PTSD(心的外傷後ストレス障害)、ヤングケアラー(通学や仕事をしながら障害や病気のある家族を介護したり世話したりする18歳未満の子供)などこれまで家族の問題として隠されてきた問題に迫る新作映画『蜜月』が、2022年春より全国公開される。社会の片隅で生きる男たちを描くことに定評のある榊英雄監督が、7年越しに取り組み、リアルな親としての感情をぶつけ、“家族愛”という新境地を切り開いた一作だ。
・新作映画『蜜月』17歳の美月、32歳の美月の写真はこちら!
『MOTHER マザー』手がけた港岳彦のオリジナル脚本作品
本作は、長澤まさみ主演の映画『MOTHER マザー』(20年)など一貫して社会的抑圧や差別を題材にした作品を執筆している脚本家・港岳彦によるオリジナル脚本作品。母親との抑圧された暮らしの中で歪められた、少女の幼く危うい性を描き、レイティングR15指定となった衝撃的な描写で観客を挑発、社会問題を投げかける。
母親は、離婚して心を病んだ。娘の美月は激しい母親の抑圧の中で、子どもながらに病める母を支えて必死に生きてきた。母が新たな伴侶を得て、4人家族となったとき、美月は、やっと温かな居場所ができることを期待した。美しい17歳に成長していた娘、その「女という性」に対し嫌悪・嫉妬し、性的に抑圧する母。美月はそれでも懸命に家族の温もりを求める。しかし愛を知らない美月の“愛し方”が家族を壊していき、ついには哀しい事件が起こる。15年の年月が流れ、美月は夫と穏やかな暮らしを得た。そこに、義弟が15年ぶりに現れ、母の死を告げる。さらに、15年間にわたる過酷な義母の介護も知らされ、愕然とする。固く封印していた過去があふれ出す。愛する夫との暮らしを守るためにも目を背けてはいけない。それはあまりにも切なすぎる秘密だった…、というストーリーが展開される。
ヒロインを演じたのは、話題作に立て続けに出演し、自身でも監督をするなどマルチな才能で活躍の場を広げている佐津川愛美。傷つきながらも愛を求め疾走する17歳、秘密を抱えながら夫と支えあう32歳、過酷な家族環境下、懸命に生きる一人の女性の成長という難しい役を見事に演じきり、榊監督の要求に応えた女優魂には感服。役に憑りつかれたような圧巻の演技に「フランスの至宝イザベル・ユペールを彷彿させる」との絶賛の声も上がったという。
美月役の佐津川は「撮影まで4年かかりました。静かに待ちながら、常に彼女が気になる。突然自分の人生に入り込んできたようでした。時間が経つほどにどんどん存在が濃くなっていく。きっと、彼女はそういう人間なんだと思います。どこに惹かれたのか、未だにわかりません。港さんの作り出した世界にいる彼女をただただ演じたい、心の底からそう思いました。辛いシーンを超えるたびに私は現場で愛を感じていました。頼もしい共演者、スタッフのお陰で、ひとりぼっちではありませんでした。だからこそ、ひとりぼっちだった彼女を演じ切れました。もがき苦しんで生まれたこの作品を、榊組で完成させられたこと、役者として誇りに思います。どうかこの家族が、スクリーンの先に居る『美月』に届きますように」とコメントしている。
『蜜月』は2022年春より全国公開。
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