヌ国際映画祭にて、市川海老蔵と瑛太のW主演で話題の『一命』の公式会見が5月19日(現地時間)に行われ、三池崇史監督、瑛太、プロデューサーのジェレミー・トーマスらが登壇した。記者会見には、世界中から総勢180名のマスコミが集まり、その注目ぶりをうかがわせた。
本作は、1958年に発表され、1962年には映画『切腹』として世界に名を轟かせた伝説の物語「異聞浪人記」が原作。貧しくとも愛する人と共に生きることを願い、武家社会に立ち向かった2人の侍の生き様を描いた、心震える感動作になっている。
瑛太は、「俳優として、日本人として、このような場に参加できたことを光栄に思います」とカンヌ映画祭に参加できた喜びを語り、三池監督について聞かれると、「撮影現場はとても厳しいという印象を受けていましたが、実際はユーモアがたくさんある方で、僕の質問にも丁寧に答えてくれました。(監督から)常に瑛太はどんなものが出せるのか、といつも問われている気がして、緊張の連続でした」と振り返った。
また、本作でメガホンを取った三池監督は、「今回私自身、初めての3D映画の撮影となったわけですが、日本独特の狭い空間にある奥行きを、3Dの技術を使い、撮影したいと思いました」と語り、主演の2人については、「海老蔵さんの“形(かた)”で作る演技と、瑛太さんの“感情の揺れ”が生む演技の出会いがありました。それは私が持っていないものでした」と絶賛した。
また、『戦場のメリー・クリスマス』『ラストエンペラー』を手がけたことでも知られるプロデューサーのジェレミー・トーマスは、「『一命』は日本人の礼節や威厳を描いており、時代設定は江戸時代ですが、現代にも通じる精神のありかたを描いています。日本では最近、震災の惨事がおこり、そこに立ち向かう姿が報道でも伝えられています。この映画は、世界の人にとっても、人としての誇りを失わないという生き方が、模範になるのではないかと思います」と語った。
『一命』は、今年10月に公開される。
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