ついに公開!『ドーナツキング』アリス・グー監督のコメントと本編冒頭映像を公開
SXSW映画祭で上映され全米の“ドーナツ王”と呼ばれた男の人生に迫ったドキュメンタリー映画『ドーナツキング』が、全国で公開中だ。
リドリー・スコットが製作総指揮を務めた同作。新星アリス・グー監督により、ただ甘いだけではない、ドーナツにまつわる新たな発見と驚きがつまった作品が誕生した。
この度、グー監督のコメントと、本編冒頭映像が公開された。
アメリカ国内には約2万5000店以上のドーナツ店がある。そのうちの5000店舗があるカリフォルニア州に住む人々の朝の車通勤の定番は「ドーナツ2個と1杯のコーヒー」。
そんなアメリカ人が愛してやまないドーナツ店の経営を始めて資産2000万ドル(日本円で約22億円)をも所有する“ドーナツ王”となったカンボジア人男性がいた。
彼の名はテッド・ノイ。誰もがうらやむアメリカンドリームをつかんだ彼は、なぜアメリカに渡り、いかにして現在も脈々と継がれるドーナツ店経営に至ったのか……。
ドーナツの穴を覗き込むようにテッドの人生を覗き辿ってみると、カンボジア内戦、難民問題、大手チェーン店vs個人経営店の最新ドーナツ事情まで、幾多の困難を乗り越えながら、思いもよらぬ方向へ転がった人生と数奇なエピソードが紡がれる。
監督は、新人ながら昨年のSXSW映画祭でその才能を絶賛された注目の女性監督、アリス・グー。
この度、公開された本編映像では、“テッドがカンボジア系のコミュニティを作った”“生ける伝説”“ドーナツ王だ”“ドーナツ最高”……。このドキュメンタリーの幕開けにふさわしく、人から人へ漏れ聞こえてきた噂の声が聞ける。
まるでスーパーマリオブラザーズでおなじみのブロックのようにアタックしすり抜けていくのは、アメリカンドーナツの象徴“ピンクの箱”だ。
車社会のアメリカ・ロサンゼルスの街を伝説のプロスケーター、デーウォン・ソンが軽やかにトリックを決めながら疾走し、ポップでカラフルなドーナツがわたしたちの手元にサプライされるまでの過程をスピーディーに、そして最重要人物の“ドーナツ王”テッド・ノイが現れる(https://youtu.be/D8iCiGwjI7E)。
カルフォルニア州にあるドーナツ店のほとんどがカンボジア人オーナーだったという事実
同作が長編初監督デビュー作となったグーは、生まれ育ったカルフォルニア州で、アメリカの象徴といえる食べ物のひとつであるドーナツのほとんどが、カンボジア人オーナーによって作られているこの数奇で皮肉めいた事実を知り、「映画にしよう」と約2ヵ月後にはカンボジアのテッドの元へ赴き、カメラを回していたという。
グー監督は「テッドのストーリーを語る上で、カンボジアで起きたクメール・ルージュの歴史的な背景や歴史的なパートはとても重要でした。私自身もとより興味がありましたが、観客のことを考えると、『ヒストリーチャンネル』ばかり見ている人だけではないと思いますしね(笑)。この物語をより多くの人に興味もってもらうために、スイートとビターのバランスについてはとても考えました。スイートに比重を置きすぎるとそれもまたこの物語に失礼になってしまうから」
制作総指揮に名を連ねたスコットをもって「まだ味わったことのない新たな発見と驚きに満ちたとびきりのドーナツタイムをぜひとも堪能してほしい」と名乗りを上げるほど、大胆で繊細、スイートでビター、両面を合わせ持ち、多層的に語られている。
ドキュメンタリー映画『ドーナツキング』は現在、全国で公開中だ。
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