自分がアニメーターだったときとは、まったく違う取り組み方だった
蒔田彩珠、坂本真綾、入野自由、柴咲コウ、井浦新など、豪華声優陣が顔を揃えた話題のアニメーション映画『神在月のこども』。ムビコレでは本作で監督デビューを果たした白井孝奈のインタビューを掲載している。
忘れられない記憶の情景を初監督作品で再現/『神在月のこども』白井孝奈監督インタビュー
大好きな母を亡くした12歳の少女・カンナが、ある使命と葛藤を胸に、神話の地「島根・出雲」を目指して走り出す姿を描いた本作。これまでアニメーターとして、『おおかみこどもの雨と雪』『かぐや姫の物語』『ハーモニー』などの作品に携わってきた白井。『海獣の子供』での作画監督助手を経て、監督に大抜擢された。
日本の文化にもっと触れてほしいという思いから、日本の神々や出雲を題材とした本作の企画がスタート。舞台となる島根県でロケハンをした際、監督が忘れられなかった情景は、出雲大社の近くにある稲佐の浜。「私たちが行った日は神迎祭(かみむかえさい)だったんですが、よくあるにぎやかなお祭りを想像して行ったら、なんと提灯や照明は必要最低限。人のためではなく、本当に神様のための儀式なんだと驚きました。こういった日本の文化がいまでも続いているということは、自分の目で見なければわからないことだったと思います。映画の中でも実際に私たちが通った道を描いていますが、そんなふうに肌で感じたことを込めました」。
中学1年生のときに見たディズニー映画『アトランティス/失われた帝国』に衝撃を受け、アニメーターを目指したという白井監督。いちアニメーターではなく、監督として作品に臨んで感じた違いや大変さについてこう語る。「本当に、最初はわからないことだらけでしたね。でも、立ち止まってもいられない状況だったので、その都度周りの助けを借りながら進んでいきました。特に難しかったのは、自分が思いついたことをいかにきちんと周りに言葉で伝えられるか。そして、それをいかにその通りに絵で表現してもらうかということ。自分がアニメーターだったときとは、まったく違う取り組み方だったのですごく大変でした」。
コロナ禍という事情もあり、制作スタッフとはリモートでやり取り、声優のアフレコも1人ずつ行われた。そんな中でも監督は“全員で作り上げる一体感”を味わえたと話す。「各セクションのプロフェッショナルなお仕事が積み重なって完成しているので、みなさんの“神技”がこの映画を作り上げてくださったのだと改めて感じています」。白井孝奈監督のインタビュー全文はこちらから!
『神在月のこども』は現在公開中。
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